Healthcare Conference 2016

Healthcare Conferenceに参加してきた。HealthcareはUSでもGDPの17.5%を占める*巨大な産業で、プレイヤーの数も多く、業界の構造も日本と異なるのでなかなか分かりにくい。今回のConferenceではConsumer HealthとDigital Healthのセッションに参加した。以下がTake-aways

  • USのヘルスケアの品質は上がり続けているが、同時にコストも上がり続けており、政府の予算を圧迫している。ヘルスケアの予算が増え続け、軍事、教育、公共施設などその他の予算が影響を受けて減らされている。企業にとってもヘルスケア関係のコストの負担が大きく、競争力を減らす要因になっている。ヘルスケアのコストをいかに抑えるかは政府、企業が直面する共通の大きな課題。
  • 特に糖尿病などの慢性的な病気がコストを増加させている。
  • そのトレンドに乗り、最近出てきているDigital healthの製品については、payerやemployerを対象にして、コストを抑えるものがメイン。ビジネスモデルの典型例は、健康増進のプログラム(coaching、behaviral health、medicationなど)をオンラインで提供して従業員の病気を予防する、または糖尿病などの慢性的な病気の症状を緩和させることでそこから得られた経済的利益のうちの一部を受け取る、というもの。具体例はCast Light HealthOmada HealthTwine Health
  • Consumerへダイレクトに訴求しようとしているのがLyra Health。彼らはmental  healthcareに特化しており、diabetesなどを対象としている他のconsumer facing digital healthと比べるとエッジが効いている。
  • Utilizationを上げるDigital Healthのサービスももう一つのモデルとしてあり、順調に拡大している。例えば、Zoc Docは医者のアポイントメントを仲介するサービスだが、医者の空き時間を埋めるという経済的な価値を生んでおり、そこから収益を得られている。TelemedicineサービスのAmerican Wellも同じく遠隔地の患者を紹介することで医者のUtilizationを上げるという経済的な価値を生んでいる。
  • Retailの巨人であるWalmartもHealthcareに力を入れている。Walmart clinicsというbasic primary careを提供する施設を、特にprimary careへのアクセスが悪い地域を主に展開。同時に、Healthyな食品にHealthyだということを表すマークをつけて、消費者にわかりやすくしている。Payerに働きかけて、Healthyマークの付いた製品へのディスカウントを要求しているとのこと。予想だが、CVSやWalgreenも追随する可能性あり。健康な食品が保険からのディスカウントが効いて不健康な食品よりも安くなる時代が来るかもしれない。
  • Retailもdigitalを顧客との関係を深めるツールとして使っている。例えば、BayerがClaritinの販売訴求のために、hygieneに関するコンテンツマーケティングをしているなど。ただ、まだどこもベストプラクティスを模索している段階のようだ。

こういったカンファレンスに参加することは新しいプレイヤーを知ったり、主要なプレイヤーがどう動いているのかを知るのに役立つ。また、新しいアイデアを思いつく源泉となる。今学期はもっと積極的にスピーカーセッションやカンファレンスへ参加したい。

* CMS.gov

春学期開始とFIELD 3のキックオフ

いよいよ春学期が始まった。今週は金曜日がJob Search Day(就職活動に使って良い日)で授業がないため、学校の課題量としてはかなり楽だ。Job search Dayは来週、再来週も金曜日が割り当てられる予定で、就活をする人にとっては先週から1ヶ月が勝負の1ヶ月。僕はというと、インターンがすでに決まっており、就活をする気もあまりないため、その分の時間をイベントの運営(Asia Business Conference、Japan Trek)、友人との食事、プロジェクトの内容の詰め、に使っている。やることの幅を広げられているのは、良い傾向だ。

今週の大きな出来事として、FIELD 3という起業シミュレーションプログラムが走り始めたことがある。これは、セクション内の5人または6人でチームを組んで、5月初旬までの15週間に、リサーチをし、ビジネスプランを作り、プロトタイプを作って市場でテストし、実際にプロダクトを作り、市場で売るところまでやる、というプログラムだ。チームでのアウトプットが評価される上、良いビジネスを生み出したチームには全生徒の前でプレゼンテーションをする機会が与えられるなどのインセンティブがあるため、真剣な人にとっては真剣勝負だ。

このチーム分けのプロセスが、なかなか興味深い。今週中にチームを組むことが求められるのだが、よーいドンで始まるわけではなく、一定の人は冬休みの間にこのFIELD 3を見越してチームを作っていたようだ。月曜日にFIELD 3の説明がされた後、チームを組む時間が2時間与えられたのだが、その間に半数くらいの人はすでに5人、6人の出来上がったチームを作っていた。ゲームはスタート前から既に始まっていたようだ。

