MBA留学中の時間の使い方へのアドバイス

HBSを卒業した人が口を揃えて言うのは、そのカリキュラムの厳しさ。特に1年目でクラスによっては3%程度が本当に退学となるため、まだ慣れていない1年目をどうやって生き延びるかは重要な課題。

複数の先輩から、留学中にやっておいた方が良いというアドバイスを下記のようにいただいた。

MBA留学中の時間の使い方へのアドバイス

  1. 優先順位を決めること
    • MBAでは機会が多すぎて、あっという間に時間が過ぎてしまう。自分の中で優先順位を決めて、これだけは達成する、と決めるとより実りの多い21ヶ月となる。
  2.  ブログを書くこと
    • MBAの日々は授業、講演会への参加、ネットワーキング、就職活動、とあっという間に日々が過ぎて、気がつけば3ヶ月が過ぎてしまう。自分がどんな成長をしたのかを記録して振り返ることで、学びを定着できる。
  3. 授業ではとにかく前に出て、発言をすること
    • 聞き取りが最初はきついが、予習の段階でどこで発言すると決めておき、発言する。特に議論が煮詰まっている時に、新しい観点を提示すると点数が高い。
    • 視点をトップマネジメントと現場、理論と現実、論理と情熱、と移動させることで面白い発言をする
  4.  毎回の授業のTake-awayを3点にまとめて、記録していくこと
    • まとめることで学びが深まるとともに、数年後にも振り返ることができる財産となる
    • 頭の中でそれぞれの授業での学びがつながり、より長期的な思考の財産となる
  5. 教授とオフィスアワーを使って積極的に話し、繋がりを作っておくこと
    • オフィスアワーにアポを取れば、教授とは簡単に話ができる。ビジネスのアイデアのブラッシュアップも手伝ってくれるため、積極的にオフィスアワーは利用した方が良い。また、個人研究としてプロジェクトを一緒に行うことで、さらに深い関係を築くこともできる。
  6. 平日もパーティやネットワーキングの機会に積極的に参加すること
    • MBAで過ごした友人との繋がりが卒業後の財産となる。勉強はとても忙しいが、多少無理してでもネットワーキングの機会には行った方が良い。
    • スタディグループはずっと続く仲になる。しっかり毎回貢献をすること。
  7. 日曜日は9時からケースを読み、4ケース以上読んでおくこと
    • HBSの授業は水曜日を除く平日3ケース、水曜日2ケース扱う。日本人はだいたい1ケース4時間かかるため、平日だけでは予習が間に合わない。金曜日の夜と土曜日はフリーの時間にするにしても、日曜日には4ケース以上読んで貯金をしておき、平日に少しは時間を割けるようにした方が良い。
  8. ファイナンス系の授業を取ること
    • 日本のスタートアップ、特にテック系はファイナンスが弱い。適切に資本調達をするためにも、ファイナンスについてしっかり学ぶことが大事。

MBA受験の全体像は

海外MBA受験に実際にかかった費用

海外MBA受験では学費や生活費に加えて、試験、予備校、大学応募費用など受験の準備のためにも費用がかかります。

具体的には、①テスト受講費用、②スコアメイクのための予備校代、③エッセイカウンセラー代、④インタビュー対策代、⑤大学応募費用、⑥学校調査費用、がかかります。

事例として、私が合格までに実際に使った受験費用の内訳と詳細は以下になります

受験費用の内訳

  • テスト受講費用:
    • TOEFL 9回: $230 x 9 = $2,070
    • GMAT  3回: $262 x 3  = $  786
    • 参考書等       : $300
  • スコアメイク予備校
    • Y.E.S.           : 200,000円
  • エッセイカウンセラー
    • 江戸義塾     : 300,000円
  • インタビュー対策
    • Vince         : 51,480円
    • Matthew  : 60,000円
    • Ed             :  23,500円
  •  大学応募費用(6校)
    • 応募費用  : $1,560
    • スコア送付 : $   360
  • 学校調査費用
    • スクールビジット: $1,000

