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三菱商事(8058):前年度割れ決算が続く高配当株の株価分析

三菱商事が第3四半期の決算を発表しました。今回の記事では三菱商事の最新の決算を元に、通期の利益目標が達成できそうかを見ていきます。

また、今回は下記の記事のアップデートになります。もしご覧になられていない方は、先に下のリンク先記事を読んでいただくと今回の記事をより面白く読めると思います。

事業系

一言で言うと、全般的に苦しい決算です。事業系、市況系ともに前年比を割っている事業が多く、12事業部中、9事業部で前年比マイナスです。特に自動車は三菱自動車のビジネスが苦しいことで下がっています。

大幅な増益の産業インフラは前年度に千代田化工建設を救済した際の一過性の損失がなくなった、と言うだけで、事業そのものが劇的によくなったわけではありません。同じく、食品産業も前年度の海外損失が今年はないので見かけは増益に見えていますが、巡行利益はむしろ前年比マイナスになっています。

複合都市のビジネスは順調に成長していますが、利益の水準としては全体の8%と小さいため、全体のマイナスをうち消せるわけではありません。

三菱商事2019年第3四半期結果

前回の第二四半期の決済の時に、目標利益を6,000億円から5,200億円へ下方修正しましたが、あと1四半期を残して進捗率は72%。

事業系はほとんど伸びていませんし、市況系ではかなりコモディティの価格が下落しているため、市況系がさらに減益となる可能性が高いです。つまり、通期での目標達成は事業売却をするなどして利益を出しに行かないと厳しい状況です。

市況系

市況系ビジネスの巡行利益(一時的な変動要素を除いた利益)を見ていきます。金属資源、天然ガス、産業インフラ、の3つの事業部が三菱商事を支える資源ビジネスです。

事業部 事業内容 2018年第3四半期
巡行利益
2019年第3四半期
巡行利益
前年同期比
金属資源 石炭、銅 1,568 1,097 ▲471
天然ガス LNG事業 ▲147 ▲12 +135
産業インフラ プラント 158 51 ▲107
合計   1,579 1,136 ▲443

金属資源ビジネス

石炭価格の推移三菱商事のオーストラリアの原料炭ビジネスは市況系の半分の利益を占めます。そして、原料炭ビジネスは石炭の価格に影響されます。しかし、上図のように、2019年に入り原料炭の価格は下落傾向にあり、これが金属資源ビジネスの減益に繋がっています。

また、金属資源の第二の柱である、銅の価格も1月以降に中国の景気不安から急激に下落しています。

LME銅価格推移

LME銅価格推移

三菱商事はチリ、ペルーに銅の権益を持っているため、銅価格の下落は収益に大きく影響を与えます(特にスポットの取引が多い場合)。

三菱商事 金属資源グループ

三菱商事 金属資源グループ

全体の利益の約30%を稼ぐ金属資源の見通しが第4四半期は暗いため、目標達成はかなり厳しいと言えます。

天然ガス

石油の価格推移(WTI)

石油の価格推移(WTI)

天然ガスのスポット価格は石油価格に一定程度連動します。ご覧の通り、石油価格は1バレル$60から$51.3まで下落しています。固定費は変わらないため、長期にわたって一定価格で買い取る契約になっていない場合、15%売上が落ちると、利益はそれ以上に落ちる可能性があります。

産業インフラ

産業インフラの利益が前年比で改善されたのは千代田化工建設救済の時に生じた損失が2018年にあったためと、千代田化工建設の案件お進捗が予想以上に良く、一過性の利益計上に繋がったからです。

まとめ

  • 三菱商事の第3四半期は結構ボロボロ。事業系は10事業中7事業部が減益。
  • 市況系もオーストラリアの原料炭(石炭)、チリ・ペルーの銅、液体ガス(LNG)の価格下落により、利益が前年度より落ちている
  • 2019年の利益目標5,200億円の進捗率は72%。事業系では巡行利益が伸び悩んでおり、かつ純利益の30%を占める市況系の利益が3月末まではコモディティの価格下落による影響を受けるため、通期達成は難しいと予想される



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