人に動いてもらいたいときに、最も大切な3つの要素

誰かに動いてもらいたいのに、動いてもらえない。そんな思いをしたことは、ありませんか?

早いもので、プロダクトマネジャーに管理職と、人に動いてもらうのが主な仕事の職業につき、10年間以上が経過していました。これまでの仕事人生で常に意識してきて、3つの会社、3か国でも試してみて、有効だと感じている一つの原理原則があります。

人に動いてもらいたいと思う人に参考になればと思い、書いてみます。

情熱、論理、思いやり

人を動かすのは情熱、論理、思いやりの3つです

人は情熱を持った人に惹かれます。それは、熱量をもった人が話す言葉には、人を動かすエネルギーがあるためです。

どんなに論理的に正しいことであっても、語る人に情熱がなければ、人は頭で納得してくれても、心では納得してくれません。

人を動かしたいと思う人は、まず自分が担当する事柄について誰よりも調べ、考え抜き、そのうえで進もうとする道を正しいと信じる必要があります。人に動いてもらいたいと思うときに、あなたがぶれていると、ほかの人もどうして良いかわかりません。

また、どんなにあなたが情熱的に語ったとしても、それが論理的に正しくなければ、人は心でいいと感じても、頭で納得してくれません。納得感がないと、人はしぶしぶやってくれたとしても、期待以上のことはしてくれないものです。

情熱と論理性を持つリーダーが決定をしたときに、人は頭と心で納得をしますが、さらにもう一歩踏み込んで頑張れるかどうかを左右するのは、思いやりです。

人は、自分にとってその人がどのくらい大事か、どのくらい親近感を持っているか、で頑張れる度合いが違うのです。例えば、自分が苦しいときに一声かけて励ましてくれたり、うまくいったときに褒めてくれたことがある人に対してのほうが、顔も名前も知らない人に対してよりも、頑張れるものです。

個人的な関係を築き、「この人のいうことだからしょうがないな、頑張ろう」、「この人のためなら頑張ろう」と思ってもらえるように思ってもらえるようになれば、強いです。その関係は、一つのプロジェクトだけでなく、ずっと続く財産になります。

情熱、論理、思いやり、はこの順に重要です

情熱があれば、その事柄について調べ、考え、自分なりの考えを持つことができます。逆に、その分野についてたいして時間を使いたいと思えないのであれば、それは扱う事柄について、情熱を持てていない、ということです。

好きでないことで、ほかの人に動いてもらうのは、しんどいです。まずはあなたがそのことを好きになることが、スタートです。

情熱なんてなくても、正しい論理であれば人は納得して動くのではないか、という人もいるかもしれません。

しかし、現実には、論理だけで人に納得してもらうのは困難です。それは、常に一つの論理だけが正しいことが明らかなことなど、ほとんどないからです。

ある見方が正しく見えても、ほぼ必ず違う見方があります。そして、どちらの見方が正しいのかについてデータがあって定量的に示せる場合は、あまりありません。

本や雑誌に載っている成功例や、ビジネススクールのケースよりも現実は混とんとしており、複雑なのです。

そして、混とんとしている世界の中で、「この方向が私は正しいと思う。なぜなら私はこの事柄を愛し、これだけ調べ、考え抜いたからだ」と言える人は、強いです。なぜなら、人は、ついていくならば、そういう人についていきたいと思うからです。

そして、情熱を持つ人が、論理的に語った時にも、その語る人に対して、語られた人が肯定的な感情を持っていれば、その人はより動こうと思ってくれます。

その肯定的な感情の源は、つながり、であり、つながりを築く一つの方法は、その人のことを人としてどれだけ真剣に考え、何をしてきたか、という思いやりです。お世話になった人のために頑張りたい、というのは気持ちがあると、人はさらに一歩踏み込んで動いてくれます。

あなたが仕事や家庭でほかの人を巻き込んでのプロジェクトを進める必要が出てきたとき、ぜひこの3つを意識してみてください。

投資効率を高めるための仕組み作り-国の制度を使い倒す

投資をする「仕組み」ができているかどうかで、資産形成のスピードは大きく変わってきます。年の初めに、今年こそは投資を初めよう、という方も多いのではないでしょうか。日本の制度を活かすため、日本に帰国してから、私が行った仕組みづくりをまとめてみます。

つみたてNISA (少額投資非課税制度)

つみたてNISA (少額投資非課税制度)は年40万円まで拠出でき、20年間の間、非課税で運用することができる制度です。

なぜ、つみたてNISAはお得なのか?

現在では上場株式へ投資をして運用益または配当が出た場合、所得税・住民税として20.315%の税金が課されるため、非課税になることで、25%手元に残るお金が増え、お得になる制度です(例;100円の運用益で、税引き後には80円になるところが、100円のままのため、100/80 = 125%)。

つみたてNISAの優れたところは、20年間非課税で投資できることです。例えば、40万円を毎年拠出し続けた場合、20年後の時点では、800万円を非課税で運用できることになります。

また、株式のように波はありながらも成長を続ける投資先に投資をした場合、仮に20年間の幾何平均が年率5%であった場合、40万円の今の投資は、20年後には106万円になります。もし税金を支払わなければならなければ、85万円程度の受け取りになるところが、そのまま106万円受け取れるというのは、大きな違いです。

特に、日本の場合は将来に渡って現在の税率が維持されるかどうかはわかりません。

仮に、「株式譲渡益・配当で儲けている富裕層へ課税を強化すべきだ」などの議論がこの先十年で起こった場合(現在の富の二極化を鑑みると、十分にありえる話です)、税率が上がるリスクもあります。基本的には一度作られた仕組みが遡及して変更されることは考えにくいため、現時点でつみたてNISAを行っておくことはこの税制が変わるリスクを下げることに繋がります。

リスクを長期で排除するという点からも、つみたてNISAは優れた長期の資産形成の制度です。

つみたてNISAか通常のNISAか

NISAにはつみたてNISAの他に、毎年120万円まで拠出でき、5年間非課税で運用することができる積み立てでないNISAもあります。こちらは短期または中期で運用する人向きです。私の場合、「長期で非課税で運用できること」、「20年後には最大で800万円を非課税で運用し続けられること」のメリットが大きいと考え、積み立てNISAの方を選びました。

どの証券口座で開くか

私は楽天証券で新たに証券口座と楽天カードを作り、つみたてNISAを1月から初めることにしました。

楽天証券を選んだ大きな理由は、楽天カードからつみたてNISAへ支払うと、1%のポイントがつくことです。こちらは年間6,000円分までのポイントが手に入ります。

投資の世界で1%リターンを高くするというのは大変なことです。このキャンペーンがいつまで続くのかはわかりませんが、当面の間は1%のポイントがつく = 1%リターンをあげられる、ことから楽天証券でつみたてNISAを初めるのが現状では最もお得だと判断しました。

eMAXIS Slimの全世界株式または米国株式(S&P500)で積み立てNISAを40万円分行いたいと思います。

加えて、妻の分のつみたてNISAもはじめました。これにより、非課税で運用できる口座に対して、年最大80万円拠出できるようになります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

つみたてNISAが「将来の運用益への課税」を節税できる制度だとすると、iDeCo(個人型確定拠出年金)は現在の税金の節税、ができる制度です。

なぜiDeCoがお得なのか

例えば、給与所得で年間600万円稼ぐような人(会社からお給料を貰って稼いでいる人)で課税所得が330万円程度だったとすると、課税所得が1万円増えるごとに、所得税+住民税で30%近く支払う必要があります。

iDeCoで拠出する金額は、この課税所得から引くことができます。つまり、上の例の場合で言えば、30%分の税金を支払わなくてすむので節税になります。

iDeCoは勤めているかどうか、勤めている企業が確定拠出年金があるかどうか、確定給付年金があるか、などそれぞれの状況により拠出できる金額が変わります(現在は自営業者の方は最大で月額6万8千円、企業方DCがない会社の会社員は月額2.3万円)。

背景としては、すでに似た制度に加入している人とそういった制度へのアクセスのない人の間で不公平にならないようにする、という思想があります。

いずれにしても、私たちからすると老後資金を貯めるための、有効な節税の制度です。

どの証券会社で開くか

3大ネット証券(SBI、楽天、マネックス)のどの証券会社を用いてもよかったのですが、私はこちらも楽天証券で行い、長期的な投資は楽天にまとめることにしました。

手数料はほぼ同じですし、商品のラインナップもさほど差はありません。つみたてNISAとiDeCoのどちらも長期投資であるため、長期投資をする口座をまとめた方が管理が楽だと考えたことが理由です。