計: 約136万円

以上のように、GMAT/TOEFLの試験費用 36万円、TOEFL/GMAT 予備校費用 20万円、エッセイカウンセラー費用 30万円、インタビュー対策費用 14万円、受験費用 24万円、スクールビジット費用 12万円で1$ = 120円で計算すると約136万円になります 。

テスト受講費用

テスト受講費用は受験生によって変動が大きい部分です。英語圏の在住もしくは留学歴がある人は1、2回のテストでTOEFLの必要点数をクリアすることもありますが、多くの留学歴が1年以下の人はTOEFLで105点を取ることに苦しみ、TOEFLは10回程度受けることが多いようです。

TOEFLについてはETSのサイトから試験を購入することもできますし、中国サイトを探せば本試も手に入れることができますので、あまり何回も本番を受けるのではなく、家で練習をするのが良いかと思います。

GMATについては年間5回までしか受けられませんので、GMATの公式サイトで手に入るPrepである程度目標に近い点数が出るようになってから受けた方が良いと思います。また、Manhattan GMATを購入するとPrepに加えて問題がさらに手に入ります。

注意点ですが、TOEFLもGMATもキャンセルや日程変更で手数料がかかります。私は出張でTOEFL、GMATともに受けていないのに1回分無駄に支払ってしまいましたので、キャンセル可能な日程の確認はご注意を。

GMATのための予備校

私はY.E.S.  という御徒町にある予備校で文法、Writing、Sentence Correction (SC)の授業を取り、3講座合計で20万円でした。特に文法は曖昧であった部分をクリアにしてくれると同時にSC対策にも繋がり、非常に価値のある授業だったと思います。

エッセイカウンセラー

江戸義塾の10時間パッケージコースを購入して、自己分析時のブレスト、エッセイネタ出し、エッセイ作成、応募用紙作成、を行いました。

加えて、グループディスカッションなどのエドが単発で行う講座にも数回行きました(パッケージを購入していたため半額になり、5,000円になりました)。

エド先生は人気のため、トップスクールを狙うのであれば、早めに連絡をしておさえた方が良いと思います。

インタビュー対策

私はAGOSと提携をしていたVinceのハーバード用インタビュー対策講座を受け、その後、Mattewという個人でインタビュー対策をスカイプで行なっている人と4時間程度のセッションを行いました。

費用をいかに賄うか

社費の場合は会社が受験費用も出してくれる場合もあるようなのですが、私費の場合は基本的に全て持ち出しとなります。

留学費用をまかなうためには、奨学金を受給するのが一つの方法です。奨学金を獲得する方法については下記のページをご覧ください。

奨学金について >>MBA受験 – 奨学金をいかに獲得するか

MBA留学全体について >> 海外MBA受験から留学開始までのまとめ

MBA受験 – 海外留学向けの奨学金まとめ

MBAの費用は2年間で単身で約20万ドル、パートナーと一緒では約23万ドルと非常に高額であり、資金調達は私費受験者にとって大きなハードルです。

海外留学向けの奨学金について、まとめてみました。

フルブライト奨学金 (Fulbright Scholarship)

例年5月に締切のある、アメリカの大学院受験者・進学者を対象にした、1年間の学費、生活費、渡航費の全額の給付をしてくれる奨学金です(全額といっても一定額で上限あり)。

MBA受験者は大学院留学(専門職学位)プログラムに応募することになります。5月に予備審査、7月に本審査用の書類を提出し、例年は11月に面接審査、11月か12月に結果発表です。

F-1ビザではなく、J-1ビザとして留学することになり、原則は卒業後の帰国と2年間の自国滞在義務があります。 また、alternate (補欠)となった場合でも、principalに繰り上がる可能性があります。私は補欠となりましたが、5月に繰り上がりの連絡がありました。

ロータリー奨学金 (Rotary Global Scholarship)

