分析 日本株

2週間後の日本に起こること - 新型コロナ、景気対策

現在の日本でのコロナ対策、景気対策(金融、財政)をまとめ、今後2週間で起こりそうなことについて書いてみます。

日本のコロナウイルス対策

3月30日現在、厚生労働省の発表資料によると、日本のコロナウイルス感染者数は1,866人です。死亡者は54人。死亡率は約3%です。東京都の感染者が最も多く、436名となっています。一方、死亡者が最も多いのは愛知県で、19名です。

都道府県名 PCR検査陽性者 現在は入院等 退院者 死亡者
東京都 436 395 36 5
大阪府 209 159 48 2
北海道 176 48 121 7
愛知県 167 106 42 19
千葉県 160 140 19 1

厚生労働省の基本方針はこちらです(新型コロナウイルス感染症の基本的対処方針より)。

人と人との距離を取る

日本では、下記のような要請が行われています。

  • 東京都知事が3密(密閉、密集、密接)を避けることを要請 (3月25日)
  • 東京都知事、大阪府知事が週末の外出を自粛するように要請 (3月25日)
  • 小中高の一斉休校
  • 政府による大規模イベントの自粛要請 (2月20日)

学校の休校以外は基本的には要請であり、守らなくとも罰則はありません。

3月30日の東京都知事の会見では、都民に対して夜間営業の飲食店へ訪れること、不要不急の外出の自粛への要請が行われました。

海外からのウイルスの流入を防ぐ

現在は下記のような措置が取られています。

  • 米国、中国、韓国などへの渡航中止勧告(レベル3)、計40ヶ国 (3月30日時点)
  • 2週間以内にレベル3の国に滞在歴のある外国人の日本への入国を原則拒否
  • 日本人がレベル3の国から帰国する場合、PCR検査を実施し、結果が出るまで待機。陰性だとしても2週間は自宅や宿泊施設での待機、公共交通機関の不使用を要請。強制力はない。

日本人の渡航と帰国については勧告・要請であり、強制力はありません。

ハイリスクの人を守る

コロナの患者を感染症指定医療機関に隔離することで、感染が拡大することを防いでいます。一方、患者数の増大に伴い、都内ではすでに患者数が病床数を超えている状態です。

この状態を踏まえ、現在感染症指定医療機関で入院をしている軽症患者に、自宅療養を依頼する可能性が示唆されました。

コロナウイルスを検査し、感染者を特定する

3月30日までのPCR検査の実施人数は約29,000人であり、陽性率は6.4%です。

日本PCR検査数

日本PCR検査数(厚生労働省3月30日発表資料より)

日本ではCTを活用することで、PCR検査をコロナウイルスが疑わしい事例に絞っていることから、韓国などの他国と比べてPCR検査の数は少ないですが、陽性率が高くなっています。

正しい情報を発信する

厚生労働省はほぼ連日ホームページを更新しており、各都道府県のレベルでも情報発信が行われています。

他国と比較した日本の対策

西欧諸国(米国、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア)と比較して、日本の現在の対策は非常にゆるいものとなっています

下記の点が大きな違いです。

  • イベントの開催も外出も、自粛「要請」であり、強制力がない。罰則もない。
  • 入国・出国の制限に強制力がない。海外から帰国した人に自宅隔離することも「要請」であり、罰則もない。
  • 政府が統一的な方針を示さず、各自治体が個別で対応を行なっている。国のリーダーが前に出ていない。

罰則がないことから、一部の人は「要請」に従わず、行動を続けると考えられます。実際、K1グランプリは22日に「さいたまアリーナ」で行われ、6,500人が入場したと報道されています。これが事実であれば、感染を広める大きなリスクです。

また、政府が統一的な方針を示していないことも問題です。政府が自粛「要請」を行なっているレベルで、危機感が国民に伝わっておらず、「自分ごと」として捉えていない可能性が高いです(志村けんさんの死亡が恐らく、最も国民に事態の深刻さを伝えたでしょう)。

もちろん西欧の方が感染者数も死亡者数も多いためにより真剣になっているというのもありますが、外出禁止の国に住んでおり、日々増えていく死亡者数を毎日見ている身としては、日本の現状がかなり危うく見えます。

景気・金融政策

日本はまだコロナウイルスによる経済的損失への財政対策については、議論を重ねている段階です。

日本ではまだコロナウイルスによる経済的損失が一部の産業に限定されていることから(主に旅行、インバウンド関連:運輸、宿泊、観光、百貨店、など)、景気対策の議論の進捗は他国に比べて遅れています。

一方、金融政策については、日銀は下記のような決定を行いました。

  • 社債とコマーシャルペーパー(手形)の買い入れ枠を新たに2兆円設定
  • 融資用として、ゼロ金利で金融機関へ貸出
  • ETF購入を年間6兆円から12兆円に倍増

社債や手形の買い入れ枠を増やすこと、ゼロ金利での貸出を金融機関に行うことは資金不足で倒産してしまう企業が出ることを防ぐことを目的としています。

ETF購入は「期末に株式価格が大幅に下落し、銀行などの自己資本が減り、自己資本比率の規制に引っかかり、融資を減らしてしまう」という事態を避けようとしたのと、「株価が落ちて、資産が減ったと感じる人が消費を減らす」影響を考慮したためだと考えられます。

中央銀行で満期のない株式やREITを購入しているのは日銀くらいで、かなり特殊です。

今後、2週間で起こり得ること

このまま感染者が増え続ければ、どこかの段階で、政府が「非常事態宣言」を行い、外出「規制」を行う可能性が高いです。

外出「規制」が行われると、不要不急な用途の外出先のビジネスに大きな影響が及びます。

また、海外から帰国する人についても隔離「要請」ではなく、守らなければ罰則が生じる規制になる可能性が高いと考えられます。

金融政策はすでに中央銀行は量的緩和状態で買えるモノは買い、金利はゼロと、ほぼ限界に近いことをしているので、焦点は財政政策です。財政政策は数度にわたる景気対策として、GDPの10%を超える規模(50兆円を超える規模)が議論され、議会で可決される可能性があります。

日本は世界で有数の長寿国であり、人口の25%以上が65歳以上の超高齢社会でもあります。つまり、新型コロナウイルスで重症化しやすい、ハイリスクな人が多い国です。感染が広まり始めると、死亡率が高くなることが予想されます。

そのためには、日本政府が正しく危険性を伝え、国民に「自分がかからないから良いではなく、他の人にうつさないようにする」意識を徹底させる必要があります。連日のように政府がコロナウイルス対策の進捗を語り、連日のように新たな規制が課されることが予想されます。

他国の例として、オーストラリアのコロナウイルスへの対応はこちら

分析
東京の数週間後の姿? コロナで変わるシドニーでの生活

全世界で猛威をふるうコロナウイルスですが、シドニーでの生活もこの2週間でガラリと変わりました。東京の数週間後の姿かもしれません。 日本で生活する皆さんの参考になるかと思いますので、どのように生活が変わ ...

続きを見る

米国株のビジネス・株式の分析は下記のボタンから飛べます。

米国株の記事一覧へ

Betmob|投資家ブログまとめメディア


-分析, 日本株

Copyright© ハーバードMBA、その後 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.