ふるさと納税

NISA、iDeCoと並んで定番の節税がふるさと納税です。ふるさと納税を利用して控除できるのは主に次年度の住民税ですので、赴任から帰国した人もその年から利用することができます。

ふるさと納税でどの程度節税できるのかについてより詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

[st-card myclass=”” id=1331 label=”資産形成” pc_height=”” name=”” bgcolor=”” color=”” fontawesome=”” readmore=”on”]

ふるさと納税では返礼品の調達率が30%であるべきとされており、選べば寄付した額の30%以上の価値ある商品を入手することができます。

加えて、楽天ふるさと納税で納税を行うと、返礼品に加えて、ポイントがつきます。私の場合、楽天カード+楽天証券+楽天市場アプリ+楽天ブックス、で5%のポイント(SPU)がつくようにして、加えて0と5がつく日に楽天カードを使って納税することで+2%、加えて買い周りで3件以上の買い物をすることでさらに+3%、でふるさと納税で10%以上のポイントがつくようにしています。

支払った税金で返礼品がもらえることに加えて、10%のポイントでキャッシュバックされることを活かし、寄付額の40%程度を戻すことができるため。限度額まで行うことのメリットが大きいと思います。

クレジットカード

ちりも積もればでないですが、支払いをクレジットカードにまとめることで、お得に買い物ができます。どのクレジットカードもポイントのような仕組みがあり、利用した額に応じて還元してくれます。

例えば、楽天カードの還元率は100円で1ポイントであるため、1%です。楽天でポイントを貯めている人ならば、楽天でメインの買い物をするようにすれば、3%以上程度まで上がられます。

三井住友カードはVポイントが200円で1ポイント貯まるため、0.5%です。月々10万円買い物をするならば、ボーナスポイントが入り、ゴールドカードであれば追加で0.2%。

私のクレジットカードは航空会社と紐づいているものなので、還元率はマイルを1円と換算すれば、だいたい1.2%程度です。できるだけクレジットカードを用いるようにし、年間200万円の利用をすれば、2.4万円が返ってくる計算になります。

また、マイナンバーカードを持っていない人は、マイナポイントを予約・申込することで5,000円分までのポイントが手に入ります。私もマイナンバーカードを手に入れ、マイナポイントも受け取りました。

格安SIM

政府の携帯電話の料金を下げようという後押しもあり、日本では携帯電話で安いオプションが数多くあります。

楽天モバイルなど格安のプランは何社か提供していますが、私は料金の分かりやすさと縛りのなさから、LINEモバイルにしました。

税込で 3GBで月額1,600円と通信費を入れても2,000円以内におさまりそうです。ドコモの通常のプランであればおそらく月5,000円以上かかると思いますので、月3,000円近く節約できている計算になります。こちらもクレジットカードを用いるのと同じくらいのインパクトが出ます。

医療費控除

医療費+交通費が年間10万円分を超えた分は確定申告で医療費控除の申請ができます。こちらは生計をともにする家族の分も申請できるため、一人で10万円以上である必要はありません。

歯科の定期検診、健康診断や人間ドックなど保険適応にならず高額になる場合や、家族で大きい病気をした人がいる場合などには使える制度です。具体的には、医療費で10万円を超えた分のうち、課税所得が330万円を超える人は20%、695万円を超える人ですと30%、900万円を超える人ですと33%が戻ってきます。

私の場合、医療費まとめファイルを作って、そこに家族の分の領収書を貯める仕組みを作りました。

まとめ

NISA、iDeCo、ふるさと納税、クレジットカード、格安SIM、医療費控除、とどれも始める際にはやや手間がかかりますが、始めてしまえば後は仕組み化されるので、毎月あなたに「お得」をもたらしてくれます。加えて、これらの施策はどれも国が後押しをしているものです

NISA・iDeco・ふるさと納税はどれも国が作っている資産形成を促すための制度ですし、クレジットカードはキャッシュレスの社会推進のために国は補助金を一時期出していました。また、携帯電話の料金に関しても、菅総理や総務省が安いプランを浸透させようとしています。かつ、これらの仕組みは住宅ローン控除、生命保険控除、医療費控除など特定の支出がある人のみならず、収入のあるほぼ全ての人が利用できます。

稼ぐ力を上げるのは時間がかかりますが、上にあげた仕組みづくりは1ヶ月もあればできます。2021年、今後数十年にわたる資産形成の仕組みづくりから始めてみませんか?

米国株のビジネス・株式の分析は下記のボタンから飛べます。

[st-mybutton url=”https://akihbs.com/category/us-stocks/” title=”米国株の記事一覧へ” rel=”” fontawesome=”” target=”_blank” color=”#fff” bgcolor=”#e53935″ bgcolor_top=”#f44336″ bordercolor=”#e57373″ borderwidth=”1″ borderradius=”5″ fontsize=”bold” fontweight=”bold” width=”” fontawesome_after=”fa-angle-right” shadow=”#c62828″ ref=”on”]

東京、ボストン、シドニーの比較: 東京の良さと課題

日米豪の三ヶ国(東京、ボストン・ミネアポリス、シドニー)で暮らし、働いた経験を一区切りするためにも、それぞれの国の良いところ、悪いところ、をまとめてみます。

最後に、ビジネスにも役立つ、複数の選択肢を比較する手法についても紹介しています。

東京

東京の優れている点

東京は、あらゆる点で便利で、快適な生活が送れる街です。


食事が美味しく、特に和食は健康的で、安価な定食は海外で暮らすとありがみが分かります。サービスの質は高く、サービスを受ける度に「この価格でこの質を得られるのか」、と驚くほど。

鉄道網が発達しているので車を持つ必要がないですし、重犯罪率も低く、銃犯罪もほぼないため、街も安全です。

アクセス・コスト・質のどの点から見ても高品質の医療が受けられるのも良い点です。「ちょっと調子が悪い」、という程度で全ての国民がすぐに専門医にかかれるのは他の国にはない特徴です。

保育・教育費も国の補助が手厚いです。認可・認証の保育園に入り、国立・公立の小中高に行く場合は、かなり教育費が抑えられますし、お金がないから高校に行けない、という家庭は他の国と比べても少ないでしょう。

後述しますが、保育園も最高で月77,000円というのは、米や豪と比べるとかなり安い水準です。

社会福祉サービスが手厚いことから税金の水準は高いです。一方、所得控除が手厚いこと、iDeCo、NISA、ふるさと納税と節税策もあるため、オーストラリアや西欧と比較すると、よほどの高収入でない限り(年収3000万円以上など)、実効税率はまだ安い印象です。

家賃、食費、交通費、光熱費、教育費など、ボストン、シドニーと比較しても生活のコストは高くないです。

また、国際都市であり、グローバル企業の支社が多くあり、日系のグローバル企業の本社もあるため、就業機会も豊富です。世界中から人が仕事や観光で訪れるため、人との出会いも多いです。

地理的にも米中という二大超大国の間であり、どちらの国に行くにも便利です。

「便利で安全、コストパフォーマンスに優れる国際都市」というのが東京の強みです。

東京の課題

東京の課題はワーク・ライフ・バランス、子育て環境、日本の将来性です。

東京の労働環境は改善されてきていると思いますが、それでも定時に帰宅する人の割合が高い米や豪と比べると長時間労働です。「サービス残業」という概念自体が米、豪ではない気がします。

両親ともにフルタイムで働き、子育ても行う、のも大変です。「日本、中国、韓国の人は長時間働きすぎだ」というのは米でも豪でもよく聞く話ですし、実際に3カ国で働いてみてそう感じます。

フルタイムで共働きで働くインフラが十分でないのも課題です。東京では保育園は依然として数が足りておらず、認証保育園や無認可保育所でも庭がないなど、保育の環境として質が保たれているのか疑問の施設も多くあります。

教育に関しては、文科省がガチガチに内容と教育方法を決めているため、子供に平均的な能力を身に付けさせるには良いです。一方、自由度が少ないため、米、豪と比べると子供の個性を伸ばすような教育ができる場が少ない点が課題です。