ロータリー財団の「グローバル補助金」は大学院受験者・進学者を対象にした、学費、生活費、旅費に使える3万ドルの給付をしてくれる奨学金です。

地区により異なりますが、東京都の南半分が所属するロータリー2750地区では10月末が例年は応募の締切です。地区により募集人数が異なるため、現在住まれている地区、またはゆかりのある地区のロータリーのホームページを調べてみることをお勧めします。

重点分野として6分野を設定しており(1. 平和と紛争予防・紛争解決、2. 基本的教育と識字率向上、3. 経済と地域社会の発展、4. 疾病予防と治療、5. 水と衛生、6. 母子の健康)、その分野へ将来進みたい人が対象となるため、応募の際には自分が卒業後にその分野に進む意思をきちんと伝える必要があります。

ロータリーにはそれぞれの地域で影響力のある人たちが入っていることが多く、そのネットワークに参加できることも魅力の一つです。

例:2020年度のロータリー奨学金の募集 (2580地区)

伊藤国際教育交流財団奨学金

海外大学院受験者・進学者を対象とした、約1000万円を給付してくれる奨学金です。締切は毎年8月末。額が大きいのが非常に魅力的ですが、「手書きで応募用紙を8部書く」、という写経をこなさないといけないため、非常に労力がかかります。

8枚の応募用紙を1枚20分として、20 (分) x 8 (枚) x 8 (部) = 21 (時間) 、写経を続けないといけません。書き直しの手間も含めると、おそらく24時間は書くだけでかかり、その下書きを書いたり、英文研究計画書を用意すると、30時間以上はこの奨学金の応募だけでかかります。

応募する場合は早めに準備したほうが良いです。

平和中島財団奨学金

10月末応募締切の海外大学受験者・進学者を対象とした、大学院生には年間240万円を支給してくれる奨学金です。提出書類が少なく、応募はフルブライトや伊藤国際教育交流財団に比べるとかなり楽です。

船井情報科学振興財団

船井情報科学振興財団の奨学金プログラムは過去にMBA向けにも奨学金を出していましたが、2020年度は学士と博士課程のみのようです。

その他、中島記念交流財団JASSO

以下は合格後に応募できる奨学金です。

神山財団奨学金

留学する年の3月末までに応募する奨学金です。100万円を2年間で計200万円。金額も大きいですが、この奨学金は起業家やベンチャーキャピタルとの交流の機会を与えてくれることに大きな価値があります。

IELTS奨学金

IELTSが出している奨学金です。IELTSを利用して大学に応募し、その大学から合格通知をもらっていることが必要です。

合格人数は4人。支給金額は30万円とさほど多くはありませんが、他の奨学金と重複してはいけないという制限もなく、IELTSを使って受験しているのであれば応募する価値のある奨学金です。

UNIQLO HBS Fellowship

HBSに合格した私費受験生を対象とした、2年間で最大20万ドルが支給される奨学金です。例年は3月末が締切。2015年は4月に書類審査とUNIQLOの柳井さんとHBSの竹内教授との面接審査がありました。また、資金面でのサポートに加えて、1ヶ月間のUNIQLOでインターンシップができる機会もあります。

僕はこの奨学金が始まった年の受給者でした。もしHBSに合格されて、奨学金応募を検討している時にはご連絡ください。

大学が直接運営する奨学金

その他、大学に直接応募できる奨学金がありますので、合格後に大学のFinancial Aidのページを見てみてください。HBSの場合は結果として約半数の方が何らかしらの形でScholarshipを受け取っているようです。