月曜日の夜には、セクションでディナーがあったのだが、その時にもチーム分けの話がされており、僕も数チームから誘いがかかった。もう少し考えたかったので、明日話そうと言っていたら、次の朝には声をかけてきたチームは既に5人集めて、チームとなっていた。あまりたくないという意識なのか、皆、チームを組むのが異常に早い。

僕にとってFIELD 3は本気でアイデアを試すというよりは、プロセスを学ぶための授業という位置付けだ。理由としては、①本気のアイデアを試そうとすると、後でIP (Intelectual Property)の問題が生じる、②ビジネススクールの学生5人で始めるのはどんなビジネスでもチームとしてバランスが悪すぎ(専門性が偏りすぎている)、その後ビジネスを形にしようとした時にチームをどうするかの問題が生じる、ことがある。加えて、今は授業外でメディカルスクールの学生とビジネスプランコンテストに向けた準備を進めているので、そちらの方により力を注ぎたいというのもある。そのため、FIELD 3はシミュレーションをする場だと捉えている

結果として、僕は今まであまり話したことがないけれど仲良くなれるかもしれない人と組むことにした。男性4人、女性1人で僕以外は皆アメリカ人のチーム。そのうちの2人とは何度か話したことがあるが、残りの2人とはほとんど話したことがなく、今の時点ではチームがどうなるかは読みにくい。既に仲の良い人と組んだ方がおそらく楽だが、これはシミュレーションの機会なので、チャレンジングな状況の方が自分の力が鍛えられて良いかな、と思った。FIELD 2もなんだかんだで最後にはうまくいったので、FIELD 3もそうなってくれるといいな、と思う。

MBAでの冬学期課外活動について

MBAは学業、ネットワーキング、キャリアに関するものが主ではあるが、課外活動の機会も充実している。冬学期は課外活動にも力を注ぐ予定だ。

今学期に注力する予定のNew Venture Competitionというビジネスプランコンテストについては、チームを組む予定のHarvard Medicalスクールに通うパートナーと今日打ち合わせをして、スケジュールを引いてきた。トントン拍子でお互いのやることが決まり、非常にやりやすい。パートナーがスピード感あるので、それに合わせて自分で結構きついスケジュールを引いてしまった。1/31までにmobile webでinterfaceを作り、2/14までにデータと連動させたものを作る。そこからは締め切りの3/30まではプロダクトのテストと結果の分析を繰り返して商品を改善していくのと、ビジネスプランを詰めていく予定だ。ほぼ同時期に締め切りのMass Challengeにも同じ案で出してみたい。

プロトタイプについては、エンジニアの人ならば数日でできる作業なのだろうが、初めてのエンジニアリングプロジェクトの自分としては、どれくらいの時間がかかるのか読めない。ただ、エンジニアに任せきりにするのではなく、ある程度までは自分でコーディングまでできる人になりたいので、エンジニアの友人に相談しながらも自力でやれるところまで頑張りたい。

2つ目の課外活動はAsia Business Clubの活動であり、2月28日(日)開催予定のAsia Business Conferenceだ。こちらにはCTOとしてWebsiteFacebookEventbriteの作成と運営を担当していると同時にHealthcareについてのパネルディスカッションについても手伝いをしている。このイベントは北米で最大級のアジアに焦点を当てたカンファレンスであり、参加者に来てよかったと感じられるようなイベントにしたいので、頑張りたい。

3つ目の課外活動はボーゲル塾の国際政治分科会。こちらは3月に「捕鯨」をテーマに発表があるので、それに向けて準備を進めていきたい。

4つ目の課外活動は5月22日(日)から29日(日)まで予定しているJapan Trek。こちらは10人を超える日本人同期と運営している。僕はWebsiteFacebookの作成と運営を始めとしたコミュニケーションを担当。100名近いHBS生を日本へ連れて行くイベントであり、皆が日本を楽しんで、来てよかったと心から思ってもらえるものにしたい。

運営側として参加するもの以外でも、iLab(アントレプレナーをサポートする施設)でのセッション、各種カンファレンス、スピーカーセッション、ボストンのロータリーなど、参加を予定しているものが多い。

①ビジネスコンテスト、②クラブ活動、③トレックの企画・運営、④自主勉強会、⑤スピーカーセッションやカンファレンスへの参加、とHBS、ボストンが与えてくれる課外活動の機会は本当に多い。前の学期では学業とセクションでのコミュニケーションが中心だったので、今学期は学業とネットワーキングに加えて、冬学期は課外活動で自分の行動範囲を広げていきたい。

HBSの1学期成績発表

昨日の14日にHBSの1学期の成績が発表になった。HBSでは1年目で「3」(下位10%)を5つ取ると”Hit the screen”と呼ばれ、進級できなくなる可能性があるため、ドキドキしたが、結果は3は一つもなく、一安心。どれくらいやれば「3」を取らないかを知れたのは良かった。

一方で、上位15から20%に与えられる「1」は一科目。HBSの入学者の母集団がいわゆるアイビーリーグや州立トップ校でかなり良い成績を取っていた人達(Average GPAは3.66)であることを考えれば、母語でない言語を使って一科目でも「1」を取れたのは、最高ではないにせよまあ悪くない結果だろう。

最終試験の結果も合わせて返ってきたのだが、こちらは予想より厳しかったな、という印象。見事なまでに成績がばらけている。良かったのがTOM (Technology and Operations Management)とMKT (Marketing)で中間だったのがFIN1 (Finance)。悪かったのがLEAD (Leadership)とFRC (Financial Reporting and Control)。分析をしてみると、以下のようになる。

  • TOM、MKT: 期末試験も定量の要素が強かった。定量分析は得意なので強みで英語での記述の弱さをカバーできた。
  • FIN1: こちらも定量で、そこまで悪い出来ではなかった感触だが結果は中間程度だった。ただ、感覚値でHBSの学生の40%以上がPrivate Equity、Venture Capital、Financial Services Bankingのどれか、または複数のバックグラウンドを持っていてアドバンテージがあることを考えると(前職ベースの統計だと29%だが、Financial service -> 事業会社やヘルスケア、も結構多い)、中間以上を目指すとなかなか競争が激しいのだろう。
  • LEAD: ほぼ100%定性的な記述の試験。特に言葉の使い方の要素が大きくなるため、ReadingとWritingでネイティブでない分のハンデが大きい。論点が多く、いくらでもかけるようなケースで文字数制限まで時間不足で書ききれなかったため、そこで差がついた可能性が高い。
  • FRC: FIN1と同じ理由で母集団がFinanceに強い人達で競争的なこと、大問の一つが定性的な記述でLEADと同じハンデが出たこと、会計処理のところでミスをしたこと、がおそらくの原因。

HBSの期末試験は4時間または4時間半の制限時間でケースを読んで、分析して、自分だったらどうするかを書く、という一本勝負。そのため、いかに早く正確に書けるかで分析にかけられる時間が変わるため、ライティング力を上げられれば、より深く分析し、書くことができる。その形式で、今回は僕にとって初めての英語での試験だったことを考えれば、英語でのライティングに慣れていくこれからは上がる余地しかない。次はどこまでやれるか、楽しみだ。

1月25日から始まる来学期も5科目。挑戦するのは楽しい。

FIELD2 Global Immersionについて

本日で最終成果物を提出し、僕らのFIELD2 (海外コンサルティングプロジェクト)はほぼ終わりとなった。HBSでは今年で5年目のプログラムであり、楽しめたが、洗練されたケースでの教授法と比べるとまだまだ改善の余地があるプログラムだと感じた。

FIELD2の構成

FIELD2は一言で言うと、6人で構成されるチームによる、海外の企業への新商品・新サービスのコンサルティングプロジェクトだ。プロジェクトの内容としては新商品・サービスの企画が主だが、対象となる商品・サービスは新しい下着から金融サービスの企画までと幅広い。どの地域のプロジェクトに関わりたいかは希望できるが、チームと担当する企業については特に選択の余地はなく、10月に発表される。スケジュールとしてはプロジェクトが始まる10月から12月の前半までがボストンでの準備期間、1月の前半の約8日間が現地に赴いてのプロジェクト期間となる。

アプローチ方法は「デザインシンキング」と呼ばれる、ユーザーを中心とした開発プロセスを学んで、実践することになる。具体的には、 ①顧客を観察、インタビューして理解する、②問題点を定義する、③問題の解決策のアイデアを出す、④プロトタイプを作成する、⑤テストする、のプロセスを高速で繰り返すプロセスを行った。

