MBA卒業後の選択肢

今の時期のビジネススクールは、夏の過ごし方が定番の話題だ。すでに夏のインターンシップを獲得した人は落ち着いており、まだの人は獲得しようと若干の緊張感が漂っている。僕はというと夏は1ヶ月間は東京で、1ヶ月間はニューヨークで過ごすことが決まりそうで、まだ最後の1ヶ月間の過ごし方は決まっていないものの、やや落ち着いてきている。

最近は卒業後の進路を色々と考えている。アメリカに残って起業、アメリカで就職、日本へ帰って起業、日本で就職の4つがメインシナリオ。他の国での起業や就職も選択肢としてはあるが、他の国ではアメリカや日本であればある地域の知識や人的ネットワークが使いにくいので、強みを活かすという点ではやはりアメリカか日本が良いのだろうと考えている。

アメリカで起業をする主なメリットは、市場が大きく、最先端のビジネスが始まる場所でもあり、世界でのビジネスの展開を考えたときには最適な場所である点。またカルチャーとしてもこちらの方が自分はのびのびできるのと、異文化の中での挑戦ということで成長の余地が大きい。一方のデメリットはビザの問題。OPTという制度で卒業後に数ヶ月は残る事ができたとしても、E-1ビザという起業家ビザを取るためには$1m以上が必要。グリーンカードがない限りはその後もビザの問題が常につきまとう。加えて、アメリカ人との競争になるので、強みが活かしにくいし、チームを集めるのは大変な環境。言葉や文化を含めて様々なチャレンジを抱えながらの挑戦となる。

アメリカで就職するメリットはH1-Bが取れればビザの面をクリア出来ることと、自分がアメリカでやっていくだけの能力とネットワークを磨けること。数年間働いて、アメリカでグリーンカードを取得するというオプションもある。デメリットはグリーンカード取得までは時間がかかることと自分でビジネスを始めるという選択肢がやや遠のくこと。

日本で起業をするメリットは、日本に関する知識、日米のネットワークをフルに活かせること。言葉や文化の壁がない分、チームを組むのもアメリカよりはやりやすいだろう。一方で、一度日本に帰ると、アメリカや海外へまた出るのが難しくなるというのがデメリット。また、市場も縮小傾向にあるというのも懸念材料。

日本での就職についてのメリットは日本に関する知識と日米のネットワークを活かせること。一方で、他の選択肢に比べるとチャレンジの度合いやワクワク感で劣る。

今日、ニューヨークに住む中国人の実業家と話した時には、こんなアドバイスをもらった。「君は絶対にアメリカに残るべきだ。そのためにも、使えるものは全て使うべきだ。日本、アメリカにあるネットワーク、これまでに身につけてきた知識やしてきた経験、日本人であること、は全て資産であり、全てを最大限に使ってニッチを探せ。アメリカ人とまともに戦っても勝てない。まず小さいところで成功しろ。そうすれば、次に繋がる」

今回ビジネスプランコンテストに出そうと思っているアイデアをぶつけたときには、筋は悪くなさそうだというフィードバックをもらった。今学期と夏は、自分の可能性を見極める良い機会。挑戦を続けたい。

4連休を終えて

先週は金曜に授業がなく、月曜も祝日だったために、久方ぶりの4連休。とはいえ時間が経つのは早いもので、週末もあっという間に終わってしまった。

4連休はようやくまとまった時間が取れたので、友人と会ったりカンファレンスの準備を進めたりすることに加え、ケースの予習を15時間、Tech::CampでSwiftの勉強を15時間使った。Tech::Campは1月から始まり、2か月コースで3月6日までなのだが、授業や生活に追われてあまりできておらず、ようやく半分まできたところ。カリキュラムを終わらせるだけでもあと50時間はかかりそうだ。応用のオリジナルアプリ開発(数十時間必要)まで行いたいため、すでに延長することが見えているが、あと20日の間に週末を利用してカリキュラムの範囲はできるだけ頑張りたい。

Tech::Campへの時間の投資もそうだが、限られた時間というリソースをどこまで何に使うべきかは悩みどころ。僕自身がプロダクトマネジメントのバックグラウンドなので、ファイナンスやアカウンティングなど他のビジネス分野の学習に時間を注いでビジネスパーソンとしての基礎体力を磨いたほうが良いという考えもあるし、一方でそれでは差別化できないので、エンジニアリング力を上げることでよりプロダクトマネジメントの専門性を高めた方が良いとも思う。

これまでに少しでもやってきたのは、SQLを用いたデータベース操作、エクセルを用いた統計分析、Html/Cssでのウェブサイト構築、Ruby/Railsでの簡易アプリ作成。今はSwiftを使ってアプリを作ろうとしている。

