Founders’ Dilemma

Harvard Eye Catch

HBSでこれまで受けてきた授業の中で視点を広げてくれたり、知識を増やしてくれるものは多かったが、Founders’ Dilemmaほど僕の人生観に影響を与えた授業はなかった。この授業の教授はShikhar Ghoshという2社を上場させ、Forbesの正面をJeff Bezosと飾ったり、インターネット業界で最も革新的な10の企業のCEOに選ばれたような有名な元起業家だ。授業では起業家が直面する様々な課題(例えば、共同創業者の株式の割合はどうすべきか、家族を経営陣に入れることはどのような影響があるか等)について扱った。

授業で得た学びは多く、まだ僕自身消化し切れていないが、彼が最後の授業で残してくれたアドバイスがとても良いと感じたので、共有したい。

僕らが重要だと思うことは、必ずしも重要ではない

僕らは他の人が自分のことをよく見ていて、自分の言ったことを覚えていると思っている。一方、僕らは相手のことをどれくらいよく見ていて、相手が言ったことを覚えているだろう? 僕らが自分のことを考えるように、誰もが皆自分のことを考えている。僕らが恐れるほど、他の人は僕らの失敗に対して構わないし、関心を払ったりしない。他の人にとって、あなたの失敗は大したことはない。

また、僕らは幸せについて考えるとき、今の状態と「こうしていれば」の状態を比べ、差を大きく見積もりすぎる傾向がある。実際には、差はそんなに大きくはない。宝くじで一億円当たった人と、事故にあって障害をおってしまった人の一年後の幸福度の差の研究によると、どちらのケースも幸福度に優位な差はない。

好奇心に従い、人生で来たものにオープンでいたほうが、幸福でいられるだろう。

人間関係を大切にすること

幸福の研究によれば、教育、収入、職業、宗教などは幸福度に影響を与えない。幸福度に影響を与えるのは、人間関係。金銭と異なり客観的に測定できないために見過ごされがちだが、いかに深い人間関係を築けたかが幸福度に影響を与えることを覚えておくべき。

  1. 家族に週に一度は連絡をすること
  2. 兄弟姉妹をサポートすること
  3. 深く、長く続くような友人関係を築くこと
  4. 人と過ごす時、常にその場に意識を集中すること

自分を知り、意義あることに時間を使うこと

医療は人の健康に、法律は正義に貢献する。ではビジネスは何に貢献するのだろう? なぜそのビジネスをやるのか、意義(Purpose)を考えてやったほうが良い。ある人は自分の体験からその意義を見つけるだろうし、ある人はやってみて後から気づくこともあるだろう。人生は思っているよりも短く、成し遂げたいことをするための時間は限られている。自分の限られた時間を何に使うかを決めるべきだ。自分を知り、自分にとって意味があることに、時間を使ったほうが良い。

* * * * *

クラスの最後の授業で、彼は自分の人生について語ってくれた。若くしての経済的・社会的な成功と、その後の様々な苦難。彼のストーリーは、僕らが人生で一体何を成し遂げたいのか、自分にとって何を成功と定義するのか、どうすれば幸福に生きられるのか、について多くの洞察を与えてくれた。

僕は、人からの評価を気にして物事を決めていないだろうか。自分の周囲の人を大切にできているだろうか。意義あることに時間を使えているだろうか。これからの人生、特に人間関係(relationships)と意義(purpose)については自分が自分のなりたい姿に近づけているかどうか、定期的に振り返るようにしたい。

投稿者: aki

アキ。東京での勤務の後、ハーバードビジネススクール(HBS)へ留学しました。卒業後は、医療の世界で働いています。現在シドニー在住。ご連絡はTwitterまで。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください