Michael Porterの特別講演があったので参加をしてきた。内容は”The New Competitive Advantage: Creating Shared Value”という、社会の問題(教育、ヘルスケア、水、職場の労働環境など)に対してビジネスの手法でアプローチしよう、というもの。要約すると、「フィランソロフィー、CSRと企業が社会問題に取り組んできたけれど、それは企業の評判のリスクを減らしたり、高めたりする程度の効果で、本質的に社会問題をスケーラブルに解決することまでは至っていない。満たされていない社会のニーズにビジネスの手法でアプローチし、利益を上げながら、拡大し、そのニーズを解決していくべきだ」というもの。その切り口として、Value ChainやIndustrial Clusterといった彼の理論を用いている。
その通りだなと思うと同時に、Michael Porterは研究者として生き残るのがうまいなとも思う。同じ理論を異なり、かつ注目されている分野に当てはめることで、彼の過去の業績を再度表舞台に乗せている。すぐれた戦略家は自身のキャリアについても戦略的ということだろうか。