これらの知識はまだまだ浅いので深めなければならないことに加え、アプリを作るためには、①サーバー側の知識(Amazon Web Server設定等)、②データベース構築・運用、③コーディング(Web (Html, css, Ruby/Rails) or iOS(swift) )、は少なくとも学ぶ必要がある。加えて、夏の仕事の関係で、データ分析についてももう少し深める必要がある(統計分析、R)。

今は比較的時間には恵まれた環境にありながらも、授業にかけなければならない時間が多い上、友人関係、イベント運営、ビジネスコンテスト、エンジニアリング力の強化、と優先順位をつけないと回らない。次は春休みが3月13日から一週間あるので、それまでの一ヶ月間は嵐のように過ぎ去るのだろうと思う。

歴史、教育に関する友人からの学び

HBSでは友人からの学びが多い、というのは何回か書いているトピックだが、今週も友人から新しい事を学んだ週であった。特にBGIE (Business, Government, International Economy)が始まった今学期は、経済、政治、文化、歴史、教育について話すことも自然となり、それぞれの国の学生との会話を楽しんでいる。

例えば、ドイツからの留学生の友人とは歴史について話した。僕が、「ドイツでは第二次世界大戦、特にナチス政権についてどう教えているのか。ナチス政権が生まれる土壌となったのは第一次世界大戦後のイギリス、フランスからの多額の損害賠償の重荷と世界恐慌の影響から経済が悪化し、社会的な不安が高まったことが背景にあると思っている。ナチスが生まれる土壌作りとしてイギリス、フランスにも戦争を引き起こした原因があるというように学校では教えているのか?」と聞くと、

「その分析は正しく、実際に第一次世界大戦の反省から第二次世界大戦後にはイギリスもフランスも損害賠償をドイツに課してはいない。ただ、教育に関してはドイツではナチスについては基本的には100%自国が悪かったと教えている。おそらく責任転嫁の余地を残さないため」

と返ってくる。その他にも第二次世界大戦後の戦後処理(ドイツが4分割された)、その後の統合の過程、1989年以降の経済的、政治的な統合(通貨統合、西から東ドイツへの投資、現在にも続く経済格差)、メルケル首相についての評価、などを話した。どの話も面白かったのだが、メルケル首相は「女性であること、東ドイツ出身であること」を全く利用していない、というのが意外で面白かった。アメリカではクリントンが女性であること、ビルクリントンの旦那であることをうまく利用して選挙を戦っているのとは対照的だ。

また、同じく別のアメリカ人のクラスメイトとは家庭での教育について話した。話して印象的だったのは、その育てられ方。

  • 親族も含めて役員のため、小さい頃から家の中が取締役会のようだった
  • 今日の予定は、と聞くと1日のスケジュールからどうしてそれが必要なのかを説明してくれて、何をしているのかの透明性がとてもあった
  • 質問や意見をするとそれにきちんと答えてくれ、小さい頃から一人の大人として扱ってくれた
  • 継がせようという姿勢はなく、好きに何でもやらせてもらえた
  • 母親を通じて情報を得て、私にとって大事なイベントがある日には父親が必ず一緒にいてくれた

こういった小さい頃から経営者としての視点を育ませるような育て方は非常に効果的だなと感じた。アメリカでは良い家系の子女が良い教育を受けて、家族のネットワークを使ってさらに大きなことを成し遂げていく、という方程式が一定レベル以上の層には広まっているように見える。HBSには一定数以上財閥や大企業社長の息子や娘がいるため、在学中に彼ら・彼女らがどんな教育を受けてきたのか、知りたいところだ。

議論、議論、議論

ハーバードには様々な分野からその国や分野を代表する人が集まっており、そういう人たちと議論したり、話をしたりすることほど楽しいことはない。昨日は、①日本人元経営者の方と日本での経営環境(規制、投資家、経営手法など)について議論し、②官僚の人と経済政策について議論し、③同じ寮の台湾人と歴史や文化について話をした。夕方18時半から始まり、気がついたら午前3時。こういう会話は、楽しすぎて時間を忘れる。

