WesTrekという西海岸へのテック系企業訪問のトレックへ参加してきた。サンフランシスコ、シリコンバレーの企業6社(Google、Airbnb、Twitter、Quantcast、Omada Health、Clever)を訪問し、その速度と企業文化の強調に大きな刺激を受けた。以下は気付いたことと感じた事。
オフィスでオリジナリティを出すのは当たり前
快適なオフィスは採用活動に加えて、働く人がそのオフィスに居たいと思い、労働時間を伸ばす効果がある。無料の飲み物、コーヒー、スナック、ランチはもはや標準で、クリーニング等も無料にしている企業もある。一人一人のキューブではなく仕切りのない空間で、部屋と部屋の間にブレインストーミングができるような空間があり、オフィス自体の飾り付けを行なっているのも標準で、その上でそれぞれの企業が工夫をしている。例えばAirbnbは会議室まで居間のように変えてしまい、家とオフィスの境目を曖昧にしてしまっている。2000年代後半創業の新しい会社(Airbnb、Omada Health、Clever)ほどよりオリジナリティを出しているのは、おそらくGoogleやTwitterといった会社とオフィス環境で差別化をするためだろう。
狭い世界で、評判が最も大事な資産
サンフランシスコ、シリコンバレーではこのエリアの中で人が動くため、知り合いの知り合いで繋がる世界になっている。今回会った人が言うには、本当に狭い世界で、良い噂も悪い噂もすぐに広がる。良い失敗は良いが、悪い失敗で一度失った信頼をコミュニテイの中で取り戻すのは難しい、とのこと。これだけ多くのテクノロジー系企業がある中でそれだけコミュニティが狭いのは面白いと感じた。
西海岸におけるMBAの価値は低い
良いエンジニアが圧倒的に供給不足なので、企業はエンジニアやデータサイエンティストの採用に積極的。一方でMBAについてはあまり価値が置かれていない。半分笑い話で聞いた話では、ある企業はAcquhire(採用が目的の買収)の案件で、あるエンジニアを100万ドルで評価し、MBA卒のビジネスデベロップメントを0ドルで評価したそう。基本的にはプロダクトを開発し、どんどん改善をしていき、プロダクトに語らせる、というのがカルチャーなので、プロダクトの改善に関わらない役割についての価値はそこまで高く評価されない印象だ。
早く成長するか、死か
成長速度が圧倒的に早い。7年で時価総額65 billionまでいったAirbnbや米国トップ5のデータ処理量(Google、FB、国防省に次ぐ)まで成長したQuantcastなど、特に成功している企業は10年経たずに数千人規模のグローバル企業となっている。これは優秀な人材、資金が集まっていることに加え、スピードを重視するカルチャーや常にプレッシャーにさらされていることもあるだろう。小さな企業にとって、GoogleやFBは脅威で、彼らが市場に入ってくると、資金力でサービスが潰される。一方で、買収されるという選択肢もあるので、良いチームでプロダクトを開発していれば、完全に死ぬことはない。
この生態系については起業家としてネットワークの内側に入ってみないと、おそらく本当には分からないと思った。この早さと規模は、確かに世界の中でもユニークだろう。早く自分でプロダクトを開発し、西海岸で勝負できるようになりたいと、強く思った。