パチンコ、FX、宝くじに100万円使うと、どれくらい儲かるの?

宝くじ2017年売上

お金を増やせるかもしれない、という期待から人気のパチンコ、FX、宝くじ。

実際に100万円使うと、どれくらい儲かるのでしょうか? 確率を使って考えてみます。

どれくらい儲かるのか、の考え方

どれくらい儲かるのか、について有効な考え方に、「期待値」という考え方があります。ざっくり説明すると、「儲かる金額」に「どれくらいそれが起こりそうか」の確率をかけた値です。

例えば、コインを投げて、表ならば1万円もらえる遊びがあれば、表が出る確率は(イカサマしていなければ)、50%になります。よって、期待値は

1万円 x 50% = 5,000円

になります。期待値は、このときにもらえる金額が大きければ大きいほど、もらえる確率が高ければ高いほど大きくなります。

例えば、コインを投げて表ならば2万円もらえる遊びであれば、期待値は

2万円 x 50% = 1万円

で1万円と、もらえる金額と合わせて期待値も2倍になります。

パチンコ・パチスロ

2018年時点で、国内で900万人が楽しんでいるというパチンコ・パチスロ。

パチンコ・パチスロでは、お金を玉やメダルに変換し、それらを使ってパチンコ・パチスロ台で遊び、玉やメダルを増やし、それを換金します。

業界第二位のダイナムホールディングスジャパンの決算報告書より、パチンコ・パチスロ業界の粗利は20%と推定されます。

詳しくはこちらをどうぞ → 900万人がハマるパチンコ・パチスロ業界の分析

お店側が20%儲かっているというのは、その分、あなたのお財布からお金がお店に入っていることです。

言い換えると、100万円を使うと、あなたに80万円が返ってきて、お店が20万円取る、ということです。

パチンコ・パチスロで1万円を使う時間を1時間と仮定すると、100万円 = 100時間、です。

つまり、パチンコ・パチスロは、パチンコ・パチスロが確率的に運営されているのであれば、100時間遊んで、20万円損をする、ことになります。

1時間あたり2,000円払って、当たるかもしれない、というドキドキ感を楽しむ遊びといってもいいかもしれません。カラオケやボーリングより高いですね。

宝くじ

宝くじ2017年度売上(宝くじ公式サイトより)

一獲千金を願う人に人気の宝くじ。宝くじは地方自治体によって運営されています。

宝くじ公式サイトによれば、過去1年間で宝くじを購入した人は5,200万人と、約2人に1人は購入している計算になります。

これらのことは知っていても、売上のわずか46.9%しか当選者に支払われていないことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。

これは、100万円分宝くじを購入した時の期待値は、46万9000円しかないことになります。つまり、当たるかも、とワクワクする権利に53万1000円支払っていることになります。

期待値が低いのは悪い点ですが、宝くじは3つの良い点があります

  • 支払った金額の40%は地方自治体に行き、社会保障費などに充てられ。あなたが損した分の半分以上は、地方自治体への寄付となり、誰かの社会保障のためになっている
  • 購入に時間がかからず、時間的な拘束が少ない
  • 当たった時の額が1億円を超えており、他の手段と比べても桁違いに大きい

そのため、一発逆転狙いとしては有効な手段です。

FX (外国為替証拠金取引)

FX(外国為替証拠金取引)では、外貨の取引を行うことで、為替の変動から利益を得ることができます。

具体的な例をあげましょう。例えば、2019年12月1日の1ドルは109.8円です。

ここで、100万円を投資するとします。SBI証券を使うこととして、円を使ってドルを購入するのに、0.2円かかるとします(スプレッド、と呼ばれるFX業者の取り分になります。通貨の組み合わせ、業者によってこの取り分は異なります)。

すると、1ドルを購入するのにかかるお金は 109.8円 + 0.2円 = 110円、です。

100万円を両替すると、約90,900ドルになります。

ここで、もし1ヶ月後に円が安くなり、1ドル120円になったとします。

すると、あなたが持っている90,900ドルは、90,900ドル x 120円/ドル= 約109万円、になります。つまり、円が安くなったことで、元手の100万円が109万円に9万円増える、ことになります。

一方、逆のことも起こり得ます。もし1ヶ月後に円が高くなり、1ドル100円になったとします。

すると、あなたが持っている90,900ドルは、90,900ドル x 100円/ドル = 約91万円、になります。つまり、円が高くなったことで、元手の100万円が91万円に、9万円減る、ということになります。

つまり、為替がどちらの方向に動くかによって、得をするか、損をするかが決まります。

また、自己資金以上の資金を使ってトレードすることができる(レバレッジ、といいます)。

例えば、100万円を使い、400万円を借り入れて、500万円分の取引をすることができます。

この場合、予想が当たれば得られる金額は5倍ですが、損失が出た場合の金額も5倍になります。

ただ、プロですら為替は読めないので、レバレッジをかけるのは基本的にお勧めできません。FXを始める前に、ゆーたんさんのブログを読むことをお勧めします→FXは基本的にやめたほうがいいと考える理由〜失敗談つきです〜

FXの世界で儲けようとするならば、相当の勉強と調査が必要になるため、時間効率はよくないかもしれません。

異なった使い方として、FXを外貨預金的に使う方法もあります。

FXではスワップレートと呼ばれる金利があり、金利の高い通貨を持つ場合、金利による収入も見込めます。例えば、ドルと円ですと、ドルの政策金利が1.5-1.75%で日本はゼロ金利ですので、その差の1.5%+が金利差で受け取れる利子になります。

FXではドル円の場合ですと、手数料は円→ドル、ドル→円、で約0.5%程度で、メガバンク等の通常の銀行で外貨預金をする際よりはレートが良いことが多いです。

FXをまとめますと

  • 100万円投資をした時の期待値は、為替がランダムに動くとすると、100万円(スワップレート、為替手数料を除く)です
  • レバレッジをかけることができ、自己資金以上の資金を扱うことができます。レバレッジをかけると、得られる金額も損する金額も大きくなります
  • スワップレートで金利差の分の利子をもらえる(または支払う)ので、金利差に着目した外貨預金的な使い方があり、その場合の期待値は100万円より高くなります

まとめ

これまでのことをざっくりまとめると下記のようになります。

期待値 (万円)時間効率当たった時の額
パチンコ・パチスロ80
宝くじ47
FX(スワップ・手数料除く)100低-中

パチンコ・パチスロは娯楽としてはともかく、時間効率・期待値共に低いです。宝くじは夢がありますが、期待値が低いです。FXはスワップを除けば期待値としては出資額と変わらないために中立的です。

実は、これらの選択肢よりも、長期的に見た時にお金が増えていく「投資」があります。それは株式・債権への投資でして、例えばアメリカのS&P500は1926年の創設以来、年平均10%で増えていますし、米国債も約2%の利率があります。

お金を増やしていく方法の記事についてはこちらにまとめています→ 資産形成・資産運用

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投稿者: aki

アキ。東京での勤務の後、ハーバードビジネススクール(HBS)へ留学しました。卒業後は、医療の世界で働いています。現在シドニー在住。ご連絡はTwitterまで。

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