僕はアフリカ大陸に行ったことがなかったため、モロッコを希望し、希望通りのモロッコでのプロジェクトとなった。チームは元軍人のアメリカ人、元コンサルタントのアメリカ人、元事業会社の戦略担当のカナダ人、元コンサルタントのタイ人、元エンジニアの中国人、と僕というバッググラウンドも国籍も異なるメンバーだ。担当する企業は金融機関、となった。

FIELD2からの学び

幸いにもメンバーに恵まれ、チームメンバーからの学びが非常に多かった。元コンサルタントのアメリカ人、タイ人はモロッコでのプロジェクトが始まるとすぐにアウトプットの骨組みをパワーポイントで3時間程度で仕上げてくれ、それを元にデータを埋めていけばアウトプットができるようにしてくれた。プレゼンの流れも綺麗で、骨子を作り上げる早さには驚かされた。また、元事業会社の戦略担当のカナダ人は時間へのこだわりが強く、常にいつまでに何をどこまで決めるべきか、をはっきりさせてくれ、ミーティングはいつも密度が濃く、かつ非常に効率的だった。3人とも仕事のスピードが早く、そのスピード感には驚かされると同時に、学びが多かった。

元軍人のアメリカ人はプロトタイプを作る時に強みを発揮した。最終的にはアプリケーションのアイデアを作り上げたのだが、彼はデザインに優れ、かなり出来の良いペーパープロトタイプを2時間程度で作ってくれた。そのおかげでプロトタイプのテストをかなり短時間で行うことができた。元エンジニアの中国人もひるまずインタビューを積極的に行ってくれ、インタビューの量を増やすことができた。

僕は商品企画の経験があったこともあって、インタビューの質問作成、実行やアイデアのブラッシュアップで主に貢献した。より精度の高い情報を得ること、提案の質を上げること、で貢献できたと思う。

彼らと一緒に働くことで、①アウトプット志向の働き方、②こちらでの議論のスピード感、を学ぶことができた。メンバーとして貢献はできたが、この速度での進め方の中で議論をリードするのは英語だとまだ辛い。また同じメンバーで働くことがあれば、もっとリードしようと思う。これは次学期での課題。

FIELD2のプログラム自体からの学びもあった。「デザインシンキング」は元々商品企画だったこともあり、すでに実践した経験はあったが、ほぼ1週間という短期間でここまでサイクルを回したことはなく、このスピード感で行うことができると実感できたことが大きな学びとなった。また、モロッコの市場や国についても少しは知識を持つことができ、それ自体が僕の世界観を少し広げてくれた。モロッコはフランスの影響力が強い中東文化圏のアフリカ大陸の国、と様々な要素を含んだ国であり、その文化が混じり合った姿を知れたのは良かった。

最後に、コミュニケーションの課題もまた見えてきた。1対1であればそれなりにコミュニケーションを円滑に取れるが、アメリカ人のグループでの会話となると、途端に会話が難しくなってしまう。グループで共通して盛り上げる会話となると一般的な話題であったり、面白い体験を振る必要があるが、アメリカ人に「ウケる」ような引き出しが少ない。結果として、会話にうまく入れず、会話への参加が引き気味になってしまう。常に前向きで、積極的に会話に入って、盛り上げられるようになるためにはまだまだ訓練が必要だ。それが明確になったという点で、良い学びとなった。

FIELD2の改善余地

一方、このプログラムはもっと良くできるな、と感じることもいくつかあった。一つ目は、プロジェクトの期待値についてだ。8日間の滞在期間のうち、2日間はほぼ丸1日の参加必須の行事が入っており、残りの6日間についても3回ほど必須で参加しなければならないセッションがある。そのため、実質的な活動期間はほぼ5日。もちろん残された時間で質の高いアウトプットを出そうとはしたが、短い期間がさらに短くなっているために、できることは限られる。この構成では、HBSがアウトプットを期待していないのではないかと思ってしまう。また、HBSからクライアントに対して、あくまでも学生の学びが主である、というコミュニケーションがされていることも学生の高いアウトプットを出そうというやる気をやや下げている。これらの理由から、どのチームも集中はしていたが、朝9時から夕方6時くらいまで働いて切り上げているチームが多かった。おそらくクライアントに学生がこき使われないような配慮がされているのだと思うが、インテンシブな時間を過ごすからこそ得られる学びや友人関係もあるため、クライアントに対して最高のアウトプットを出そう、というモチベーションをもう少し与えるような構成にしても良いと感じた。

二つ目はHBSがコンサルタントにする待遇のような、あまりに至れり尽くせりの状況を用意していることだ。期間中、学生にはドライバーと通訳がつき、調査をサポートしてくれる。食事もホテルにてほぼ朝、晩と提供される。参加が要求されるイベントも事前にかなりの調整がされており、ホテルから場所への往復バスが手配されるなど、なるべく学生が費やす労力が少ないようになっている。これは楽だが、現地へのimmersionという観点からすると、現地の生活に入り込む機会がなく、やや物足りない。しかもプロジェクトの日程自体が前述のようにかなり短いので、あまり都市を回る余裕もない。誰かが迷う、怪我をするなどのリスクを軽減する、リスクマネジメントの観点も分かるが、小さい子供ではないのだから、もう少し公共交通機関を使わせるなど現地に入り込ませた方が良いかと感じた。

FIELD2の感想

全体を通じて、FIELD 2に意味があるかどうか、といえば間違いなくある。ケース形式では他のメンバーと一緒に長期間ともに働くことがなく、知識はあるが実践できない、という状況になりがちだ。FIELDでは特にリーダーシップで学んだことを実践することによって、学びを深めることができた。例えば、フィードバックの習慣やチームでの規範を定めることは明確にチームとして動くパフォーマンスを上げることを実感できた。チームで求める期待値が異なる時に、どういう緊張が発生するか、ということも実感した。学びを実践して身につけていくための機会、という点でFIELDは良い補完となっていると思う。

気づけばあと2週間後の1月25日からは春学期が始まる。春学期ではFIELD3という起業プロジェクトがあるため、今からそれが楽しみでもある。

2016年の目標

2015年はHBSの合格、アメリカへの留学と人生の大きな転換点となる年だった。2016年もすでに始まってしまったけれど、2015年を振り返って、2016年の目標を立ててみたい。

2015年の振り返り

2015年は2014年にしたことの結果が出た年となった。2014年はMBAの受験のためにTOEFL、GMAT、エッセイにかなりの時間を使ったが、結果として2015年に入ってHBSから合格をもらえ、そして奨学金ももらえることとなった。留学前にはMBA同期や先輩とのイベントがあり、新たな出会いがたくさんあった。留学してからは授業を通じてビジネスをする際に考えるべき視点を増やすことができ、友人や教授との交流を通してネットワーキングが大きく広がった。また、ずっと学びたいと思っていたプログラミングについてもTECH::CAMPで1ヶ月の間学ぶ時間が取れ、理解を深めることができた。

上期には目標としていた「MBAに合格し、かつ奨学金を獲得すること」を達成でき、下期には「友人のネットワークを広げること」もある程度達成することができた。まだできるところはあったと思うが、総合的に見て新たな挑戦をし、自分の幅を広げることができた、良い年であったと思う。

2016年の目標

引き続き、授業を通じて分析力、判断力を上げ、友人との交流を通じてネットワークを広げることに注力したい。それに加えて、今年はチームを組んで、ビジネスを立ち上げるところまで行いたいと思う。3月に応募期限があるNew Venture Competitionに応募して感触を掴み、秋には他のコンテストに応募して何らかの賞を取る、というのが目標だ。

また、妻も夏以降に合流する予定なので、家族ぐるみで付き合えるような友人をより増やせるといいと思う。

卒業後の目標

僕の20代も昨年で終わり、30代という新しい10年が始まっている。20代も挑戦をしていたが、自分にブレーキをかけて足踏みをしていた時期が長かったので、30代は毎年新しい挑戦をする10年にしたいと思っている。

具体的には、志を共にするような仲間と一緒に会社を経営し、テクノロジーを用いて、世界中の人々がより健康で生きられるような社会の実現に貢献するサービスを提供することに挑戦したいと思う。病気は本人だけでなく、家族、友人も含めてつらい思いをするというのは、これまでの人生で実感してきた。人々がそういった苦しみを感じる前に予防する、既に持病を抱えている人が病気を治療・コントロールするのを助ける、ということをしたい。オフィスにスクリーンを配置して、今日は何人の人が僕らのサービスで健康になった、ということを見えるようにして、それを日々仲間たちと喜び合えるような職場を作ることができれば、最高だ。

そのためにも、2016年も日々、挑戦を続けていきたい。

MBA受験 – キャンパスビジット

キャンパスビジットについては、「志望度が高い学校はした方が良い、Visitがプラスになる学校については特に」というのが僕の答えです。応募用紙にもVisitの有無を書く欄がある大学があるため、そういった大学については志望度が高い場合はVisitはした方が良いかと思います。2015年の受験について、僕が受けた学校についての印象を書きます。