奨学金応募のアドバイス

  1. MBAとそれ以外も含めたプログラムを対象にしている場合、MBAは他のプログラムと比べて卒業後の平均給与が高い場合が多いこと、卒業後のオプションが広いために奨学金の必要性が低いとみなされ、優先度が低くなる場合があります。MBAで何を学びたいのか、その後で自分がどのように社会に貢献していくつもりなのか、を明確に書いた方が良いです。
  2. 奨学金についてリサーチし、理想的な応募者を考えること。例えばロータリーの奨学金であればロータリーの重点分野に合うキャリアへ進みたい人のみが対象であるため、自分のやりたいことと照らし合わせた方が良いです。
  3. 基本的にはMBAのエッセイと同じく、自分はどんな人間で、どんな志を持っていて、どうしてそういう志を持つようになって、その志がどのような人生での意思決定やキャリアに繋がっていて、何を将来的にしたくて、何をMBAに求めているのか、が伝わるようなストーリーを書くのが良いと思います。エッセイの筋が通っているのは前提でして、それに加えて、読んだ人が情景や人柄を思い浮かべるような、生々しい、具体的な話が豊富で、感情に訴えるようなストーリーの方が良いという個人的な印象です。

奨学金を獲得するためのエッセイの書き方は >> MBA受験 – エッセイ(Essay)の書き方とテクニック

MBA留学の全体像へ >> MBA – 受験から卒業までの流れ

受験に役立つ必見MBAブログまとめ

ブログは在校生の生の情報が書かれているため、受験ノウハウや学校別の情報を把握するには重要な情報ソースです。また、ブログを見て合格後の自分をイメージすることで、モチベーションを高める効果もあります。

私にとって役立ったブログをまとめてみました

受験ノウハウ

  • 落書き帳 for Wharton MBA
    Wharton Class of 2014のYumaさんのブログです。テストスコアの取り方、奨学金の取り方、と非常に詳しく記載されています。MBA受験ノウハウについては私費で留学経験のない受験生にとっては必読です。
  • A THOUSAND MILES
    MBAではありませんが、フルブライト奨学金を取られてNYUに留学されたKさんのブログです。フルブライト奨学金必勝法はフルブライト奨学金を目指す方は必見。
  • 海外MBAドットコム
    Class of 2016, 2017の有志で作成したMBA受験に関するポータルサイトです。合格体験記が60以上載っており、更新もされているため、現在でも参考になると思います。

学校別情報

  • 愛の日記
    HBS Class of 2008の古賀さんの熱いブログです。総合偏差値30でもハーバードには入れるImpossible is nothingといった古賀さんの考え方には刺激を受ける人も多いのではないでしょうか。
  • Stanford MBA留学記
    Stanford GSB Class of 2012の岩崎さんのブログです。Stanfordについては毎年合格する日本人があまり多くないこともあり、貴重な情報源です。Stanfordでダブルディグリーを取得され、その分野で卒業後に起業されており、ダブルディグリーの取得がその後のキャリアの可能性をどのように広げたかが分かります。
  • Straight勝負 -コロンビアMBAの風景-
    Columbia Class of 2015のStraight7さんのブログです。在学中には勉強、起業、旅行、インターン、と非常に充実された日々を過ごしており、MBAの生活を知る上で非常に参考になります。ニューヨークという場所で得られる機会をどう活かしたいのだ、と問われるColumbiaを受けるのであれば目を通すことをお勧めです。1週間に1時間の面談の機会を設けているようですので、訪問をされたい方は訪問先のフォームから依頼してみると良いかもしれません。
  • オレのWharton留学記 Wharton Class of 2015の方のブログです。Whartonでの授業、インターンシップ、旅行、とWhartonでの生活が分かります。特にWhartonでリーダーシップがどのように教えられているかの記事がお勧めです。

    HBSに関するブログ

  • ハーバードMBA 起業奮闘記 (Class of 2016)
    Natureを創業されているHaruumiさんのブログ。HBS在学中に起業を目指す場合にどんな機会があるのか、が分かります
  • HBS留学記
    HBS Class of 2014の湯浅エムレさんのブログです。現在は閉鎖されてしまっていますが、東洋経済での連載が残っています。

