Week4 – 効果的なリーダーシップと小旅行

Week4はリーダーシップを重点的に学ぶ一日だった。

面白かったのは、”common information effect”というコンセプト。これは、チームにおいて共通して持っている情報に重点が置かれて議論が行われて、それぞれが持っているユニークな情報が無視される傾向にある、ということを意味する。本当はチームのメンバーが持っているユニークな情報にこそ価値があるので、リーダーはそれを引き出すようにオープンなコミュニケーションができる環境を整え、チームで議論を行い、その上で判断を下すべき、ということを学んだ。シミュレーションの授業だったのだが、僕のチームは見事にこの罠にはまってしまい、散々な結果だった。ここは挑戦して失敗する場所であり、僕らは大きく失敗した分、学びが多かったので、満足。

週末はRhode Islandへヘルスケアクラブ主催の旅行に行ってきた。Scavenger Huntというチームでリストに書かれた項目をクリアして、それによりポイントが決まるゲームをやったのだが、これがまたまた楽しくて、チームで大いに盛り上がった。初めて会った友人とも一日一緒にいることでかなり仲良くなれるので、やはり旅行は友人の輪を広げるのに良いな、とあらためて思った。2週間後にはセクション(HBS用語で要はクラス)での2泊3日の旅行があるので、その時も機会を活かしてより仲の良い友人を増やせれば良いな、と思う。

フィードバック | 効果的なフィードバックのフレームワーク

建設的なフィードバックをいかに行えば良いだろうか。これまで僕は悪い点をどう指摘したら良いかに迷い、あまり効果的に改善すべき点のフィードバックができていなかった。

フィードバックのフレームワーク

先週受けたフィードバックのセッションでは、

  • ①フィードバックする内容を考える(目的、それに対しての懸念、具体的な行動、そのインパクト)
  • ②練習する
  • ③フィードバックする
  • ④相手の認識について尋ねる
  • ⑤コーチングする

というフレームワークを学んだ。また、サンドイッチフィードバックという、良い点、悪い点、良い点と悪い点を良い点のフィードバックで挟むテクニックも学ぶことができた。今後、活用していきたいと思う。

ボーゲル塾

ボストンを主にした課外活動としては、ボーゲル塾というボストンで学ぶ日本人学生を主な対象とした塾に入ることにした。

これは月に1回、Vogel教授の自宅であるトピックについて議論するという塾で、会の前週の準備会を含めて月2回ある。僕は国際政治分科会に入り、第一回のテーマは日中関係。ビジネススクールではビジネスに関する話題が中心だけれど、国際舞台でリーダーとして活躍するためには自分なりの政治に対する意見を持っていたほうが良いと思うため、この塾を活かして自分の政治に関する知見を深めたいと思う。

ハーバード日本人会

また、ハーバード日本人会のビジネススクール幹事となった。この会はハーバードに通う日本人留学生を結んでおり、交流と情報交換を主にした会。ボストンにいる日本人には面白い人が多く、一つ一つの出会いを活かして、輪を広げていけたらいいなと思う。

今週は授業もだが、クラブが始まるため、そちらにも時間を使おうと思う。最初の3週間は勉強と授業のみでほぼ時間が過ぎてしまったが、最初の2ヶ月でだいたい人間関係が固まり、その人間関係がこの先2年に影響してくると思うため、4週目はクラブを通じてネットワークを広げることにも時間を使いたいと思う。

ハーバードMBAでのクラスメートからの学び

早いもので2週間が経過した。秋学期が17週間しかないことを考えると、既に1/8近くが終了したことになる。ここ2週間で印象に残っているのは、FIELDと呼ばれる実践型の授業。まだ二回だが、どちらも価値観をゆさぶるものだった。

FIELD 1: Portrait

内容は卒業生が”Tell me what is it you plan to do with your one wild and precious life?”という詩に答えて書いたポートレイトを読んで、それについて自分なりに考えるというもの。僕は、「失敗を恐れてこれまでは自分が成果を出せる土俵を選んできたが、これからはLive Fearlesslyに挑戦していこう」という卒業生と、「がんになって人生を楽しむことの大切さに気づけたのは幸運だ。Life is too short not to be happy every day. Life is too not to celebrate those whom you love and who love you」という卒業生を選んだ。