  • HBS: Visitは合否には関係なし。応募用紙にもVisitの有無を書く欄なし。ただ、ケースの授業形式は特殊なので自分に合うかは見ておいた方が良い。
  • Stanford -> 不明。Visitの有無を書く欄なし。
  • Wharton: 不明。Visitの有無を書く欄なし。ただ、暮らすにあたってはPhillyでの生活がどのようなものなのかは知っておいた方が良い、というのが同級生からのアドバイス。
  • Columbia: Visitした方が良い。応募用紙でもどのadmissionと会ったか書く欄があるため、admissionの人の名前も覚えること。また、ニューヨーク関連についてのエッセイの質問もあることがあるため、材料を増やすためにもVisitは役立つ
  • MIT: Visitした方が良い。Visitの有無を書く欄があることに加え、どのMITのイベントに参加したか、誰を知っているか、などを書く欄があった。本気で受かりたいのであれば、Visit時にネットワーキングを行い、MITと繋がりを作った方が良い。
  • LBS: Visitした方が良い。LBS関係者で会った人を書く欄があった。比較的多くのOB/OG、在校生と会って、ネットワーキングした方が良い。

また在校生についてですが、①エッセイカウンセラーに頼む、②公式ブログにメールする、③友人の友人のネットワークを使う、ことで日本人とはアプローチできることが多いと思いますので、学校の正規プログラムに加えて在校生とコンタクトを取ると、学校の雰囲気をつかむのに良いかと思います。

また、キャンパスビジットで在校生を訪問した際ですが、下記が個人的なアドバイスです。

  • 仮説を持って聞く。e.g. 「私のやりたいことがAで、この大学のMBAプログラムのBがCというようにAに繋がるのではないかと思うのですが、いかがですか?」
  • 具体例を聞く。「DというプログラムがEなのではないかと思い、とても興味があるのですが、具体的にはどのような体験でしたか?」
  • あまり多くの人と同じ時間で一度に会わないようにする。たまに受験生1人に対して6人が同じ時間に集まるなどを聞きますが、そういう場合は一人に突っ込んで質問することが難しくなりますし、在校生の間でもお互いを見合ってしまうことがあります。可能であれば1対1か1対2くらいで違う時間帯に会ってもらった方が効果的です。
  • ホームページで調べられることは調べておく。既に書いてあることを聞いても時間がもったいないです。e.g. 「1年目の必修授業は何がありますか?」 -> どの大学でもHPに書いてあります。
  • 在校生ブログを確認しておく。殆どのMBAプログラムには日本人がおり、ブログを個人的、あるいは学校単位で書いている場合が多いです。生活感がわかるため、一通り目を通しておいた方が良いです
  • テストについて聞かない。TOEFLやGMATの点の取り方は参考書やブログを始めとした様々な媒体で書いてあります。在校生に聞いても、ここまで来てテストを聞くのか、という印象を与えるため、やめた方が良いです。

上記のような点を押さえると、キャンパスビジットをした時に得られるものが多くなり、よりエッセイを書く際にも役立つと思います。良いキャンパスビジットを!

ハネムーン旅行(モロッコ編)

モロッコは僕にとって、初めてのアフリカ大陸の国であり、かつ20ヶ国目となった(台湾、マカオ、香港、プエルトリコの4つは国としてはカウントしていない)。その中でも自然の雄大さと食事の美味しさでは上位に入る国だと感じた。

体験することの価値

特に沙漠の体験は想像以上だった。サハラ沙漠をラクダで移動し、沙漠の砂丘の上に敷物を敷いて朝日が出るのを待ち、朝日が昇るのを見る。言葉で書くと簡単だけど、沙漠を踏みしめた時のやわらかな感触、ラクダの動きに合わせてバランスを保つ行動、満天の星空を眺めながら暗闇を移動する時に感じる興奮、朝日が出るまでの寒さと朝日が出た時の暖かさ、朝日により空がグラデーションのようになる美しさ、朝日が沙漠を照らした時に、沙漠が赤かったことを知った時の驚き、といった感覚や感情の動きは、実際に行ってみないとわからないものだ。

トリップアドバイザーなどのインターネットでいろいろなものを見て知った気にはなるけれど、やはり知るのと体験するのでは次元の違う情報量だとあらためて感じた。サハラ沙漠での宿泊は全身で自然の雄大さを感じることができるためオススメだ。