パートナーのブログ

MBA以外のスクールのブログ

Learning? : Harvard Education Schoolを卒業された先輩のブログです。

次の記事へ >> 海外MBA受験から留学開始までのまとめ

海外MBA受験 – 推薦状を誰に、いつ、どうやって頼むか

エッセイと並んで、海外留学で重要となるのが推薦状です。推薦状は推薦者に書いてもらうために完全に内容をコントロールすることはできませんが、方向性は推薦者と会って打ち合わせるなどしてすり合わせられるため、自分のストーリーを作ってから推薦者にお願いしたほうが良いです

誰に頼むか

私が受けた6校は上司の推薦状が必須または強く推薦されていました。仕事の成果を具体的に記述してくれるという点で、一人は現在の直属の上司が望ましいと思います。

ただし私費受験で職場の上司に頼みにくい場合、直属ではない上司に頼むのも一つの手であり、私の友人もその手を使っていました。よく言われる話ではありますが、職位が高く自分がやっていた業務を詳しくわかっていない人よりは、自分の仕事ぶりをよくわかっている人に頼んだ方が、より具体的かつ臨場感のあるストーリーを書いてくれるために良いと思います。

通常は大学からは2通要求されます。フルブライトを受ける場合は推薦状3通が必要です。フルブライトに必要な3通目は、フルブライトが他の奨学金よりも学術的な要素が強いため、大学でゼミに所属していた場合はゼミの先生などに一通頼み、自分の学術的な能力の裏付けをしてもらうのも一つの手だと思います。

私の場合は推薦状を二通要求する学校は現職場のイギリス人の上司と前職場の上司に依頼し、三通要求するフルブライトについては大学の恩師に頼みました。

幸いにも三人ともとても協力的かつ、英語圏で学んだことのある人たちであったため、非常にスムーズに書いていただけました。

どうやって頼むか

基本的には推薦者の人は忙しく、かつ自分と同じ程度には何の仕事をどのようにしていたかを覚えているわけではないため、書いてほしい内容と具体的な事例を伝えた方が良いです。

王道ではありませんが、英語で推薦状を書くことに慣れていない人に頼む場合にはほぼ丸々書いてしまって、後はその人に気になる点だけを直してもらう、という手もあります。

ただし、推薦状の代筆は殆どの大学で推奨されていないこと、この方法ではエッセイ、推薦状2通を書いたときに文体が似すぎて代筆を疑われるリスクがあるため、お勧めはしません。

英語の推薦状を二通自分で書くと書き方が似るため、推薦状を日本語で書いて、英文翻訳サービスを使って翻訳している人も同じ学年でMBA留学をした人にいました。お勧めはしませんが、そういう方法を取った人もいます。

私の場合は推薦者の三人とも英語ができる方であったため、特に問題はございませんでした。推薦状の依頼時には、今後どのような方向に進みたいか、どんな点が自分の強みであり、それがどの仕事で活かされたか、を箇条書きでまとめ、それを元にそれぞれの推薦者の人と話し合いました。

ドラフトも一応書きましたが、現職の上司は「これではお前の良さが伝わらない」とあまり使われず、前職の上司も箇条書きを元に書き上げてくれました。大学の先生も同様に、箇条書きを元に推薦状を書いてくれました。

お願いする時期

推薦状のフォーマットや質問は奨学金先や大学によって異なり、大学によってはそれなりに質問数が多いため、特に大学については複数校を受ける場合には2ケ月前くらいには頼んでいた方が良いです。

おそらく最も早いであろうフルブライトを応募する場合は、7月末までに3通必要となるため、6月前半には書いてほしい内容と共に依頼を行い、6月後半から7月前半にドラフトもしくはアウトプットをもらうのが良いでしょう。

書いてほしい方向とずれている場合は話し合い、7月中旬までには最終版を仕上げたいところです。3人から集める必要があるため、遅くとも2ヶ月前くらいから動き始めるのをお勧めします。