僕が感じたことを、簡単にまとめると

  • どのVCと組むかが重要。利益を早めに出させようとするVCと組むと、長期的な視点で見れなくなる。長期的な視点をもち、スケールするのに十分なネットワークも持ったVCと組めた方が良い
  • CFOは最初はCEOと兼任しても良いが、CEOはビジョンや人を、CFOは現実とキャッシュを見る必要があるため、両方を同時にやるのは難しい。資金調達にはかなり時間がかかるので、早めに分けた方が良い
  • インターネットの分野はグローバルに展開しないと、規制された産業でない限り最終的にはグローバルプレイヤーに押しつぶされる(e.g. Facebook、Amazon)。日本だけでやってある程度まで拡大しても、グローバルプレーヤーが豊富な資金力で一気に投資をしてくると、勝てない
  • 日本は現場は優秀だが、意思決定のプロセスに問題がある。特に政治ではよく分からない力学が働いて、合理的ではない手段が選択される
  • 日本の衰退、経済危機は所与のものとして動いた方が良い。今は日銀が国債を引き受けているので、理論的にはお金を刷り続けることはできるが、どこかのタイミングで為替が暴落し、輸入価格が高騰し(特にエネルギー)、インフレーションによって円の価値が大きく落ちる。その頃には高度成長期のような人口ボーナスはなく、むしろ人口オーナスの状態。かつ、中国や韓国も強力な競争相手であるので、高度成長期のように輸出メインで経済を大きく成長させるのも難しい。
  • ただし、経済危機はここ3年ではなく、10年などのスパンでリスクが高くなると予想。所得収支が大きくプラスであること、米国債を大量に保有していること、からいきなり対外債務を支払えなくなる事態にはならないだろう。
  • 台湾の視点からすると、日本への視点はmixed。占領時に乱暴された人を親族に持つ人にとっては嫌いな国であるし、一方、教育、衛生、交通など社会のインフラを整備してくれた国であるという認識もある。日本のポップカルチャーも浸透しており、全体的に見れば若者からの好感度は高い
  • 歴史の話は東アジアで国を超えて、本当に仲良くなろうと思うと避けては通れない。それは中国と台湾でも同じ。お互いに感情的にならないという前提で話をして、お互いがお互いの視点を理解することで、本当の意味で信頼できる仲になれる。
  • 歴史の話を中韓台日で話す機会は多くない。仲がかなり深まらない限りそれを避けようとするため、あえてそこまで踏み込むことで、一段違う信頼関係を築くことができる。

ビジネス、政策、文化、とこういう話ができるHBSという場所が、僕はとても好きだ。HBS生という立場だからこそ会える人がいるので、この機会に様々な人と出会い、自分の幅を広げたい。

HBS1年生春学期

新学期が始まって2週間が経過した。1年目の秋学期を乗り切ったので今学期は楽になるかと思いきや、HBSはそんなに甘くないようだ。授業、友人関係、課外活動に時間を使っていたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。

授業

今学期の科目はBGIE (Business, Government, and International Economy)、LCA (Leadership and Corporate Accountability)、FIN2 (Finance 2)、STRAT (Strategy)、TEM (The Entrepreneurial Manager)、FIELD 3の6科目。特にBGIE、LCA、FIN2は秋学期の科目よりも一段階専門的になった印象で、ケースの量も予習の量も増えている。アカデミックに割く割合を少し減らそうと思っていたところでプレッシャーをかけてくるので、やはりHBSは学生のことをよくわかっているなと思う。

またFIELD 3はチームで起業のシミュレーションをするという授業で、こちらもそれなりに時間が取られる。うちのチームは基本的には学校側で用意してくれている時間をミーティングに使い、それ以外は作業を分担して行う予定だが、こちらもそれなりに時間を使うことになりそうだ。

友人関係

今学期は友人との仲を深める学期にしたいと思っている。先週は金曜に日本人の他のハーバード生と集まり、日曜に友人と4人でCatanというゲームを集まってやり、今週の木曜夜に台湾とアメリカ人の友人と火鍋を食べに行った。少人数で集まってご飯を食べたりやゲームをするのは楽しく、お互いを理解できるため、週1回はこういう機会を自分で作っていきたいと思う。

また、第一回目のEVOLVE(少人数のグループで様々な人生のトピックについて話す会)があって、それぞれがこれまでの人生について話した。一学期の間一緒に過ごしていたセクションメイトのことを、全然分かっていなかったのだなと実感するとともに、彼ら、彼女らがこれまで成し遂げてきたことに驚かされた。普段普通に話している同級生だが、彼ら、彼女らはHBSが選ぶような魅力を持った人であり、もっともっと知って、仲良くなりたいと思った。HBSにおいては、Section、Discussion Group、Club (ABC/AABA)、Competition、FIELD 2、FIELD 3、EVOLVE、Harvard同期の会などは仲良くなる良い機会だと思う。これらの機会を利用して、卒業後もずっと定期的に連絡を取り合うような友人を何人も作れるといいなと思う。

課外活動・キャリア

クラブの活動のピークが来ていることもあり、先週、今週は特に忙しかった。Asia Business Conference(ABC)は2月28日(日)の予定で、そちらに向けて準備を進めている。