素材を活かしたモロッコ料理

毎日いわゆるモロッコ料理を食べていたが、これがまた素材の味をうまく活かしていて美味しい。前菜としてのハリヤというスープはお腹に優しい味で、トマトやキュウリを使ったモロッコサラダは健康的。メインのタジンという蒸した鍋料理は肉または野菜料理で、スパイスの味と素材の旨味がギュッと詰まっている。小魚の素揚げのような料理があるなど、全体的モロッコ料理は日本人の口に合うのではないかと思う。食後にはオレンジなどの季節のフルーツが出てきて、これがまたみずみずしい。パスティラ(Pastilla)という焼き餅の中に具材が入ったものもお菓子のような感覚で美味しい。僕の妻はタジンとオレンジジュースが気に入ったようで、オレンジジュースを日に何杯も飲んでいた。

モロッコは小規模農家やレストランが多いということ、流通があまり発達していないということで、必然的に地産地消がされるようになっているとガイドの人より聞いた。地元で採れた魚や野菜を素材の味を活かして調理する、というのは昔は当たり前にあったのだろうが、輸入食材やセントラルキッチンで調理された素材を使うのが当たり前のレストランが多いアメリカや日本などの先進国では都市部でそういうレストランを見つけるのは難しい。どちらが健康に良いか、と問われればおそらく前者の方法だろう。様々な点で先進国の方が効率的な仕組みになっているとは思うが、食に関してはどちらが進むべ道なのだろう、とあり方を考えさせられた。

チップのカルチャーについて

フランスの影響下にあったこともあり、モロッコではチップのカルチャーが浸透している。相場についてはいろいろな議論があると思うが、僕らは100 dhs(約$10、または約1,200円)を各都市で3時間程度ガイドしてくれた人に渡し、70 dhsを2時間程度ガイドしてくれた人に渡した。また、7日間ドライブをしてくれたドライバーには計$140 (1日$20)を渡した。これはツアー会社から「だいたいこれくらいをチップとして渡してほしい」、という額であり、現地でモロッコ人と結婚して生活している日本人の方からすると上限レベルの額だ。満足するサービスを提供してくれたので、相場に則った。

チップという慣習は、僕のように日本で育った人からすると、契約外で追加に生じる費用のように感じて、最初は嫌な感じがすると思う。例えば、アメリカの東海岸、ボストンやニューヨークのレストランでは17-8%くらいが標準で、15%くらいが下限、20%が良いサービス、くらいでhbsの友人はチップをつけていると聞く。つまり、メニューに描かれている額にチップが加わり、それに8%弱の税金が加わるので、実際の請求書の額はメニューの額の25%増くらいになる。25%は結構ばかにできない額だ。

アメリカでの生活と今回のモロッコでの体験を通じて、僕はチップは慣習ではなく、政府を介していない税金のようなものだと感じた。チップという制度にもメリットがある。雇用者にとっては被雇用者へ支払う賃金を下げることの正当化と固定費を変動費化するというメリットがある。被雇用者はより良いサービスを提供することでより稼げるチャンスとなり、かつチップは領収書に残らないお金なので、被雇用者にとっても便益がある。チップを払う側は、メニューの額は必ず支払わなければならないが、チップについては「いくら払うかは自分が決める」という決断の自由を持てる。ただし、実質的にはチップは慣習で決まった水準はあるため、額を多少下げることは可能でも「払わない」ことを続ける選択の余地はあまり残されていない(レストランの場合は従業員とのトラブルに遭うリスクがある)。このように、個人の自由と責任を重視するならば、チップという制度にはメリットがある(ただし、チップの額を決める、誰に帰属するのかを把握する、分配する、課税する、という点でより労力が必要となり、社会的にはコスト高)

支払いがほぼ義務付けられていること、そのお金が最低賃金以下で働いている人にいくことを考えると、その意味で、役割的には所得移転の役割を持った税金に近い。

チップは気持ちの分だけ支払えば良い、と言われるが、これは言葉通りの意味ではなく、チップがある社会の暗黙の了解は「チップは気持ちの分だけ『上乗せして』支払えば良い」というのが実態なのではないかと思う。郷に入れば、郷に従えだ。

 

今回の旅は妻と二人で回ったのだが、リラックスでき、想像以上に楽しいものだった。頭のモードがまだ旅になっているので、月曜日からのFIELD 2のコンサルティングプロジェクトでは、ギアを切り替えていきたい。

ハネムーン旅行(スペイン編)

ハネムーンという名の旅行に行ってきた。FIELD2というコンサルティングプロジェクトが4日(月)より始まるため、その前にスペインのバルセロナ、アルヘシラスで計3泊し、ジブラルタル海峡をフェリーで越えて、モロッコのタンジェMED、シェフシャウエン、フェズ、メルガザード(サハラ沙漠)、アインベンハッドゥ(世界遺産)、マラケシュ、を6泊7日で回るというなかなか忙しいプラン。どの場所も期待以上でとても楽しい旅になった。