次に、日本の将来性ですが、少子高齢化が急速に進んでいる(特に少子)ことは国の将来にとって大きなリスクです。特に、経済成長が過去30年間ほぼ横ばいの中、日本は社会保障を主な原因として国債を積み上げてきており、社会保障の持続可能性は疑問です。シルバー民主主義なので、構造的にかえる有効な手立てがないのですが。

最後に、地震などの天災リスクがあります。こちらも有効な対策は現状ありませんが、備えるしかないです。。

東京は優れている点が多く、すでに世界の都市ランキングの上位に位置しています。国・都が施策で取り組める課題に一つ一つ取り組んでいけば、さらに住みやすく、働きやすい国際都市になれると感じます。

ボストン

ボストンの優れている点

ボストンはアメリカの古都であり、街並みが美しいアカデミックな街です。


ボストンにはHarvardやMITをはじめ、Boston UniversityやBoston Collegeなど全米でも有数の大学が集まっています。

そのため、世界中から集まった学生・研究者が街におり、アカデミックなネットワークを築くことができます。

また、教育機関が集まっているためか、バイオや大学発ベンチャーが多い街でもあります。 新型コロナ向けのワクチンで一躍世界中に名前が知られたモデルナの本拠地もボストンです。就業機会もニューヨークやサンフランシスコほどではないですが、多くあります。

「世界中から集まった、才能あふれる人たちと出会い、働ける」というのはキャリアを重視する人にとって良い環境です。

医療の世界でも、Massachusetts General HospitalやBrigham and Women’s Hospitalなど全米でも有数の病院があり、世界最高峰の医療を受けられます。

アメリカは新しいモノ・サービスが生まれる場所であり、さまざまなニーズを解決する民間サービスで溢れています。お金を払うことで、かなり便利かつ快適に過ごすことができます(例えば、Amazonを利用するだけで、家から出なくともかなり暮らせます)

ボストンの課題

ボストンの課題は生活コストです。ボストンでの生活コストは上がり続けており、相当の収入がないと暮らすのが難しい街になってしまいました。

例をあげると、市内では1ベッドルームの部屋で家賃で月$3,000、保育園・教育費で月$2,000以上、というのが珍しくありません。保険・医療もどの保険を選ぶかによりますが、家族であれば毎月$1,000かかるのも普通です。

家賃・保育園・保険だけで、年$72,000かかり、税金を考慮すれば、年$100,000 (約1,050万円)稼いでいても、家賃と教育費と健康保険だけで消える、ような状況です。 これらの費用に加えて食費・交通費・通信費・光熱費・交遊費なども当然かかるため、年$140,000 (1,500万円)稼いでいても、子供がいる家庭では米大都市では裕福な暮らしではありません。

加えて、米の上がり続ける学費は今でも年4万ドルがざらであるため(州立大学であれば州民にはディスカウントがありますが)、子供が大きくなっている時には4年で20万ドルはかかるとすると、そのための貯蓄も必要になります。

また、ボストンは全米の中では安全な都市ですが、銃社会であり、かつ社会格差が広がっていることから、治安は日本や豪と比べると悪いです。

運が悪ければトラブルに巻き込まれる、というリスクも他の国より高いでしょう。ボストンマラソンの爆破テロはその一例です。また、今回のコロナの対応を見ていても分かるように、社会がさまざまな軸で分断されている国であり、疫病が再び蔓延した際に、国がリーダーシップを取れるかは疑問です。

これら全ての課題を解決してくれるのは、お金です。

アメリカは「お金があるかないか」で生活の質が大きく変わる場所です。最高の医療も教育も快適な生活環境も安全も、お金があれば買えます。一方、お金がなければ、他の国では最低限は国から受けられる医療、教育、安全が得られません。

アメリカの沿岸部の大都市の生活は「キャリアと資産を築けて最高のサービスを受けられる」場所であると同時に、「キャリアも資産も築けなければ苦しい生活をしなければならない」、ハイリスク、ハイリターンの場所でもあります。

アメリカ社会の「勝ち組」に入れる人であれば、アメリカの大都市は世界の中でも最高の場所の一つでしょう。

一方、コストの点で見ると、僕が住んだ第二の都市であるミネアポリス(中西部、ミネソタ州の主要都市)はアメリカの中でもコストパフォーマンスに優れた都市です。住宅費が安く、公立の教育の質も高く、子育てにかかる費用はボストンに比べてずっと安くすみます。

アメリカとしての課題は抱えていますが、ミネアポリスはミドルリスク・ミドルリターンの都市で、当たり前ですが、アメリカも都市により暮らしがだいぶ変わります。

シドニー

シドニーの優れている点

シドニーは「暮らす」という点では最高の都市の一つです。

なぜシドニーが暮らしやすい場所なのか、は上記の通りで、東京の利便性に加えて、天気の良さと自然が近いこと、労働環境が老こと、人々がよりフレンドリーであること、優れた教育機関があること、がシドニーの良さを際立たせています。

また、日米になくシドニーにあるものは、信頼できる政府です。今回の新型コロナ対策を見ていても、政府の対策は迅速であり、適切でした。

現在、アメリカでは毎日30万人、UKでは毎日3万人、日本では3千人の新型コロナ感染者が出ていますが、オーストラリアでは全土でも毎日30人以下です。国の人口が2,500万人と日本の約1/5であることを考慮しても、かなり少ない数で抑えられています。

社会保障制度は良く設計されており、公的保険と私的保険を組み合わせた医療制度はアクセス・質・コストのバランスが良く取れています。

また、Superという年金の強制積み立て制度など、年金制度も持続可能かつ十分な水準を将来に支給できるような仕組みになっています。

シドニーは平均的な暮らし、または平均以下の暮らしをしている家庭にとても良い環境です

シドニーの課題

シドニーの課題は税金です。日本円で350万円くらいを超えてから、$1につき32.5%の所得税がとられます。加えて、2%のMedicare税やMedicare Levy Surchargeなどが取られるため、税率は多くの人で30%を超えるでしょう。

Australia tax rates

公的な医療や教育が充実しているのでサービスとしては釣り合いが取れていると思いますが、税率が低い国ではありません。特に、高所得者であれば税率の高さに頭を抱えることもあるでしょう。

また、世界のどこからも遠いため、オーストラリア生まれ・育ちでなければ、家族や友人と会うのはやや大変です。年1, 2回帰省できれば良いくらいになるでしょうし、このコロナ下では移動が制限されているため、国を出ると戻って来れません。

最後に、オーストラリアは地理的に遠い上に市場が小さく、「グローバルにキャリアを築いていきたい」と思った時には壁にぶつかります。オーストラリア発のグローバル企業もありますが(CSL, BHP等)、東京やボストンと比べると数が少ないです。

オーストラリア自体がゆっくりとした国であるため、長く働いた後に他の国に移ろうとした時に適応がやや難しくなります。

3都市を比較してみて

どの国・都市も良いところもあれば、悪いところもあります。傾向としては、東京は利便性・コストパフォーマンスに優れ、ボストンはキャリア・教育の機会に優れ、シドニーは暮らしに優れています。

このようなそれぞれに優れた何かを比較する際、軸を決めて、それぞれに項目を洗い出し、ポイントをつけて、加重平均するという方法があります。

具体例として、三ヶ国を僕の基準で比較してみた表が以下になります。3=期待を上回っている、2=期待を満たしている、3=期待を満たしていない、という3段階で、それぞれの国を比較しています。

項目 東京 ボストン シドニー 加重
仕事の機会 新しいサービス・モノを世に生み出す 3 3 1 10%
事業責任者として働く 3 2 1 10%
多様な背景を持つ人と、国際的な環境で働く 2 3 3 10%
暮らしやすさ ワークライフバランス 1 2 3 10%
子供の教育 1 2 3 10%
妻の仕事の見つかりやすさ 3 1 2 10%
カルチャーとのフィット 2 2 2 10%
ヘルスケア・社会保障 3 1 2 5%
ネットワーク 友人のネットワーク 3 2 1 5%
家族との近さ 3 1 1 10%
資産形成 賃金 2 3 2 5%
生活コスト 3 1 2 5%
加重平均 2.35 1.95 1.95

今の時点での僕のライフステージでは東京が最もポイントが高くなっています。5年後にはより子供の教育が重要になり、違う都市の方が高いポイントになるかもしれません。

このような比較の手法は家を買うとき、キャリア選択をする時、など決断をする際に有効な手法なので、ぜひ使ってみてください。

この方法をキャリアについて使う際の例はこちらをどうぞ。

[st-card myclass=”” id=1901 label=”分析” pc_height=”” name=”” bgcolor=”” color=”” fontawesome=”” readmore=”on”]