僕もこれまで、失敗を恐れる気持ちから挑戦をしなかったり、自分が成果を出せる分野を選んでしまったりしていたことがあった。失敗は誰でも怖い。ただ、その怖さも受け入れて、挑戦できる人でありたい。HBSでは挑戦をして失敗することが奨励されるし、自分も常に挑戦を続ける人でありたいため、この二年間は毎日挑戦をして、Live Fearlesslyの選択を意識せずともしている自分になっていたい。

一方で、ゴールだけを追い求めるのも人生を楽しみきれていない、というのもそうだと感じた。ひたすら仕事面でのゴールを追い求める生き方もあると思うが、僕はそれでは人生が与えてくれるものを楽しみきれないと思う。僕は仕事、家族、友人、自分自身、のそれぞれの分野でゴールを持って、人生を楽しみながら目標を「慌てず、焦らず、諦めず」追っていきたい。

FIELD 1: Diversity

Diversityについて議論をして、それをセクション(クラス)で共有するという授業。セクションメイトが自分はゲイであるということをみんなの前で発表したことが非常に印象的だった。

日本ではゲイというと先入観を持つ人が多く、多くのゲイの人が自分の性向を職場などでは隠しているのが実情ではないかと思う。マイノリティであることを告白することはおそらく勇気がいることだろうと思うし、それをまだ出会ってから2週間足らずのセクションメイト全員の前で告白するその高潔さは、とても印象的だった。僕自身がそのセクションメイトのことをより好きになったことに加え、彼の発言以降のセクションメイトはより踏み込んだ発言をするようになったように思う。

高潔であること(integrity)は僕がそうでありたいと思っている人の資質であり、彼からは高潔さが個人とグループに与える影響力を学んだ。僕も自分がどんな状況であっても高潔さを保てるような人でありたいと思う。 ハーバードのMBAは”We educate leaders who make a difference in the world”をミッションとし、”transformational experience”を提供することを約束している。”Transformational experience”について入学した時には分からなかったが、少しずつ分かるようになってきた気がする。

ここは、自分の価値観、視点を目一杯広げて、なりたい自分を見つけて、その自分になろうとする場所だ。 もっともっと、自分の器を広げたい。どこまで自分がなりたい自分を見つけて、そこに近づけるのか、とても楽しみだ。

Week1 – HBS生活いよいよスタート

オリエンテーションが先週の水曜日に終わり、HBSでの授業が始まって約一週間となる。HBSの1学期目はかなりタイトになる、という話は聞いていたが、その意味が少しずつわかってきた。授業、スタディグループでの勉強、生徒が企画するイベントへの参加、オリエンテーション、など次々にやることが出てきて、あまり遊びの時間がない生活を続けている。一例を挙げると、下記のような感じ。 8/31(月): 勉強 10時間、授業: 2時間40分、友人との昼食: 1時間、家族との会話: 50分、運動: 30分、睡眠: 7時間、その他 2時間(朝、移動、シャワー等) 翌日の火曜日の会計系でテキストを読まなければいけなかったので、2章を読んで4時間、ケースそれぞれに3時間、で計10時間。ケースは一つ3時間はどうしてもかかるので、翌日が3ケースの日は9時間は予習に必要となる。先週の木、金は3ケースで、水、木の夜は睡眠時間をそれなりに削って勉強していた。 英語圏で教育を受けていればもう少し時間に余裕があるのだろうけれど、僕は海外に住むのは初めてで、英語だと読む速度が10%から20%くらいになってしまうので、なかなか辛い。一日の1/3くらいの時間は英語を読んでいるので、一ヶ月くらいしたら読む速度が上昇するのを期待。 新しいことを毎日学べるのは楽しいし、勉強は好きなので苦ではないのだけど、ここ一週間くらいは常に翌日の予習に追われてほっと一息つく時間が欲しいのも正直なところ。来週の月曜日はLabor Dayで休みなので、三連休中の一日はゆっくりできそう。今週末が来るのが楽しみだ。

RC Small Dinner

RC(Required Curriculum: HBSの1年生を指す)のメンバーと7人で夕食に行ってきた。メンバーは僕以外は全員アメリカ生まれのアメリカ育ちの人たちで、3人が金融業界出身。予想していたことではあるが、今の自分のコミュニケーション能力と目指しているコミュニケーション能力の差が大きいことを痛感した。

多くの英語圏在住経験のないインターナショナル生がそうだと思うが、まずネイティブの英語が早すぎて短文だと聞き取るのがきつい。イメージで言うと、聞き取れているのが60%くらい。文脈が完全に理解できていないから、会話に入ろうとしてもなかなかタイミングをつかみづらい。