フルブライトを書いてもらった場合、8月締め切りの伊藤国際教育交流財団、10月締め切りの平和中島財団の奨学金への推薦状はそこまで変更せずとも使えると思いますので、私費の場合はフルブライトを出すと後の奨学金用の推薦状依頼作業が楽になります。

1stラウンドを受けるのであれば、2015年はHBSがかなり早く9月上旬であるため、2ヶ月前の7月上旬には推薦状の依頼をするのが望ましいです。

具体的には2014年受験の場合は、ハーバード、スタンフォード、ウォートンは2問で同じ内容かつ同じ字数でしたので、ほぼ同じものでした。コロンビアは2問の質問はほぼ同じでしたが、字数が異なりました。MIT、LBSは質問が4問以上かつそれぞれオリジナルのものでした。

年により推薦状の質問数や内容は変わると思いますが、いずれにしても早めに大学の応募要項から推薦状の質問を確認し、推薦者の方が何パターン作る必要があるのかを確かめて、依頼した方が良いかと思います。

2ヶ月前に推薦状を依頼するとなると、書いてもらう内容をその前に詰めるため、結局は3ヶ月前程度に自己分析を始めるのが必要となります。

MBA受験は仕事と両立しながら行うケースが多いと思いますので、スケジュールにある程度余裕をもたせ、理想を言えば、自分の強み、弱み、何を伝えるのか、を洗い出して、自分のストーリーを作り上げる作業を応募の3ヶ月前から始めたいところです。

推薦状の次には何を準備すれば良いか

TOEFL、GMATの点数がある程度取れ、推薦状の依頼が済めば、いよいよエッセイに取り掛かります。

次の記事 >>   MBA受験 – エッセイ(Essay)の書き方とテクニック

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MBA受験 – TOEFLで点数を取る方法(105|109)

多くの日本人MBA受験生が苦しむTOEFL。トップスクール合格では 105 点が一つの目安として言われており、HBSでは109 点を要求しています。私も苦しみ、計8回受けることになりました。TOEFLについては、100点を超えてからは下記のように進めると効率的かと思います。

Reading

Readingは25点くらいから上は単語力が必要となってきます。単語帳の3800を用いて、Rank 4 まで覚えると、単語の問題で落とすことがほぼなくなると思います。GMATよりも読み易い文章なので、GMATのRC対策をしていけば読解力が上がり、点数が28点以上で安定すると思います。105点以上を狙うには29か30が欲しいセクションです。

Listening

リスニングはとにかく量を聞くことが必要で、最も早めに対策を始めた方が良いです。TOEFLの場合は人文学から自然科学まで扱われる分野の範囲が広く、聞いてイメージが湧く単語を増やさないと、なかなか高得点が取れません。特にリスニングは1問がほぼ1点くらいの割合ですので、28点以上の高得点を取ろうとすると、落とせるとしてもダミー問題を除いて3、4問です。きちんと聞けていないとひっかけられる問題もあるため、TOEFLのリスニングの問題集で問題に慣れるのも良いかと思います(私はそこまで行っていなかったため、リスニングが25 – 28で振れていました)。

Speaking

スピーキングは問題の形式が独特なため、ある程度テンプレートで対策をした方が良いかと思います。下記のテンプレートが使いやすかったため、利用していました。

toeflresources.com

Writing

ライティングも同じくテンプレートに沿って書くと良いと思います。Y.E.S.に通っているのであれば、テンプレートに沿って書くことで、27点は安定して取れます。

105点以上を狙う人へのアドバイス

TOEFLはSpeakingで高得点を取ることが難しく、多くの場合は109点を取るためにReading, Listening, Writingで9割以上を取ることが求められます。そして、100点まではあるセクションで高得点を取れば良い「いかに点を取るか」の攻めのゲームですが105点からは「いかに点を落とさないか」の守りのゲームになり、ストレスが増します。

