FIELD2 Global Immersionについて

本日で最終成果物を提出し、僕らのFIELD2 (海外コンサルティングプロジェクト)はほぼ終わりとなった。HBSでは今年で5年目のプログラムであり、楽しめたが、洗練されたケースでの教授法と比べるとまだまだ改善の余地があるプログラムだと感じた。

FIELD2の構成

FIELD2は一言で言うと、6人で構成されるチームによる、海外の企業への新商品・新サービスのコンサルティングプロジェクトだ。プロジェクトの内容としては新商品・サービスの企画が主だが、対象となる商品・サービスは新しい下着から金融サービスの企画までと幅広い。どの地域のプロジェクトに関わりたいかは希望できるが、チームと担当する企業については特に選択の余地はなく、10月に発表される。スケジュールとしてはプロジェクトが始まる10月から12月の前半までがボストンでの準備期間、1月の前半の約8日間が現地に赴いてのプロジェクト期間となる。

アプローチ方法は「デザインシンキング」と呼ばれる、ユーザーを中心とした開発プロセスを学んで、実践することになる。具体的には、 ①顧客を観察、インタビューして理解する、②問題点を定義する、③問題の解決策のアイデアを出す、④プロトタイプを作成する、⑤テストする、のプロセスを高速で繰り返すプロセスを行った。

僕はアフリカ大陸に行ったことがなかったため、モロッコを希望し、希望通りのモロッコでのプロジェクトとなった。チームは元軍人のアメリカ人、元コンサルタントのアメリカ人、元事業会社の戦略担当のカナダ人、元コンサルタントのタイ人、元エンジニアの中国人、と僕というバッググラウンドも国籍も異なるメンバーだ。担当する企業は金融機関、となった。

FIELD2からの学び

幸いにもメンバーに恵まれ、チームメンバーからの学びが非常に多かった。元コンサルタントのアメリカ人、タイ人はモロッコでのプロジェクトが始まるとすぐにアウトプットの骨組みをパワーポイントで3時間程度で仕上げてくれ、それを元にデータを埋めていけばアウトプットができるようにしてくれた。プレゼンの流れも綺麗で、骨子を作り上げる早さには驚かされた。また、元事業会社の戦略担当のカナダ人は時間へのこだわりが強く、常にいつまでに何をどこまで決めるべきか、をはっきりさせてくれ、ミーティングはいつも密度が濃く、かつ非常に効率的だった。3人とも仕事のスピードが早く、そのスピード感には驚かされると同時に、学びが多かった。

元軍人のアメリカ人はプロトタイプを作る時に強みを発揮した。最終的にはアプリケーションのアイデアを作り上げたのだが、彼はデザインに優れ、かなり出来の良いペーパープロトタイプを2時間程度で作ってくれた。そのおかげでプロトタイプのテストをかなり短時間で行うことができた。元エンジニアの中国人もひるまずインタビューを積極的に行ってくれ、インタビューの量を増やすことができた。

僕は商品企画の経験があったこともあって、インタビューの質問作成、実行やアイデアのブラッシュアップで主に貢献した。より精度の高い情報を得ること、提案の質を上げること、で貢献できたと思う。

彼らと一緒に働くことで、①アウトプット志向の働き方、②こちらでの議論のスピード感、を学ぶことができた。メンバーとして貢献はできたが、この速度での進め方の中で議論をリードするのは英語だとまだ辛い。また同じメンバーで働くことがあれば、もっとリードしようと思う。これは次学期での課題。

FIELD2のプログラム自体からの学びもあった。「デザインシンキング」は元々商品企画だったこともあり、すでに実践した経験はあったが、ほぼ1週間という短期間でここまでサイクルを回したことはなく、このスピード感で行うことができると実感できたことが大きな学びとなった。また、モロッコの市場や国についても少しは知識を持つことができ、それ自体が僕の世界観を少し広げてくれた。モロッコはフランスの影響力が強い中東文化圏のアフリカ大陸の国、と様々な要素を含んだ国であり、その文化が混じり合った姿を知れたのは良かった。

最後に、コミュニケーションの課題もまた見えてきた。1対1であればそれなりにコミュニケーションを円滑に取れるが、アメリカ人のグループでの会話となると、途端に会話が難しくなってしまう。グループで共通して盛り上げる会話となると一般的な話題であったり、面白い体験を振る必要があるが、アメリカ人に「ウケる」ような引き出しが少ない。結果として、会話にうまく入れず、会話への参加が引き気味になってしまう。常に前向きで、積極的に会話に入って、盛り上げられるようになるためにはまだまだ訓練が必要だ。それが明確になったという点で、良い学びとなった。

FIELD2の改善余地

一方、このプログラムはもっと良くできるな、と感じることもいくつかあった。一つ目は、プロジェクトの期待値についてだ。8日間の滞在期間のうち、2日間はほぼ丸1日の参加必須の行事が入っており、残りの6日間についても3回ほど必須で参加しなければならないセッションがある。そのため、実質的な活動期間はほぼ5日。もちろん残された時間で質の高いアウトプットを出そうとはしたが、短い期間がさらに短くなっているために、できることは限られる。この構成では、HBSがアウトプットを期待していないのではないかと思ってしまう。また、HBSからクライアントに対して、あくまでも学生の学びが主である、というコミュニケーションがされていることも学生の高いアウトプットを出そうというやる気をやや下げている。これらの理由から、どのチームも集中はしていたが、朝9時から夕方6時くらいまで働いて切り上げているチームが多かった。おそらくクライアントに学生がこき使われないような配慮がされているのだと思うが、インテンシブな時間を過ごすからこそ得られる学びや友人関係もあるため、クライアントに対して最高のアウトプットを出そう、というモチベーションをもう少し与えるような構成にしても良いと感じた。

二つ目はHBSがコンサルタントにする待遇のような、あまりに至れり尽くせりの状況を用意していることだ。期間中、学生にはドライバーと通訳がつき、調査をサポートしてくれる。食事もホテルにてほぼ朝、晩と提供される。参加が要求されるイベントも事前にかなりの調整がされており、ホテルから場所への往復バスが手配されるなど、なるべく学生が費やす労力が少ないようになっている。これは楽だが、現地へのimmersionという観点からすると、現地の生活に入り込む機会がなく、やや物足りない。しかもプロジェクトの日程自体が前述のようにかなり短いので、あまり都市を回る余裕もない。誰かが迷う、怪我をするなどのリスクを軽減する、リスクマネジメントの観点も分かるが、小さい子供ではないのだから、もう少し公共交通機関を使わせるなど現地に入り込ませた方が良いかと感じた。

FIELD2の感想

全体を通じて、FIELD 2に意味があるかどうか、といえば間違いなくある。ケース形式では他のメンバーと一緒に長期間ともに働くことがなく、知識はあるが実践できない、という状況になりがちだ。FIELDでは特にリーダーシップで学んだことを実践することによって、学びを深めることができた。例えば、フィードバックの習慣やチームでの規範を定めることは明確にチームとして動くパフォーマンスを上げることを実感できた。チームで求める期待値が異なる時に、どういう緊張が発生するか、ということも実感した。学びを実践して身につけていくための機会、という点でFIELDは良い補完となっていると思う。

気づけばあと2週間後の1月25日からは春学期が始まる。春学期ではFIELD3という起業プロジェクトがあるため、今からそれが楽しみでもある。

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