加えて、集団で話されるトピックが地域や人に関することが多く、そもそも大学くらいからこちらにいないと、輪に入りにくい。具体的には、通っていた高校の話題や、業界内での共通の友人の話などで話が始まるが、それはついていけない。日本でもどこ出身、共通の友人で誰を知っているか、という軽いトピックから会話が始まることが多いが、それは米国でもおそらく同じ。だからこそ、こちらに地盤がないことで、そのトピックで盛り上がっている米国人の中の会話に入ることが難しい。

また、業界特殊の話題がそれなりに多いのも結構厳しい。PEやIBの会社名やこちらで有名なビジネスマンの名前など固有名詞で知らない単語が多く、IB、PE、VC出身者の共通話題にはそもそもついていきにくい。一方で、これらの業界出身者が30%程度を占めるHBSでは、おそらく業界特殊の話題がグループ内では出やすいのだろう。この点は米国の他の人も同じようで、メーカーや医者のバックグラウンドの米国人もそのトピックの時はやや静かであったので、彼らも入りにくかったのだと思う。

以上のように、英語力をより高めること、アメリカ人のネットワークに入ること、業界特殊の話題についていけること、の3つがHBSでのアメリカ人のグループでの会話に入ることに必要だと感じた。これらの達成は1日や2日でどうにかなる話ではないので、これから21ヶ月をかけて、一歩ずつ進めていこうと思う。

MBA留学中の時間の使い方へのアドバイス

HBSを卒業した人が口を揃えて言うのは、そのカリキュラムの厳しさ。特に1年目でクラスによっては3%程度が本当に退学となるため、まだ慣れていない1年目をどうやって生き延びるかは重要な課題。

複数の先輩から、留学中にやっておいた方が良いというアドバイスを下記のようにいただいた。

MBA留学中の時間の使い方へのアドバイス

  1. 優先順位を決めること
    • MBAでは機会が多すぎて、あっという間に時間が過ぎてしまう。自分の中で優先順位を決めて、これだけは達成する、と決めるとより実りの多い21ヶ月となる。
  2.  ブログを書くこと
    • MBAの日々は授業、講演会への参加、ネットワーキング、就職活動、とあっという間に日々が過ぎて、気がつけば3ヶ月が過ぎてしまう。自分がどんな成長をしたのかを記録して振り返ることで、学びを定着できる。
  3. 授業ではとにかく前に出て、発言をすること
    • 聞き取りが最初はきついが、予習の段階でどこで発言すると決めておき、発言する。特に議論が煮詰まっている時に、新しい観点を提示すると点数が高い。
    • 視点をトップマネジメントと現場、理論と現実、論理と情熱、と移動させることで面白い発言をする
  4.  毎回の授業のTake-awayを3点にまとめて、記録していくこと
    • まとめることで学びが深まるとともに、数年後にも振り返ることができる財産となる
    • 頭の中でそれぞれの授業での学びがつながり、より長期的な思考の財産となる
  5. 教授とオフィスアワーを使って積極的に話し、繋がりを作っておくこと
    • オフィスアワーにアポを取れば、教授とは簡単に話ができる。ビジネスのアイデアのブラッシュアップも手伝ってくれるため、積極的にオフィスアワーは利用した方が良い。また、個人研究としてプロジェクトを一緒に行うことで、さらに深い関係を築くこともできる。
  6. 平日もパーティやネットワーキングの機会に積極的に参加すること
    • MBAで過ごした友人との繋がりが卒業後の財産となる。勉強はとても忙しいが、多少無理してでもネットワーキングの機会には行った方が良い。
    • スタディグループはずっと続く仲になる。しっかり毎回貢献をすること。
  7. 日曜日は9時からケースを読み、4ケース以上読んでおくこと
    • HBSの授業は水曜日を除く平日3ケース、水曜日2ケース扱う。日本人はだいたい1ケース4時間かかるため、平日だけでは予習が間に合わない。金曜日の夜と土曜日はフリーの時間にするにしても、日曜日には4ケース以上読んで貯金をしておき、平日に少しは時間を割けるようにした方が良い。
  8. ファイナンス系の授業を取ること
    • 日本のスタートアップ、特にテック系はファイナンスが弱い。適切に資本調達をするためにも、ファイナンスについてしっかり学ぶことが大事。

MBA受験の全体像は