仕事をしながらでの勉強となるため、100点からは1ヶ月で1点、くらいのペースでスケジュールを引いておいた方が良いかと思います。

次のステップ

MBAの応募では多くの大学がGMATというテストのスコアも要求してきます。GMATの対策については下記をご覧ください。

次の記事を読む>>MBA受験 – GMATで700点以上を取る方法

MBA受験に関する目次はこちら >>海外MBA受験から留学開始までのまとめ

MBA受験 – GMATで700点以上を取るための方法

GMATは大きく分けてVerbal、Math、Integrated Reasoning (IR)、Analytical Writing Assessment (AWA) の4つのパートに分かれます。

VerbalとMathの点数から算出されるスコアで、米国のトップスクールではだいたい700以上あると足切りには引っかからないと言われています。ただ、スコアは年々上昇傾向にあり、HBSを始めとするトップスルールではClass of 2017の合格者平均が730前後であることから、トップスクールを目指すためには720以上を目指したいところです。

Verbal

VerbalはReading Comprehension(RC)、Critical Reasoning (CR)、Sentence Correction (SC)の3つの種類の問題から構成されています。

RCは読解問題ですので、単語力を強化し、多読して読む速度を上げれば対策できます。3800を用いて単語力を強化しましょう。多読用の読み物としてはEconomistやWall Street Journalは難度がそれなりにあり、オススメです。

CRについてはいくつかのパターンがあるので、Official Guidebook (OG)とPrep2回分の問題を3週ほどするとだいたいのパターンがわかり、正答率が上がると思います。

SCはGMATに特殊な文法の問題があるため、Y.E.S.や濱口塾等のスクールに通うのが効率的かと思います。SCに関してはOGのみで対策される方もいますが、基礎から教えてくれるという点で、YESの文法コースとSCコースを併用したのは私にとっては良かったです。

Math

数学は難易度自体は中学、高校レベルの問題であり、大学受験で数学を使った人であれば、OGとGMAT Prep 2回を解き、復習をすれば満点近くが取れる試験です。Verbalで高得点を取るのは英語圏の在住が長くないとおそらく厳しいため、トップ10以上のスクールを目指すのであれば、満点の51か50を目指したいところです。

IR

OGのAppを購入した時にIRのダウンロードができるので、それを練習問題として使えます。Prep(GMATを申し込んだ時についてくる二回分の練習問題)と合わせて3セットを解いて復習まで行えば、だいたいの形式が分かり、解けると思います。個々の問題自体はそこまで難しくはありませんが、時間がかなり限られているので、満点の8.0を取るためには問題文を早く正確に読むための練習も必要になります。

AWA

AWAのテンプレートを暗記して、同じようなフォーマットで書くのが安定すると思います。私は下記のgmatclubに載っていたテンプレートを使い、数回GMATの練習問題を解いて対策しました。文法ミスで点数が引かれることもあるようですので、Y.E.S.等のライティングを見てくれる予備校やサービスを使い、自分がどこの文法に弱いかを知って、文法ミスを減らすことが点数を伸ばすことに繋がるかと思います。

gmatclub.forum

次のステップ

TOEFL、GMATに目処がついたら、早めに推薦状の依頼を誰にするかを考え始めます。推薦状についてはMBA受験 – 推薦状を誰に、いつ、どうやって頼むか をご覧ください。

全体像はこちら>> 海外MBA受験から留学開始までのまとめ

海外MBA受験 – 留学経験なしから合格したスケジュール具体例

1ヶ月以上の海外滞在経験がない私のような受験生にとっては、特にTOEFLやGMATで高い点数を取ることが課題になります。私の受験スケジュールは下記になります。

2014年1月:

MBA受験することを決め、HBSへ合格した友人に受験スケジュールや通っていた予備校、エッセイカウンセラーについての情報を聞く。1月に TOEFL 99点(R27/L25/S23/W24)を取り、これならばTOEFL109点もそこまで時間がかからないだろう、という希望的観測を抱く。

2014年2月:

