昔話

明日から3日間はiLabのScrambleというイベントに参加する。チームを組んで、ビジネスプランを作るというこの企画。とても挑戦的で楽しみだという気持ちと同時に、どうすればinternationalの自分がアメリカ人をチームに誘ってうまくいかせられるか、という点で悩みもある。そういえば何回かこういう心境あったな、とキャンパスの周りを歩きながら、昔を思い出した。

大学2年生の時に、英語ディベートの世界大会に参加した。世界大会の形式のディベートを始めてまだ半年くらいで、しかもネイティブが早口で話す中で英語もろくにできないまま参加するのは他の人から見れば無謀もいいところなのだろうけど、その時はとにかくてっぺんに挑戦してみたかった。Harvardのチームと戦った時には本当に相手の言っていることが早すぎてほとんど聞き取れず、議論になっているのかわからないままとにかく話していたのを覚えている。そんな中でも試合を進めていくうちに慣れも出てきて、終わってみれば予選突破まであと一歩の当時の日本人チームの中では2番目に良い成績だった(1番のチームは先輩たちで、世界大会初の日本チームのESL予選突破だった)。あと少し英語ができれば、という悔しさもありながらも、自分の中では実力以上のことに挑戦して、世界が広がった良い思い出になっている。

今の自分の心境は、あの時に似ている。アメリカでスタートアップに挑戦するというのは、今自分が考える選択肢の中でも最も難しい選択肢の一つで、最初のうちの失敗が見えている。自分の力不足に情けなくなると思う。物事が思うようにいかずにしんどいことも続くと思う。それでも、この挑戦をあきらめずに続けていけば、また違う景色が見えてきて、最終的には自分のやりたいことに到達できるのではないか、また一段階成長した自分になれるのではないか、というのを心のどこかで信じている。

挑戦してみよう。世の中に良い影響を与えれる人になるのは、きっととても楽しい。

キャリアについてのブレインストーミング

日曜日の夕方に学校の企画でキャリアについてのブレインストーミングを4人のチームで行った。材料は僕が入力したキャリアサーベイの結果、自分がなりたい職業12のリスト、僕が選んだ10のイメージ。僕自身はEntrepreneurになることを目指しているのだけれど、みんなの指摘は下記のようだった。

  • Well-rounded。関心、スキルの幅が広い。よく言えば汎用性があって柔軟で、悪く言えば専門化しているわけではない。
  • Green field development/Product Focus。製品・サービスを生み出すことに情熱がある。特に0から1からを生み出すことに強い関心。
  • Team/Collaboration。チームで協力して物事を解決しようとする。
  • Hands-on/Execution。解決するまでやり切ることにこだわりがある。
  • Problem Solving/Value Creation。問題を見つけ出し、それを解決して、価値を生み出すことに喜びを感じる。
  • Creativity/Optimistic/Casual。Too seriousではなく、casualに。楽しみながらアイデアを出して、物事を進めていく。

これらの指摘はどれも当たっていて、僕のこれまでの職業を知らない人でもこれだけのことがわかることに驚いた。僕の考えるProduct Managerは上のような仕事であり、改めて自分はProductが好きなのだなとも気づいた。

それ以外で特に面白いなと感じた指摘は、「スタートアップを起こすとファイナンスや組織など様々なことに目を向けねばならず、製品に注力ができないと思うので、パートナーを探して自分が商品やサービスに注力できる環境にしたほうが良いのではないか」というもの。この発言は確かにそうで、チームの構成を考える上で、いい気づきをくれた。

また、もう一つの指摘として、「人をマネージすることと、テクノロジーをマネージすることの両方に関心が高くとも、時間の使い方として両方は取れない」というのもあった。こちらも時間という資源をいかに使うか、ということを意識させてくれ、勉強になった。

気づけばもう今年も残り2ヶ月半。毎日が時間との戦いだが、なんとか今年中にビジネスプランの草案を作りたい。

ABC/GCC Retreat

今週は金曜日から土曜日にかけてABC (Asia Business Club)とGCC (Greater China Club)の合同旅行でVermontへ旅行へ行ってきた。天気は雹が降るなどそこまで良くなかったが、時折晴れた時に見える、青空、色付いた葉、湖のコントラストは美しく、アメリカの秋を堪能した。

先週は授業がある日が4日と短い週だったが、LEADの中間やFIELD2のプロジェクトがスタートするなど、学業の面でもコンスタントに挑戦の日々が続いている。FIELD2では僕はモロッコへ行き、金融業界のコンサルティングを来年の1月にすることに決まった。チームも金曜日に決まり、これから3ヶ月の間、忙しくなりそう。

授業外のプロジェクトとしては、Japan Trekのキックオフを行った。こちらは日本人の同期と一緒に来年の5月にHBSの1年生を日本に約1週間連れてきて、日本を堪能してもらうという企画。こういった旅行の企画をするのは好きなのに加え、これを達成することで日本人の同期との仲も深まると思うので、今から楽しみだ。

それ以外にもLEADの中間後に韓国人留学生と日本人の留学生の間の食事企画を行ったり、ロースクールの仲間と食事をしたり、金から土曜にかけてのGCC/ABCクラブの旅行でアジア系留学生との仲を深めるなど、ネットワーキングにもかなり時間を使っている。MBAで得られるものの大きな柱の一つはネットワークなので、ネットワーキングは継続的に続けたい。

旅行明けのアカデミック

Week7終了。今週は月曜が3ケース、火曜日が2ケース、水曜日がFIELD1のチームワーク、木曜日が2ケース、金曜日が2ケース(ただし1ケースは前日の続き)、と比較的ケースは少ない一週間だった。その代わりLEAD (Leadership)のModule 2の振り返り、FIELD1の振り返り、FRC (Financial Reporting and Control)の小テストがあったりと、学業の面では手が抜けないのも現実だけれども。