米国株のビジネス・株式の分析は下記のボタンから飛べます。

[st-mybutton url=”https://akihbs.com/category/us-stocks/” title=”米国株の記事一覧へ” rel=”” fontawesome=”” target=”_blank” color=”#fff” bgcolor=”#e53935″ bgcolor_top=”#f44336″ bordercolor=”#e57373″ borderwidth=”1″ borderradius=”5″ fontsize=”bold” fontweight=”bold” width=”” fontawesome_after=”fa-angle-right” shadow=”#c62828″ ref=”on”]

就職・転職-キャリアを選ぶ時に使えるフレームワーク

人生100年時代、一つの会社にずっと勤めるのではなく、複数の会社や個人で働く人も増えてきました。しかし、就職・転職・独立した後に、「こんなはずではなかった。。」という話もよく聞くのではないでしょうか。

今回は、納得でき、かつ期待通りのキャリアを選択できる確率を上げるために役立つフレームワークを紹介します。

ステップ1: 価値判断の軸を決める

価値判断の軸としては、「目的」(Purpose)、「人間関係」(Relationships)、「金銭」(Finance)の3つの軸を用います。

「目的」はどのような仕事をしたいか、将来に繋がるか、などです。人によってはモノを作るのが好きな人もいるでしょうし、誰かを助けるような仕事が好きな人もいるでしょう。あるいは将来やりたい仕事に繋がるためのスキルが学べる、などもここに含まれます。

「人間関係」、は働く先のカルチャー、一緒に働く人、家族、などをさします。仕事が忙しくなって家に帰る時間が遅くなる、などの場合は家族にも影響がでるため、職場だけではなく家庭の人間関係も含めます。

「金銭」は給料に加え、手当なども含みます。

具体例

僕の場合ですと、「目的」については4つありました。

第一に、自分の過去の経験から、病気を抱えた人やその家族・友人が治療法が見つからずに苦しんでいるのが許せず、そのことに対して考えたり動いている時に充実感を感じます。だから、世界中の人が自分の病気の治療法を見つけられるような世界にしたいと思いますし、「その目標に繋がる仕事」というのを第一の項目にしました。

第二に、僕はテクノロジーの力を信じており、テクノロジーを通じてその目標を達成したいと考えているため、「テクノロジーに関わる仕事」という項目も加えました。

第三に、僕は自分でコントロールしたいタイプなので、「事業責任者として動ける」という項目を加えました。

最後の四つ目としては、僕は多様なバックグラウンドを持つ人と働いている時に特に楽しさを感じるため、米国、ロンドン、シンガポールなど「英語圏でかつ世界中から人が集まっている場所で働けること」を項目に加えました。

「目的」としては以上の「病気の人を治療する・もしくは治療法を見つけやすくできるか」、「テクノロジー × ヘルスケア」、「事業責任者か」、「世界で働ける」の4つを評価項目としました。

次に「人間関係」ですが、これも大事な要素だと考えました。まず、働く場所は自分の価値観と合うようなカルチャーにしたい、もしくはそんなカルチャーで働きたいので、「企業カルチャー」を第一の項目として入れました。

次に、「一緒に働く人が尊敬できるか、一緒に働いていて楽しいか」を二つ目の項目にし、三つ目としては、「僕の家族が幸せか」、を入れました。

最後に、生活をする上で必要となる「金銭」も評価軸に入れました。僕の場合、「目的」で4つ、「人間関係」で3つ、「金銭」で1つ、の計8つが評価の軸になりました。

計8つの基準

ステップ2: 価値判断に重み付けをする

次に、それぞれの項目に、合計で100%となるように「重み」をつけます。

僕の場合、「目的」の4つにそれぞれ10%で40%、「人間関係」の3つに40%、「金銭」でに20%の重みをつけました。

価値判断の項目、重み付けの仕方は人により大きく異なりますし、この重み付けは真剣に考えた方が良いと思います。人によっては「一緒に働く環境が一番大事」、とそこに80%を割り振る人もいるでしょうし、「目的が一番大事」とそこに重みの大半を振る人もいるでしょう。

ステップ3: 選択肢を評価する

選択肢のそれぞれについて、それぞれの項目に「1(満たしていない)」から「3(満たしている)」まで数字を入れます。そして、入れた点数に重みをかけます。

例えば、「組織のカルチャーが合うこと」の点数が2で、その重みが10%ならば、その項目の点数は2 x 10% = 0.2になります。

項目の全てで重みをかけて、点数を合計すると、合計点数が出せます(この方法を加重平均と言います)。

進路の選択肢A、B、Cについて具体的に評価してみると下記のようになります。下記の例だと、Aが最も良い選択肢となります。

ステップ4: 再検証

評価軸に抜け漏れダブりがないか、自分の重み付けが適切か、卒業後の選択肢がまだ他にないか、を考えます。

特にStep 4では家族や友人など、色々な人に相談をして、考えが変わらないかのプレッシャーテストをするのが良いと思います。

まとめ

このフレームワークを用いる利点は、キャリアの選択という様々な要素が絡む決断について、ある程度網羅的に、かつ定量的に評価できることです。

人はどうしても目に見えて測れるもので仕事を選びがちですが(給料やポジションなど)、実際に働く時には、自分の働く目的と合っている仕事かどうか、働く環境が自分に合っているかどうか(組織の文化、一緒に働くことになる人と合うか、家族の賛成が得られているか、など)、の方が大事に感じる人も多いです。

このフレームワークを用いることで、ある程度漏れなく必要な項目を考えながら意思決定ができるので、就職・転職後に「こんなはずではなかった・・・」という確率を下げられるのではないかと思います。

この記事がお役に立てたならば嬉しいです。

オーストラリア首都、キャンベラ旅行(観光・グルメ)

オーストラリアの首都であるキャンベラへ2泊3日の週末旅行に行ってきました。

キャンベラは国会議事堂、国立美術館、科学技術館、戦争記念館、国立公園、植物園などがあり、オーストラリアについて学ぶには最適な都市です。シドニーから週末旅行で行ける距離のキャンベラへの行き方、観光、グルメについて今回は書きたいと思います。

キャンベラへの行き方

キャンベラはシドニーから車、バス、飛行機で行くことができます。バスは複数の会社が運行しており、$100以下のことが多く、時間も自分で車で運転していく方法と変わらず3時間半くらいですので、オススメの手法です。Murraysなどで予約することができます。

飛行機の場合ですとフライトは1時間ですが、チケットは$200を超えてくることが多いので、予算とのご相談です。

自家用車またはレンタカーで行く場合は高速のM5号線でまず市内を出て、次にM31、M23と進んでいくと、スムーズに行けば約3時間30分で着くことができます。その場合、シドニー市内のM5のトンネルは特に夕方は混むため、金曜の夕方の帰宅ラッシュ時に出発しようとする場合は渋滞を見込んでおいたほうが良く、できればその時間帯は避けると良いです。

キャンベラ観光 – オーストラリア国会議事堂

キャンベラには新旧2つの国会議事堂があり、どちらも無料で入ることができます。特に新しい国会議事堂では毎日無料のツアーが1-2時間おきに定期的に開催されており、時間を調べて参加するのがおすすめです。国会議事堂がどのような理念で作られたか、オーストラリアの国会のシステム、などを学ぶことができます。

嬉しいことに、新旧どちらの国会議事堂も入場料は無料です。

新国会議事堂の上院

上院と下院はシートの色が違っています。上院は州ごとに国会議員が割り振られ、下院は人口に応じて割り振られます。この仕組みは、人口が集中していない州にも発言権が与えられるよう、州ごとに定数を割り振るアメリカの上院を見習ったそう。

新国会議事堂の下院

旧国会議事堂にも上院、下院がありますが、規模は半分以下です。実際に総理大臣が使っていた部屋まで入ることができます。旧国会議事堂のKid’s Roomは広く、おもちゃもたくさんあるので、幼い子供を持つ方が休憩するにはおすすめです。

旧国会議事堂のキッズルーム

オーストラリア国立美術館 (National Gallery of Australia)