MBA受験で定評のあるYESに通い始める。文法、Writing 、SCの講座を受講。文法とSCの勉強に集中する。

2014年3月:

YESの文法、SCの講座終了。「TOEFLテスト英単語3800」(単語帳)を使い、単語力をつけることに注力する。仕事が忙しかったことから、YESのWriting講座を4回でストップしてしまう。TOEFL 100点。

2014年4月:

3800を用いて単語力をつけることに注力する。GMAT数学をOGを使って開始し、終了する。

2014年5月:

GMAT SC、CR、RCの公式ガイドを解く。Fulbright(フルブライト)応募書類に時間がかなり取られる。TOEFL101点で、点数の上がり方が鈍く、R 1に間に合わないと焦り始める。

2014年6月:

GMATの勉強を継続。Prepで680を取り、本番でも680 (V29/M51/AWA5.0/IR 7)。OGのRC/CRは全ては解き終えておらず、スケジュール引きが甘かったことを悔やむ。

2014年7月:

Fulbrightの本審査用資料作成に集中。HBS, Wharton, INSEAD等のMBAプログラムの説明会等に行き始める。TOEFL 103点。

2014年8月:

伊藤奨学金、平和中島奨学金、Rotary(ロータリー)奨学金の申請書類作成に集中し、書き上げる。同時並行で自己分析、Columbiaのエッセイも開始。奨学金の申請に追われて、GMATを受ける予定を一ヶ月ずらす。推薦状の依頼を現職と前職の上司に行う。

2014年9月:

GMATの勉強を行い、GMAT2回目受験で710 (V34/M51/AWA5.0/IR7)を取り、GMAT終了。

2014年10月:

TOEFL 107点(R30/L26/S23/W28)を取り、Columbiaに出せると安堵する。エッセイに本格的に取り組み始める。

2014年11月:

Columbiaのエッセイを練ると同時に、各スクールのリサーチを行う。出張に合わせてColumbia, MIT, HBSを訪問する。MITはInnovation Week中のため、アドミッションと会うこともクラスビジットもできず。Fulbrightから書類の合格通知が来たため、面接対策を行い、面接を受ける。推薦状を現上司、前職上司より受け取る。

2014年12月:

ColumbiaをRegularで出願する。Rotary用の追加資料作成。仕事が佳境に入り、時間が取れなくなる。他5大学のエッセイ執筆。Fulbright Alternate Candidate(補欠)の連絡を受ける。

同時並行で結婚式を行う。10月より仕事、MBA受験、結婚式準備、の三つを並行していたためか、TOEFLへの時間が割けず、受け続けるも点数が下がっていった。10月に取得した107点で応募することを決意。

2015年1月 :

HBS, MIT, Stanford, Wharton, LBSの5校へ出願。インタビュー対策開始。Rotary合格通知をいただく。Columbiaから不合格通知を受け取る。

2015年2月:

インタビュー。MIT, Stanford, Wharton, LBSから不合格通知を受け取る。

2015年3月:

HBS合格。これまで支えてくれた人たちに感謝の連絡をする。UNIQLO奨学金へ応募を行う。

2015年4月:

中旬にUNIQLO HBS Fellowship奨学金の面接を行い、下旬に合格通知をいただく。

2015年5月:

Fulbrightから正式合格者への繰り上げ通知をもらうが、UNIQLO奨学金をいただくため辞退する。

仕事で英語を使う頻度がそれなりにあることから、TOEFLの点数は最初から100点近く取れており、留学経験がない人の中ではある程度の英語の蓄積があったと思いますが、それでも受験期間として1年2ケ月を要しました。

特に私費受験生は奨学金を応募する必要があるケースが多いと思いますので、奨学金のための書類作成、面接対策の時間も考慮に入れたスケジュール引きを行うことが大事かと思います。

受験の流れを知りたい方向けには下記の記事が参考になるかと思います。

次の記事 >>「MBA – 受験から卒業までの流れ