MBA受験 – 海外留学向けの奨学金まとめ

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MBAの費用は2年間で単身で約20万ドル、パートナーと一緒では約23万ドルと非常に高額であり、資金調達は私費受験者にとって大きなハードルです。

海外留学向けの奨学金について、まとめてみました。

フルブライト奨学金 (Fulbright Scholarship)

例年5月に締切のある、アメリカの大学院受験者・進学者を対象にした、1年間の学費、生活費、渡航費の全額の給付をしてくれる奨学金です(全額といっても一定額で上限あり)。

MBA受験者は大学院留学(専門職学位)プログラムに応募することになります。5月に予備審査、7月に本審査用の書類を提出し、例年は11月に面接審査、11月か12月に結果発表です。

F-1ビザではなく、J-1ビザとして留学することになり、原則は卒業後の帰国と2年間の自国滞在義務があります。 また、alternate (補欠)となった場合でも、principalに繰り上がる可能性があります。私は補欠となりましたが、5月に繰り上がりの連絡がありました。

ロータリー奨学金 (Rotary Global Scholarship)

ロータリー財団の「グローバル補助金」は大学院受験者・進学者を対象にした、学費、生活費、旅費に使える3万ドルの給付をしてくれる奨学金です。

地区により異なりますが、東京都の南半分が所属するロータリー2750地区では10月末が例年は応募の締切です。地区により募集人数が異なるため、現在住まれている地区、またはゆかりのある地区のロータリーのホームページを調べてみることをお勧めします。

重点分野として6分野を設定しており(1. 平和と紛争予防・紛争解決、2. 基本的教育と識字率向上、3. 経済と地域社会の発展、4. 疾病予防と治療、5. 水と衛生、6. 母子の健康)、その分野へ将来進みたい人が対象となるため、応募の際には自分が卒業後にその分野に進む意思をきちんと伝える必要があります。

ロータリーにはそれぞれの地域で影響力のある人たちが入っていることが多く、そのネットワークに参加できることも魅力の一つです。

例:2020年度のロータリー奨学金の募集 (2580地区)

伊藤国際教育交流財団奨学金

海外大学院受験者・進学者を対象とした、約1000万円を給付してくれる奨学金です。締切は毎年8月末。額が大きいのが非常に魅力的ですが、「手書きで応募用紙を8部書く」、という写経をこなさないといけないため、非常に労力がかかります。

8枚の応募用紙を1枚20分として、20 (分) x 8 (枚) x 8 (部) = 21 (時間) 、写経を続けないといけません。書き直しの手間も含めると、おそらく24時間は書くだけでかかり、その下書きを書いたり、英文研究計画書を用意すると、30時間以上はこの奨学金の応募だけでかかります。

応募する場合は早めに準備したほうが良いです。

平和中島財団奨学金

10月末応募締切の海外大学受験者・進学者を対象とした、大学院生には年間240万円を支給してくれる奨学金です。提出書類が少なく、応募はフルブライトや伊藤国際教育交流財団に比べるとかなり楽です。

船井情報科学振興財団

船井情報科学振興財団の奨学金プログラムは過去にMBA向けにも奨学金を出していましたが、2020年度は学士と博士課程のみのようです。

その他、中島記念交流財団JASSO

以下は合格後に応募できる奨学金です。

神山財団奨学金

留学する年の3月末までに応募する奨学金です。100万円を2年間で計200万円。金額も大きいですが、この奨学金は起業家やベンチャーキャピタルとの交流の機会を与えてくれることに大きな価値があります。

IELTS奨学金

IELTSが出している奨学金です。IELTSを利用して大学に応募し、その大学から合格通知をもらっていることが必要です。

合格人数は4人。支給金額は30万円とさほど多くはありませんが、他の奨学金と重複してはいけないという制限もなく、IELTSを使って受験しているのであれば応募する価値のある奨学金です。

UNIQLO HBS Fellowship

HBSに合格した私費受験生を対象とした、2年間で最大20万ドルが支給される奨学金です。例年は3月末が締切。2015年は4月に書類審査とUNIQLOの柳井さんとHBSの竹内教授との面接審査がありました。また、資金面でのサポートに加えて、1ヶ月間のUNIQLOでインターンシップができる機会もあります。

僕はこの奨学金が始まった年の受給者でした。もしHBSに合格されて、奨学金応募を検討している時にはご連絡ください。

大学が直接運営する奨学金

その他、大学に直接応募できる奨学金がありますので、合格後に大学のFinancial Aidのページを見てみてください。HBSの場合は結果として約半数の方が何らかしらの形でScholarshipを受け取っているようです。

奨学金応募のアドバイス

  1. MBAとそれ以外も含めたプログラムを対象にしている場合、MBAは他のプログラムと比べて卒業後の平均給与が高い場合が多いこと、卒業後のオプションが広いために奨学金の必要性が低いとみなされ、優先度が低くなる場合があります。MBAで何を学びたいのか、その後で自分がどのように社会に貢献していくつもりなのか、を明確に書いた方が良いです。
  2. 奨学金についてリサーチし、理想的な応募者を考えること。例えばロータリーの奨学金であればロータリーの重点分野に合うキャリアへ進みたい人のみが対象であるため、自分のやりたいことと照らし合わせた方が良いです。
  3. 基本的にはMBAのエッセイと同じく、自分はどんな人間で、どんな志を持っていて、どうしてそういう志を持つようになって、その志がどのような人生での意思決定やキャリアに繋がっていて、何を将来的にしたくて、何をMBAに求めているのか、が伝わるようなストーリーを書くのが良いと思います。エッセイの筋が通っているのは前提でして、それに加えて、読んだ人が情景や人柄を思い浮かべるような、生々しい、具体的な話が豊富で、感情に訴えるようなストーリーの方が良いという個人的な印象です。

奨学金を獲得するためのエッセイの書き方は >> MBA受験 – エッセイ(Essay)の書き方とテクニック

MBA留学の全体像へ >> MBA – 受験から卒業までの流れ

投稿者: aki

アキ。東京での勤務の後、ハーバードビジネススクール(HBS)へ留学しました。卒業後は、医療の世界で働いています。現在シドニー在住。ご連絡はTwitterまで。

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