国会から歩いて15分くらいの場所に、オーストラリア国立美術館と科学技術館があります。国立美術館のメインの展示はオーストラリアのアーティストが書いた絵画とアボリジニの芸術作品ですが、様々な特設展示を行なっているようです。僕らが訪れた時にはインドネシアの現代芸術の特設展示とモネの特設展示を行なっていました。

オーストラリア国立美術館の展示

オーストラリア戦争記念館 (Australia War Memorial)

オーストラリア戦争記念館はオーストラリアのために命を捧げた兵士への感謝と彼らの功績を忘れないために作られた記念館です。第一次大戦、第二次大戦に関するスペースが大きく、大戦で実際に使われた戦車、潜水艦、航空機の展示がされているなど、展示がかなり充実しています。キャンベラの国会議事堂があるエリアから北東へ行ったエリアにあり、国会から戦争記念館までの道は遮るものが何もないようにデザインされています。

零戦の展示

また、奥には大スクリーンでの、「第一次大戦時の空戦」動画の上映もあり、子供でも楽しめるような内容になっています

映画のようなスクリーン

日本に関する展示も多いです。オーストラリアまで日本の潜水艦が来ていたことを初めて知るとともに、当時の日本軍がいかに戦線を伸ばしていたのかに驚きました。

日本の侵攻

アメリカのニューオーリンズにある第二次世界大戦博物館(ニューオーリンズ週末旅行(ジャズ、グルメ、観光))と比較してみると、視点はかなり中立的だと感じました。

ニューオーリンズの博物館は連合国と枢軸国の対立軸を明確に描き、アメリカが参戦したからこそ悪である枢軸国の広がりを止めることができた、アメリカが世界に正義をもたらした、というトーンなのに対し、こちらのオーストラリアの戦争記念館はあくまでもオーストラリアに焦点を当て、当時の世界情勢の中でオーストラリアが置かれていた状況、オーストラリアが取った選択肢、中でも実際に戦いに赴いた兵士たちの生活について詳しく述べています。

オーストラリアは日本に攻められた側であり、憎しみを感じる対象としても描けたはずですが、日本を憎しみの対象とているのではなく、むしろ厳しい戦いに臨んだオーストラリア人を讃えるような展示になっています。日本の兵士達にも共感を感じられるような展示をしているところは非常に公平だと感じました。

さらに、現代の展示のコーナーからは、オーストラリアが自分たちの立ち位置と中規模の先進国としてどう強国の中で生き残るかをよく理解していることが伝わってきました。例えば、大戦時以降はイギリスがアジアに兵を十分に割けなかったため、アメリカに頼ることで自国の安全保障を確保しました。一方、大国に頼りきりになるのではなく、その後は軍隊を強化し、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、とオーストラリアは小規模ながら兵を派兵し、国際社会に貢献しています。

オーストラリアは2019年現在でも人口2500万人程度の中規模の国であり、派兵できる兵の数もアメリカ、イギリス、フランスといった人口の多い大国と比べて少ないです。ただし、国際社会で連携すべきと判断した際にはきちんと兵を出すことによって、国際社会の中で一定の存在感を示そうとしているように見えます。これは、日本にとってもヒントになる立ち振る舞いかと感じました。

キャンベラでのグルメ

僕らは、トリップアドバイザーの評価が高かったことから、RAKUという日本食料理屋に初日に行きました。場所はCanberra Centreという市内のショッピングセンターのすぐ隣です。開店とほぼ同時に行ったのですが、運よく一席だけ空いていました。ここでTasting Menuというコースを注文しました。

このレストランは期待を裏切らない美味しさでした。創作日本料理はどれも普通の日本料理と一味異なりながら、驚きを与えてくれました。また、特に魚介類の新鮮さには驚かされました。キャンベラは内陸の都市にも関わらず、日本のような新鮮な魚介類を食べることができます。

Rakuでのお刺身

また、店員の方もフレンドリーで、1歳未満の子供連れにも関わらず、優しく対応してくださいました。

Rakuでのデザート。キャベラ、ンが抜けていますが嬉しいおもてなしです。

一緒に来ていた友人にも翌日訪れることをおすすめしたら、お昼に行ったら予約で一杯だった、ということですので、事前に予約をした方が良いかもしれません。

キャンベラ旅行がオススメなのはこんな人

キャンベラは人口的に作られた政治都市ということもあり、街の作り方が非常に整然としているとともに、シドニーやメルボルンといった大都市に比べて人口密度が低く、広々としています。また、とてもアカデミックな街です。

  • オーストラリアの政治・歴史・文化・美術についてより詳しく知りたい
  • 子供に異国の文化を学べる機会を与えたい
  • シドニー以外の都市も1泊2日程度で訪れてみたい

こんな人には、キャンベラまで足を伸ばしてみるのがおすすめです。

ニューオーリンズ週末旅行(ジャズ・グルメ・観光)

ルイジアナ州にあるニューオーリンズに二泊三日の週末旅行に行ってきました。ニューオーリンズといえば2005年のハリケーンカトリーナで大きな被害を受けたことで日本でも名前が知られるようになった都市かと思いますが、アメリカ国内では洪水前、洪水からの復興後ともに旅行先として人気です。ニューオーリンズ、魅力がたっぷりある街でした。

ジャズ

ニューオーリンズへ来て外せないのはやはりジャズでしょう。ニューオーリンズはジャズの発祥の地と呼ばれるほどジャズの歴史のある都市で、街中に音楽が溢れています。昼にはFrench QuarterにあるJackson Squareの周りでは手相占い、絵描きに加えて音楽を演奏している人がおり、メイン通りであるBourbon Streetでもいつも誰かしらが音楽を演奏しています。また、ニューオーリンズの夜はとても賑やかで、Bourbon Streetを歩くとそこらかしこからライブ音楽が聞こえてきます。

New Orleans Bourbon Street

僕らは初日の夜はMaison Bourbonに行き、二日目の夜はPreservation Hall(ジャズの文化保存を目的とした施設)でライブを聴きました。前者は飲み物一杯(Abita Beer $5)から好きなだけジャズを聴くことができ、バーホッピングをするのにも使いやすいお店です。

Maison Bourbon

後者は、入場料$20で飲み物販売やトイレなどなく、純粋にジャズを聴くためだけの場所で、1時間おきの総入れ替え制。週末ということもあり僕たちは30分前から並んでいましたが、座ることができませんでした。どちらも演奏は良かったのですが、後者ではアドリブで演者同士の掛け合いを見ることができたことと、ドラムのアドリブがとても良かったため、後者がより印象に残りました。

Preservation Hall

Maison Bourbonは深夜まで営業しているため、一泊だけの滞在でも両方訪れることは可能かと思います。

グルメ

アメリカ生活もそろそろ丸3年となり、ピザやハンバーガーも普段の食事となっているのですが、やはり大味な印象が否めないアメリカでの食事。ニューオーリンズではそんなアメリカでの印象を変えてくれるような、美味しい食事に出会えました。

ニューオーリンズ名物といえばスパイシーなケイジャン料理、ややハイソなクレオール料理があります。代表的なのはスープ料理のGumbo、パエリアのようなJambalaya。Gumboにはお米が入っていることも多く、お米が主食の日本人の口にはとても合います。

Gumbo

僕らのお気に入りは630 St Peter St, New Orleans, LA 70116にあるGumbo Shop。ここのGumbo、Jambalayaは滞在中で食べた食事の中でも最も美味しく、二度足を運びました。価格もGumboのカップが$5、ボウルで$10、ジャンバラヤが$15程度と標準的なので、おすすめです。

Gumbo Shop

甘いものが食べたくなった時におすすめなのがCafe Du Mondeのドーナッツ、ベニエ( beignet)。砂糖の粉がドーナッツの上にかかっており、癖になるような甘さ。ここは非常に人気でいつも行列ができているのですが、比較的空いているtake outの列もあるので、時間に余裕がない場合はそちらに行っても良いかもしれません。Cafe Au Laitと一緒にどうぞ。

Cafe Du Monde

高級感のある雰囲気の中で、クレオール料理を楽しみたいのであれば、The Court of Two Sistersで注文した$45の前菜、メイン、デザートのセットも良かったです。メイン一品は$30程度のものが多く、二人で$100を超える可能性が高く、価格帯はやや高め。

第二次世界大戦博物館

今回の旅行の一番の収穫はこの博物館と言っても良いでしょう。ニューオーリンズにある第二次世界大戦博物館はこのためだけにニューオーリンズに来る価値があると言えるほど充実している博物館です。