今週はあらためてソーシャルとアカデミックの両立の難しさを感じた週だった。今週は月曜日には東京から友人が来て食事を一緒にし、火曜日はセクションでディナー、水曜日はボーゲル塾、金曜日はボストンの生物系の研究者の方々とのディナー、と予定が多い週で、前週にセクション旅行があって予習の前倒しがほとんどできなかったことから、どの日の授業の準備も中途半端になってしまった。授業の準備が中途半端なまま発言をしようとするので、どうしても発言の質が下がってしまうし、そもそも発言の量も今週は少なかった。一方で、ソーシャルの面ではセクションメイトとより仲良くなれたり、ネットワークが広がって得るものがあったので、十分な成果。このバランスは常に悩まされるところだけれど、週末に勉強の時間をまとめて取るなどで平日の夜に人に会えるようにうまくバランスをとっていきたいと思う。

今週の授業であらためて面白いな、と感じたのは Community Valueへのこだわり。今週のFIELDの授業では、セクションの中でのSexual Harassment、Racial Harassment、Social Status Differenceについて議論した。このDiversityについて話すのはこの1.5ヶ月の間でも3回目。社会の中でもあまり話されないSensitiveな議論をすることを積極的に促し、いかにみんなが帰属感を持てるCommunityを作るかについて考えさせるのは、Communityに対して重点を置いているHBSに特徴的なのではないかと思う。

日本という比較的同質的な社会で育ってきた自分としては、そもそもそういった議論すらする経験がなかったので、毎回の議論でどういう話が出てくるのか予想がつかず、楽しい。こういった議論を通して自分を成長できるのは、国の中でDiversityのあるアメリカで留学に来る一つのメリットだなと思う。

初めてのセクションRetreat(旅行)

今週はセクションでの旅行で金、土、日とVermontのWest Doverへ行ってきた。金曜日はチームアクティビティと夜のパーティ、土曜日はボードゲーム(カタン等)とゲーム(マフィア:「汝は人狼なりや」のようなゲーム)をして、夜はパーティ。夜のパーティでは初めての Beer Pong(通称ビアポン。ピンポンを使ったゲームで、負けると飲むといういわゆる飲み会遊び)やKeg Stand(ビールの樽からホースを出して、それを口に入れて、宙釣り状態で飲むというなかなかいかれた宴会芸)を体験するなど、セクションメイトとの仲を深められると同時に、こちらの遊びやカルチャーが学べた旅行だった。

HBSが始まって6週間。今回のセクション旅行をきっかけにセクションの中での居心地がだいぶ良くなった気がする。93名の大部分とは話す時間ができて、お互いのキャラクターが少しずつわかってきた。まだまだ英語やカルチャーの面で自分の納得いくようなコミュニケーションはできていないけれど、今のレベルまで来ることができたのは下記の点を意識してきたことかな、と思う。

  1. 常にEnergeticかつ笑顔で
    やはり言語の問題が結構な壁。いまだに日常会話では70%くらいしか聞き取れない時もあり、会話の文脈がわからなくて、うまく入れない。こちらから話題を振る時も、相手が何に関心があるのかがわからず、こちらもその関心に対して出せる弾が少なく、もどかしい。良い話題を選べたとしても、自分の言いたいことをうまく言語化できないのももどかしい。こうしたハードルがあると、どうしてもコミュニケーションをすることにエネルギーが必要になるが、疲れた顔をしていても仕方がないので、Energeticかつ笑顔を絶やさず、話しやすい人であるようにしている。そうすることによって、みんなが話しかけてくれるようになるし、こちらからも話しかけやすくなるので、より仲良くなりやすくなっていると思う。
  2. ノンバーバルな機会を活かすこと
    言葉の壁があっても、ノンバーバルな活動であればそれは障害にならない。例えば今回の旅行では、ボードゲームやBeer Pong、Keg Stand、クラブでのダンスなど、言葉のそこまでいらない遊びに積極的に入っていった。また、”National Identity”というお題のパーティだったので、日本のハッピを着ていった。こうしたいわゆる共通の遊びを体験することは、「仲間になろうとしている」というメッセージを出すことになると思うので、これはとても大事。こういった活動をすることで、向こうもこちらをいじりやすくなるし、いじってもらえればこちらも返しやすくなる。そうやってコミュニケーションが広がっていくため、まずはノンバーバルな機会で目立ち、いじられることが大事なのではないかと思う。
  3. 一人ずつ攻略していくこと
    これは日本でもそうだが、やはり本当に仲良くなろうとしたら1対1か、2対2くらいのコミュニケーションが効果的。集団で話しているとどうしても共通の話題を探すことになり、そうすると浅い会話になってしまう。それが早い段階でわかったからこそ、こちらに来てからインターナショナルを中心にして、一人ずつと深い話をするようにしている。こちらから深い話を出すと向こうも深い話で返してくれたりして、そうするとお互いに一定以上の信頼関係が生まれたという安心感が生まれる。今回のセクション旅行でも数人とはそういうやり取りができて、セクションにいる時間がとても楽になった。こちらがある程度仲良くなれそうと思っている人は向こうもそう思ってくれている可能性が高いので、戦略的に狙った人と仲良くなっていくのはおすすめ。

そうはいっても、特に英語の面でコミュニケーション能力について課題が多いのが現状。毎日定期的にこちらのドラマを見て、カルチャーや言い回しを学び、1学期が終わるまでには、より状況を改善させたいと思う。