人に動いてもらいたいときに、最も大切な3つの要素

leadership

誰かに動いてもらいたいのに、動いてもらえない。そんな思いをしたことは、ありませんか?

早いもので、プロダクトマネジャーに管理職と、人に動いてもらうのが主な仕事の職業につき、10年間以上が経過していました。これまでの仕事人生で常に意識してきて、3つの会社、3か国でも試してみて、有効だと感じている一つの原理原則があります。

人に動いてもらいたいと思う人に参考になればと思い、書いてみます。

情熱、論理、思いやり

人を動かすのは情熱、論理、思いやりの3つです

人は情熱を持った人に惹かれます。それは、熱量をもった人が話す言葉には、人を動かすエネルギーがあるためです。

どんなに論理的に正しいことであっても、語る人に情熱がなければ、人は頭で納得してくれても、心では納得してくれません。

人を動かしたいと思う人は、まず自分が担当する事柄について誰よりも調べ、考え抜き、そのうえで進もうとする道を正しいと信じる必要があります。人に動いてもらいたいと思うときに、あなたがぶれていると、ほかの人もどうして良いかわかりません。

また、どんなにあなたが情熱的に語ったとしても、それが論理的に正しくなければ、人は心でいいと感じても、頭で納得してくれません。納得感がないと、人はしぶしぶやってくれたとしても、期待以上のことはしてくれないものです。

情熱と論理性を持つリーダーが決定をしたときに、人は頭と心で納得をしますが、さらにもう一歩踏み込んで頑張れるかどうかを左右するのは、思いやりです。

人は、自分にとってその人がどのくらい大事か、どのくらい親近感を持っているか、で頑張れる度合いが違うのです。例えば、自分が苦しいときに一声かけて励ましてくれたり、うまくいったときに褒めてくれたことがある人に対してのほうが、顔も名前も知らない人に対してよりも、頑張れるものです。

個人的な関係を築き、「この人のいうことだからしょうがないな、頑張ろう」、「この人のためなら頑張ろう」と思ってもらえるように思ってもらえるようになれば、強いです。その関係は、一つのプロジェクトだけでなく、ずっと続く財産になります。

情熱、論理、思いやり、はこの順に重要です

情熱があれば、その事柄について調べ、考え、自分なりの考えを持つことができます。逆に、その分野についてたいして時間を使いたいと思えないのであれば、それは扱う事柄について、情熱を持てていない、ということです。

好きでないことで、ほかの人に動いてもらうのは、しんどいです。まずはあなたがそのことを好きになることが、スタートです。

情熱なんてなくても、正しい論理であれば人は納得して動くのではないか、という人もいるかもしれません。

しかし、現実には、論理だけで人に納得してもらうのは困難です。それは、常に一つの論理だけが正しいことが明らかなことなど、ほとんどないからです。

ある見方が正しく見えても、ほぼ必ず違う見方があります。そして、どちらの見方が正しいのかについてデータがあって定量的に示せる場合は、あまりありません。

本や雑誌に載っている成功例や、ビジネススクールのケースよりも現実は混とんとしており、複雑なのです。

そして、混とんとしている世界の中で、「この方向が私は正しいと思う。なぜなら私はこの事柄を愛し、これだけ調べ、考え抜いたからだ」と言える人は、強いです。なぜなら、人は、ついていくならば、そういう人についていきたいと思うからです。

そして、情熱を持つ人が、論理的に語った時にも、その語る人に対して、語られた人が肯定的な感情を持っていれば、その人はより動こうと思ってくれます。

その肯定的な感情の源は、つながり、であり、つながりを築く一つの方法は、その人のことを人としてどれだけ真剣に考え、何をしてきたか、という思いやりです。お世話になった人のために頑張りたい、というのは気持ちがあると、人はさらに一歩踏み込んで動いてくれます。

あなたが仕事や家庭でほかの人を巻き込んでのプロジェクトを進める必要が出てきたとき、ぜひこの3つを意識してみてください。

投稿者: aki

アキ。東京での勤務の後、ハーバードビジネススクール(HBS)へ留学しました。卒業後は、医療の世界で働いています。現在シドニー在住。ご連絡はTwitterまで。

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