National WWII Museum

博物館では、アメリカの視点から、第二次世界大戦がどうして起きたか、どう進展していったのか、アメリカがどうして参戦を決めたのか、各戦場で何が起き、連合国がどのように意思決定をして、どのように戦況が変わっていったのか、が詳細に展示されています。この博物館が特に優れていると感じた理由は3つあります。

1つ目は内容の深さと広さです。第二次世界大戦を戦略、戦術レベルで詳細に記述した博物館はおそらく世界で唯一なのではないかと思います。僕自身、東京の靖国神社、広島の原爆ドームや長崎の原爆資料館、韓国の戦争記念館、イスラエルのホロコースト記念館など第二次世界大戦に関わる博物館を訪れてきましたが、どれもその国・民族や被害者に焦点を当てたものが多く、戦争がどのように起きて、どのように進展していったかを世界のレベルで解説したものはなかったように思います。

National WWII Museum Display

この第二次世界大戦博物館はD-Day(ノルマンディー上陸作戦)やMidwayでの海戦がどうして戦争のターニングポイントになったのか、その裏でどのような外交上の駆け引きや準備が行われていたのか、についてかなり詳しく触れられており、マクロのレベルでの情勢を学ぶことができます 。

加えて、ミクロのレベルでも各国の意思決定の様子についても触れており 、例えば山本五十六がアメリカとの戦争は長期戦では生産力の違いから負けると考えていたことや、沖縄が奪われた後も日本の首脳部は九州で巻き返しを図って講和の条件を良くしようと考えていたことなど、意思決定がどのようにされていたかについても学びがあると思います 。

2つ目は展示方法です。多くの博物館が展示物とその説明のボードで構成されているのに対して、この博物館は映像、音声、展示物が豊富で、その組み合わせも優れています。一例をあげると、各ブロックにはほぼ確実に当時の映像や解説映像が流されており、展示物を見ずとも、歩いて映像だけを見るだけでも概要が分かるようになっています。来館者は皆が皆展示物を全てじっくり見る訳ではないので、これは良い工夫。また、音声や映像は人の注目を引くため、子供も含めた来館者の関心を引きやすく、飽きさせないという点でも優れています。

3つ目は併設された映画施設です。現在、この博物館では4Dの映画を二本上映しており、その品質が非常に高い。メガネなし3Dの映像に加え、椅子は振動で震えますし、上映中に飛行機の一部が上から降りてきたり、舞台下から当時使われていた軍事用物資が上がってきたりと臨場感たっぷり。ストーリーもアメリカ人の心を震わせるような、ピンチから一転、愛国心で国民が団結して悪の枢軸をやっつける、というハリウッド映画の王道展開に沿って作られており、なかなか楽しませてくれます。長さも40分と時間の限られた観光客にとってもちょうどいい分量です。

以上のようにコンテンツの量・質ともに高く、魅せ方も革新的で、加えて良い出来の4D映画館までついているというこの博物館。トリップアドバイザーの世界博物館ランキングでも世界第2位に選ばれるのも納得です。

日本からはるばるニューオーリンズ目当てに行く人はあまり多くはないかもしれませんが、魅力溢れる街ですので、おすすめです。

アメリカ中西部(ミネソタ州ミネアポリス)の生活費の実績

アメリカの生活費は日本よりも高いと言われますが、いったいどれくらい高いのでしょうか?

一つの目安として、ミネアポリス都市部に住む二人暮らしの生活のコストが月当たりどれくらいするのかを書いてみます。

家賃・光熱費

$1,950 (2ベッドルーム, ミネソタ大学近く)

Minneapolis(ミネアポリス)はNew York、San FranciscoといったTier 1都市と比べれば家賃ははるかに安いです。

妻が大学院に通うため僕らは大学へのアクセスを重視し、仕事・勉強部屋をベッドルーム以外に持つことにして、ミネソタ大学近くのアパートメントの2ベッドルームに住みましたが、それでも月$1,810かかりました。

2人の単身者がルームシェアすると、月$900ですみます。

最も家賃が高い都市ではないボストンでは大学のアパートでルームシェアをしても月$1,300くらいはかかっていたので(ただし光熱費・ガス代・水道代は込み)、ミネアポリスは20%は安い印象です。サンフランシスコの友人は1ベッドで月$3,000を払っているということでした。

中西部など田舎の都市に住めば、Tier 1の都市(ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、ボストンなど)よりは家賃は2割以上抑えられると思います。

$1,800はかなり良い物件の方なので、ミネアポリスでしたら郊外に住めばおそらく$1,000台前半で2ベッドルームが見つかります。

光熱費は2ベッドルームでだいたい$150くらいです(インターネット、水道、ガス、電気、ゴミ)。エネチェンジの情報が正しいとすると、日本は水道代、ガス代、電気代だけで二人暮らしで月平均20,000円ということですので、光熱費はおそらく日本より安いです。

交通

ガレージ付駐車場 $150、リース$450、自動車保険$200、ガソリン $50

中西部の都市で働く場合、シカゴ以外ではほとんどのケースで車は必需品です。

ただそれを反映してか駐車場の料金もいわゆるTier 1都市よりは安いです。

僕は冬場も暖房が入っている駐車場を借りたのでミネアポリスの中では比較的高い料金($150)を支払いました。普通は$100くらいが相場ですが、ただし$100では路上駐車や屋根だけで暖房なしの場合もあり、冬に雪かきをしたり凍えるような思いをして車まで行かないといけないこともあるらしいので、個人的には$150でも必要経費かなと思います。

車は中古を購入することも考えましたが、売り買いの手間やメンテナンス費用がかかることと、1年で違う都市に移る可能性が高いため、結局1年間のリース契約にしました。

車は2015年発売のHonda Fit。購入すると$16,000+Auto Tax 6.5%で、1年後に価値が$14,000まで落ちて、売却価格が価値の70%になると仮定すると、だいたい1年間の利用価値が$7,000ほど。

なんだかんだでメンテナンスで$1,000くらいかかることもあります。だったら$450を月々支払ってしまった方が、$6,000/年、なので安い。

2年以上いる前提や売却先の目処が立っているのであれば購入が良いと思いますが、短期滞在の場合ではリースは有力な選択肢なのではないかと思います。

保険料は正直結構高いです。理由は僕がアメリカでの自動車保険をこれまで持っておらず、しかも自動車保険に入っていなかったためです、

万が一を考えて補償を厚めにしているから。アメリカの自動車保険は日本と異なり、対人無制限が一般的ではなく、普通に対人賠償$100,000からが一般的な見積もりとして出てくる。訴訟大国アメリカでこれだけの補償だと正直、保険にならないので、僕は基本契約を$500,000までの補償にして、加えて$1,000,000までの補償を行ってくれるumbrella insuranceにも加入した。American Familyで申し込んで、基本契約の方が月々$250ほどでumbrellaの方が月々$15ほど。この金額は運転免許が届くまでの国際免許で運転している今月のみの数字で、届いた後は1ヶ月あたり約$170とかなりディスカウントされた。それだけ国際免許の人は事故を起こしやすいということか。

ディスカウントされても月々の車の保険料は$150を超え、これは同じ地区に住むアメリカ人と比較するとやや高い数字(僕の住む地域の平均は$130)。これはアメリカでのヒストリーのないインターナショナル生にとってはどうしようもない話で、結局最初は高めの月々のプレミアムを支払って、信用を積み重ねて、ディスカウントをもらうしかない。クレジットヒストリーもそうだが、この国はヒストリーが仕組みの中に組み込まれているために、良いヒストリーを戦略的に蓄積させていくことが非常に大事だ。

ガソリン代は移動距離によって大きく異なるが、10マイル(約16km)離れた場所に毎日通勤して休日も同じくらい移動して、1ガロンあたり40 mile走るとすると(これはかなり燃費の悪い車や渋滞の場所を走ることが多い前提で、新しい車ならばもっと燃費が良い)、 10 × 2 × 30 ÷ 40=15 gallon。よって、1 gallonn当たり$2.5くらいなので多めに見積もってもだいたい$50だ。僕は実際に今月、先月ともにより少なかった。