バルセロナ (Barcelona)

ガウディの作品であるサグラダファミリアやグエル公園を見学し、夜はバルでピンチョスやパエリアを食べて飲むという幸せな生活。以下の点で、バルセロナは観光都市として非常に優れていると感じた。

  • キラーコンテンツであるガウディの遺産:
    世界史を学んだ者ならば誰もが知るガウディの作品。街にガウディの作品が調和しており、かつ徒歩でもある程度の数を見て回ることができるほど集中している。絶対的なキラーコンテンツを持っているという点で強い。
  • 本場のスペイン料理:
    世界中にスペイン料理の店があるように、スペインの食事もワインも美味しい。加えておつまみをつまみながらお酒を飲み、友人と話して、次のバルに移る、というバル巡りはそれだけで一つのアトラクションだ。しかも今はユーロがドルや円に対して相対的に弱くなっているため、食事が安く感じる。また、コーヒーも美味しい。安くて美味しい本場のスペイン料理はそれだけで魅力的だ。
  • 人の温かさ・陽気さ:
    土地柄なのか、店員の人も道行く人もみんな元気だ。海岸沿いを歩くと、砂で様々な形を作り、アートの展示をしてチップを集めている人がいる。街中で歌を歌っている人がいる。お店では片言のスペイン語でも笑いながら聞いてくれ、旅人としても肩の力を抜いて楽しめる。街を歩いているだけで楽しくしてくれる地元の人は、魅力的な街を作る一つの要因だ。
  • 優れた公共交通機関と誘導:
    空港から市内まではバスで10ユーロ程度で来れるし、市内の移動では地下鉄が非常に便利。地下鉄は色分けされており、わかりやすく、かつ地下鉄の中では自分がどこにいるのか路線図で示してくれるため、間違ったところで降りる可能性も少ない。またタクシーも比較的つかまりやすく、メーターで走ってくれるため、安心。
    バルセロナ自体がコンパクトなこともあり、英語ができるか、または片言のスペイン語が話せれば十分市内を回ることができる。
  • ホテルの選択肢が広い:
    宿泊のオプションが広いのもBarcelonaの特徴。僕らが泊まったホテルは1泊1万2000円程度だったが、非常に快適な部屋だった。

サグラダファミリアは完成にまだ10年かかるようだ。Barcelona自体の体験も非常に良く、完成したら、またこの街に来たいと感じた。

アルヘシラス (Algeciras)

この街はモロッコのTanger MEDに行くまでのフェリーへ乗るために宿泊した。港町で、アラブ系の人が多く、スペインというよりはアラブの国の街に近い雰囲気。夜は暗く、道に人通りも少ないため、やや怖さを感じた。

Tanger MEDまではTrasmediterraneaというフェリー会社を利用。これがモロッコ入国の洗礼になるとは思いもよらなかった。8:00発の予定が、フェリー搭乗までの荷物検査、出国審査がカオスとなり、結局出発したのは9:30以降。荷物検査の機械が一つしかないのに対して、並ぶ人数が多すぎて、捌ききれていない。しかも列に普通にみんな横入りするので、カオス状態。僕らもそれに習って横入りをしたり、他の人が周りに横入りできないようにブロックしたりして、なるべく早く入ろうとしたが、それでも搭乗まで1時間半以上かかった。その間、ずっと荷物と一緒にすし詰めの列の中で並んでいた。

しかしそれで終わらないのが、このフェリー。フェリー搭乗後もカオスは続く。フェリーの中にいる間にモロッコへの入国審査をしてもらわなければならないが、そこにも入国審査官が一人。入国審査は荷物検査よりも時間がかかる。結果、起きるのはまた同じくの大行列。ジブラルタル海峡をのんびりと渡る暇もなく、結果1時間強の船内もほとんど列で並んで過ごすことになった。フェリーから出る時もカオスであったのは言うまでもなし。現地時間の8時半に着く予定が(スペインの方がモロッコよりも1時間早い)、結局着いたのは現地時間で10時半を過ぎており、2時間以上遅れることとなった。

ジブラルタル海峡を渡ることもできたし、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸の両方の大陸を目にするのは気持ちの良い体験だった。ただ、スムーズに渡ろうとする方は、ぜひフェリー会社と時期を真剣に選んだ方が良いと思う。