健康保険

 $400

日本は国民皆保険で、労使折半の場合、基本的には年収の約5%が健康保険料として取られるかと思うが、こちらではどのプランに申し込むかによって価格が異なり、年収比例ではない。保険の仕組みは民間、政府、病院の仲介機関がそれぞれ複雑怪奇に絡み合っていてこれだけで1冊の本が書けるくらい複雑な国なので、ここでは詳しくは書かないが、僕は会社が提供するPPOという比較的自由度が高く、補償の割合も高いプランに申し込んでいて、妻は大学が提供しているプランに申し込んでいる。会社または大学が一部を支払ってくれているため、内容の割に保険料は結構抑えられている。

これが個人で同じような内容で申し込むとすると、おそらく2倍はかかるだろう。そういう点で、どこにも属していない人に厳しい社会だなと思う。

通信費

$100

Verizonで2人分の回線+月々4GBまで。Verizonは高いのだが、HBS特典で安かったのと、郊外での通信品質も一番高いという評価なので、使い続けている。Sprintに切り替えると$70でさらにデータ上限も上がるらしいのだけれど、これも価格よりも品質を取っている。

インフラ系合計

$3,300

以上をまとめると、食費や日常品購入費などの変動費を除く、削りにくいインフラ系だけで計$3,300だ。日本の物価水準からしたら高いが、こちらの物価水準(ボストン、ニューヨーク、サンフランシスコなど)からすると、特に家賃がかなり安く、友人の話を聞いていると感覚的にはおそらく20%以上安い。僕はconvenienceとrisk transferをかなり優先しているが、本当にコストにこだわれば郊外に住んだり、保険を削ったりすればあと$800くらいは減らせるだろう(ただその分、不便になったりいざという時の支払いリスクに自分と家族を晒すことになるというトレードオフがある)。ということで、日本人夫婦の二人暮らしの生活コストとしては、ミネアポリスでは食費を除いても$3,000は見ておいた方が良い気がする。一人暮らしでルームシェアをする場合は、家賃が$800くらいで済んだりと、もちろんもっと安くなる。

ミネアポリスに住む際の参考になれば!

アメリカで免許を取得する(ミネソタで3度目の正直)

広大な土地を有するアメリカでは、一部の都市部を除いては車があることが前提の生活になっており、住居の次に確保する必要があるのが車。これがまた予想以上に大変だった。僕にとってはHBSでの試験より正直大変だった気がする。

ボストンでの生活

僕の場合、日本ではずっと東京に住んでいたため車を持つ必要がなく、免許は持っているけれど完全なペーパードライバー。教習所後に運転したのも片手で数えるほどしかない、という状態でアメリカに来た。その後もボストンでは妻との二人暮らしで子供の送り迎えなども必要なく、徒歩圏内でスーパーやレストランもあり、少し離れた目的地にはUberやLyftといったライドシェアのサービスを使って行っていたため、ボストンでは車がなくとも全く困らなかった。

車社会のミネアポリス

一方、卒業後に来たミネアポリスは中西部らしい車社会。Light Railという路面電車は使い勝手が悪くはないが、なにぶん駅の近くにスーパーがあるわけではないし、そもそも勤務先付近まで駅は伸びていない。一応バスもあるが、こちらもほとんど都市部内だけの移動手段なので、車がないと僕の場合は会社にすら行けない。つまり、運転ができないと働くことすらできない。

もう車に乗るしかない、と決めて練習してから約1.5ヶ月。先日ようやく免許を取得することができた。筆記試験は覚えれば良いだけなので一発ですんなりと合格。続く実技試験場(Eaganというミネアポリスの南の場所)へは以後2-3週間おきに計3回も行くことになった

免許試験場1回目

1回目は路上試験前の準備段階で”Defroster”の場所を知らなかったことで試験を受けさせてもらえなかった。ミネソタではDefrosterが重要なのでこれは致命的。残念ながら再度予約することに。

路上試験1回目

試験官は優しそうな女性。最初のうちは順調で、縦列駐車と90度パーキングはこなすも、次右折、次左折、と次々に言われて、それをこなしているうちに、日本で学んだことの癖か、右折時に大回りして反対車線に入ってしまう。これで一発アウト。アメリカの実技試験ではCritical Errorといういわゆるレッドカードがあり、反対車線に入ってしまうのはこのエラーに当たる。確かに実際の道路でやったら危ないから納得なのだが、一発アウトというのは結構シビア。次の試験の予約は2週間後以降しかできないため、2週間後の試験を予約。

路上試験2回目

教官は若くて割としっかりとした男性。今回は練習してきたためいけるだろうと思って気合を入れるが、緊張していたためか90度パーキングでポールに後ろを当ててしまう。これもCritical Errorでレッドカード。それ以外にも一方通行の道路に入る際に入るレーンを間違えたのでレッドカード2枚目。これはさすがに落ち込んだ。次の試験の予約は2週間後と言われたが、夏は予約が取りにくく、次の予約の最短は8週間後の9月だと言われ、かなり焦る。すでに試験を受けてから1ヶ月が経過してしまっていたため、次が8週間後の試験だと問題になる。

なぜかというと、ミネソタは法律上、ミネソタに着いてから60日以内に運転免許を取らないと運転ができなくなるからだ。つまり通常は1年間有効なはずの国際免許証がこの州では60日間までで、それを過ぎると国際免許証で運転していても無免許運転状態になってしまう。僕の場合、1ヶ月+8週間、だと60日間を超えるので、車に乗れなくなってしまう。乗るというリスクを取ることも考えたが、労働ビザで来ていて無免許運転で捕まって強制送還はシャレにならない。

何とか他の場所で受けられないか、どうしたら良いのだ、と粘ってみると、「毎日朝8時に新しいスポットが空くかもしれないからここに電話しろ」と言われ、窓口ではにべもない対応。これがアメリカの悪名高きDMVか、と感じながら、翌日以降朝に電話をかける日々が始まる。まるでコンサートのチケットを取るようだったが、幸いにも翌々日には2.5週間後の予約を取ることができた。

予約が取れた喜びもつかの間、ミネソタ州は4回試験に落ちると6時間の教習所研修を受けてからでないと再試験が受けられず、とても面倒なことになる。そのため、次の試験は何としてでも負けられない戦いとなった。

個人インストラクターを雇う

もうこれは誰かに頼るしかない、と個人インストラクターのPaulを雇って4時間トレーニングした。トレーニングの内容自体も良かったものの、それ以上に良かったのはPaulが試験で何が問われるか、何が見られているか、を教えてくれた点。何も書いていない道路は「両側2車線ずつの4車線だと思って走れ」、とか「信号のない交差点でもスピードを落として首を思いっきり右左に回して確認していることを見せろ」とか正直、誰かに聞かないとどうにもならない暗黙の前提があったため、これは必要だったと思う。

そして3回目の試験に

路上試験3回目の試験官はラテン系の若い男性。始まる前に今日は良い日になると良いね、と言ってくれたりとかなり感じの良い人。試験内容自体は前2回とほぼ変わらず、さすがにこちらも慣れているのでほぼパーフェクト。試験は10分ほどで終了し、合格、と言われた。今回も落ちて無免許状態になりたくないというプレッシャーが強かったため、相当しんどい2週間だったが、無事に合格することができた。練習中は夢にまで縦列駐車をしている自分の姿を見た。TOEFLと同様にもう2度と受けたくない試験だ。

日本からアメリカに来るペーパードライバーの方へのアドバイス

日本からアメリカに来るペーパードライバーの方へのアドバイス。

  1. インストラクターを雇おう。地域にもよるかと思うが、6時間$300くらいで個人レッスンを受けられるはず。実技試験は知らないと一発で引っかかる点があるため、実技で失敗して学ぶ時間を考えると、インストラクターに教えてもらってから受けた方が良い。
  2. 早朝または夜の駐車場などでコーンを立てて、縦列駐車と90度パーキングの練習をしよう。アメリカの車は日本の中型車と比べても大きい。ここまで行けるという車体感覚が結構違うと思うので、甘く見ずに練習した方が良い。
  3. DefrosterやLightを確認しよう。レンタカーの場合、どこにあるか分からないことがある。僕はこれで1回分無駄にしてしまったので(まさかdefrosterの場所が分からないだけで路上試験を受けられないなんてことがあるとは思ってもみなかった・・・)、気をつけよう。
  4. DMVは夏、月末は混むのでタイミングを気をつけよう。並ぶだけで結構時間がかかるし、次の予約は8週間後以降です、などと平気で言われるので。。。

実技試験は簡単という人もいるが、一発アウトの落とし穴は結構ハマりやすく、非アメリカ人の僕の友人にも試験に複数回落ちている人が何人かいるので、運転経験が少ない人は甘く見ずに対策した方が良いと思う。良いアメリカ生活を!

ボストンのおすすめグルメ・レストラン

2年間過ごしたボストン。僕が気に入っていたレストランをいくつか挙げてみます。ボストンを訪れた時の参考までに。

シーフード – Island Creek Oysters

ボストンに来たからにはシーフード、というのであればIsland Creekがオススメ。牡蠣は新鮮だし、クラムチャウダー、ロブスターロールとボストン名物を美味しく食べることができる。お店の雰囲気も良い。難点はいつも混んでいて、予約なしでは夜はかなり待つ可能性があること。Open Tableまたは電話で予約をしてから行った方が良い。17:30のスロットなどは結構直前でも空いている。

Atlantic Fish Companyも美味しいが、こちらも要予約。Island CreekやAtlantic Fish Companyよりも利便性が良いのはLegal Seafoodで、ハーバード・スクエアを含めボストン市内・周辺に何店舗かあるので、ここに行くのも良い。Neptune Oysterも美味しいが事前予約ができず、よほど早く行かないと順番待ちとなって結構待つので、時間がない人にはあまりオススメしない。

アメリカン- Grill 23 (Steakhouse)

せっかくアメリカにいるのだからたっぷりのステーキを食べたい、となったらGrill 23。Tボーンステーキなどが美味しい。Capital Grilleと並んで日本人の中では評価が高いステーキハウス。前菜、肉、お酒にチップを入れて一人当たり$100は覚悟しておいた方が良い。

中華 – Mala Restaurant (Huoguo)

アメリカで中華?、と思うかもしれないが、Mala Restaurantの汁なし火鍋は本当に美味しい。何か入っているのではないかと思うほど中毒性が高く、アジア系の人がハマって、夜18:30を過ぎると平日でも人が並んでいる。4人で行って、キュウリ、羊肉の串焼き、汁なし火鍋、麻婆豆腐、米またはチャーハン、を食べるのが鉄板だ。これだけ食べても一人当たり$30程度と安いのが魅力。人が並んでいる場合は近くのJo Jo Taipeiも美味しいのでそちらに移動するのもあり。Malaは店が狭いので大人数でいく場合にはSichuan Gourmetが広くて数十人でも入るので便利だ。

Harvardの学生はDumpling Houseが近くて良いので、徒歩でいく場合はこちらも便利だ。ただ夜は混んでいて並ぶことも多いので早めに行くか予約した方が良い。

韓国料理 – Koreana (Barbecue)

ボストン周辺で美味しいKoreanといえばSeoul Soulontanだが、Koreanaも肉がうまい。カルビを2人前以上頼むと目の前の鉄板で焼いてくれる。店が広いので、20人以上などの集まりをする際にも便利。

日本料理 – Ittoku (Izakaya)

わざわざボストンまで旅行に来て日本食を食べたくはならないかもしれないが、住んでいると行きたくなるのが日本食レストラン。Ittokuはまさしく居酒屋で刺身からお好み焼き、焼き鳥、寿司まで一通り揃っている。価格も日本食の中ではリーズナブル。Gyukakuもボストンに2店舗ほどあり、こちらは日本よりもお肉の味が美味しい印象。デザートのLady Mというケーキが特に美味しくて女性陣に人気。Sugidamaも居酒屋でこちらはそばが食べられるのでそばが食べたい時には良い。Itadakiも日本食・日本酒を提供しているのでBack Bayに宿泊しているのであれば近くて良い。

* * * * *

参考になれば!

アイスランド旅行(観光・教育・経済)

アイスランドへ旅行に行ってきました。日本からは遠いですが、オーロラや氷の洞窟をはじめとした豊かな自然で有名なアイスランド。

一度は訪れてみたいアイスランドの観光について書いていきます。

人気の行き先のアイスランド

HBS生の人気の行き先はボストンから直行便が出ており、かつ比較的近いアイスランドだ。同学年の5人に1人以上はアイスランドへ行っている印象だ。僕も春休みの1週間を利用して、4泊5日でアイスランドへ妻と行ってきた。

アイスランドでは観光がBalance of Paymentを見ても一大輸出産業なのだが、それを裏付けるように観光面で非常に整備された国だと感じた。

アイスランドの自然

まず、アイスランドの目玉は何といっても大自然だ。メインの空港であるケフラヴィーク国際空港からバスで20-30分ほどで行けるBlue Lagoonは、何もない場所にある天然温泉の施設で、ぬるめの温泉の中に浸かっているのはとても気持ちよかった。

ブルーラグーン

総称してGolden Circleと呼ばれるシンクヴェトリル国立公園、滝、間欠泉、火口湖も見応えがあった。氷河を掘って人工的に作られたIce Caveも不思議な空間で、氷河についての関心と理解がさらに増した。冬なので寒かったが、どの光景も雪や氷で覆われており、まさしくIceland、氷の国だった。

ゴールデンサークル

自然という観光資源を活かすためのインフラも整っており、Reykjavik Excursionsをはじめとした観光会社が日帰りツアーを運営しており、ツアーに参加すればレンタカーをしなくても効率的に回ることができる。

氷の洞窟の中

首都レイキャビック

レイキャビック(Reykjavik)の街もコンパクトで観光客フレンドリーだ。街のカフェやレストランのいたるところにFree WiFiがあり、観光バスですらWiFiがついている。また、訪れたすべてのお店でクレジットカードが利用でき、結局、僕は現金を一度も使っていない。

レイキャビックのみならば、クレジットカードがあれば両替しなくても生活できるだろう。英語がどこでも通じるため、言葉の面でも苦労がない。道路もそれぞれにわかりやすい位置に通り名が書いてあり、加えて各家に番地を表す数字がついているため、住所とマップさえあれば比較的容易に目的地に到着できる。メイン通りが歩行者天国になっているなど車通りもそこまでは多くないため、街を歩いていて、寒いことを除けばストレスを感じることが少なかった。この街の造りは、インバウンドを伸ばしたい日本の自治体にとって参考になることが多いだろう。

アイスランドの物価

一方、旅をしていて物価の高さには驚かされた。僕はアメリカの中でも物価が高い地域であるボストンに住んでおり、日本の1.5倍くらいの物価には慣れているのだが、アイスランドはボストンと比べてもかなり高い。普通のスーパーで買うアボガド・チキンサンドイッチが990クローネ (約1,000円)くらいするし、レストランへ行けば前菜が1,500クローネ (1,560円)、メインメニューが4,000クローネ (4,160円)くらいする。食事は美味しいのだが、量は日本と同じくらいの量で、米国の量に慣れるとやや少なく感じる。

感覚的には日本の2から3倍くらいの価格だ。あまりの物価の高さに、僕らはBonusという安売りスーパーやベジタリアン向けのスーパーで食材を買って、なるべく滞在先(Airbnbとアパートメントタイプのホテル)で食べるようにしていた。

アイスランドの教育

観光という点を除いても、アイスランドは興味深い点が多い。まずは教育。Human Development Indexが示すように、国民のほとんどが英語を話し、教育水準も高そうな印象だ。ガイドの人曰く、アイスランド語はアルファベットの数が多く、英語、ロシア語の音が理解しやすいとのこと。また、アイルランド語を守ることへの意識が高く、外来語も英語をそのまま使うのではなく、アイルランド語に訳したものを使うとのことだ。自国だけではビジネスとして規模が小さすぎるアイスランドにとっては、英語を使えることが必須でありながら、同時に自国の言葉も守ろうとする姿勢は、小国のみならず日本のような比較的大きな国も学べることが多いと思う。

アイスランドの経済

経済という点でも興味深い点がいくつかあった。アイスランドは国が小さく、人口はそもそも30万人超と宮崎市よりも少ない。そのように小さく、かつ他の国から離れている市場のため、おそらく進出の優先度が低く、グローバルブランドが少ない。街中を歩いていてもZARAやH&Mといったヨーロッパでメジャーなブランドは見当たらないし、チェーンもDunkin Dounutを見かける程度でStarbucksやMcDonaldも見当たらない。首都でこれほどグローバルブランドが見当たらないというのも珍しい。

色々なことに気づかせてくれるという点で、旅行はやはり楽しいし、学びになる。MBA生活も残り2ヶ月を切ったが、修了までにあと数ヶ国訪れたいと思う。