また、Japan Trekも準備を進め、1日の月曜日に申し込みを始めた。こちらは驚くべきスピードで予約が来て、目標人数に1日で達して幸先の良いスタートを切ることができた。10セクション全員にきちんとプロモーションをした上、それぞれのセクションに日本人がいたことが、これだけの数が集まった理由だろう。実際に準備が本格化していくのは2月から3月にかけてだと思うので、こちらも参加者に満足してもらうようなものにしたい。

3日にはNew Venture CompetitionのEarly Registrationを済ませた。授業、友人関係、ABCにJapan Trekにボーゲル塾がある中でCompetition応募用紙を書いていたので、結構時間がなかった。最終提出物の締め切りは3月なので、それに向けてプランを詰めていきたい。

やりたいこと、やるべきことは多いが、日々の生活はとても充実している。せっかくのHBS生活。悔いのないように精一杯やりたい。

Healthcare Conference 2016

Healthcare Conferenceに参加してきた。HealthcareはUSでもGDPの17.5%を占める*巨大な産業で、プレイヤーの数も多く、業界の構造も日本と異なるのでなかなか分かりにくい。今回のConferenceではConsumer HealthとDigital Healthのセッションに参加した。以下がTake-aways

  • USのヘルスケアの品質は上がり続けているが、同時にコストも上がり続けており、政府の予算を圧迫している。ヘルスケアの予算が増え続け、軍事、教育、公共施設などその他の予算が影響を受けて減らされている。企業にとってもヘルスケア関係のコストの負担が大きく、競争力を減らす要因になっている。ヘルスケアのコストをいかに抑えるかは政府、企業が直面する共通の大きな課題。
  • 特に糖尿病などの慢性的な病気がコストを増加させている。
  • そのトレンドに乗り、最近出てきているDigital healthの製品については、payerやemployerを対象にして、コストを抑えるものがメイン。ビジネスモデルの典型例は、健康増進のプログラム(coaching、behaviral health、medicationなど)をオンラインで提供して従業員の病気を予防する、または糖尿病などの慢性的な病気の症状を緩和させることでそこから得られた経済的利益のうちの一部を受け取る、というもの。具体例はCast Light HealthOmada HealthTwine Health
  • Consumerへダイレクトに訴求しようとしているのがLyra Health。彼らはmental  healthcareに特化しており、diabetesなどを対象としている他のconsumer facing digital healthと比べるとエッジが効いている。
  • Utilizationを上げるDigital Healthのサービスももう一つのモデルとしてあり、順調に拡大している。例えば、Zoc Docは医者のアポイントメントを仲介するサービスだが、医者の空き時間を埋めるという経済的な価値を生んでおり、そこから収益を得られている。TelemedicineサービスのAmerican Wellも同じく遠隔地の患者を紹介することで医者のUtilizationを上げるという経済的な価値を生んでいる。
  • Retailの巨人であるWalmartもHealthcareに力を入れている。Walmart clinicsというbasic primary careを提供する施設を、特にprimary careへのアクセスが悪い地域を主に展開。同時に、Healthyな食品にHealthyだということを表すマークをつけて、消費者にわかりやすくしている。Payerに働きかけて、Healthyマークの付いた製品へのディスカウントを要求しているとのこと。予想だが、CVSやWalgreenも追随する可能性あり。健康な食品が保険からのディスカウントが効いて不健康な食品よりも安くなる時代が来るかもしれない。
  • Retailもdigitalを顧客との関係を深めるツールとして使っている。例えば、BayerがClaritinの販売訴求のために、hygieneに関するコンテンツマーケティングをしているなど。ただ、まだどこもベストプラクティスを模索している段階のようだ。

こういったカンファレンスに参加することは新しいプレイヤーを知ったり、主要なプレイヤーがどう動いているのかを知るのに役立つ。また、新しいアイデアを思いつく源泉となる。今学期はもっと積極的にスピーカーセッションやカンファレンスへ参加したい。

* CMS.gov

春学期開始とFIELD 3のキックオフ

いよいよ春学期が始まった。今週は金曜日がJob Search Day(就職活動に使って良い日)で授業がないため、学校の課題量としてはかなり楽だ。Job search Dayは来週、再来週も金曜日が割り当てられる予定で、就活をする人にとっては先週から1ヶ月が勝負の1ヶ月。僕はというと、インターンがすでに決まっており、就活をする気もあまりないため、その分の時間をイベントの運営(Asia Business Conference、Japan Trek)、友人との食事、プロジェクトの内容の詰め、に使っている。やることの幅を広げられているのは、良い傾向だ。

今週の大きな出来事として、FIELD 3という起業シミュレーションプログラムが走り始めたことがある。これは、セクション内の5人または6人でチームを組んで、5月初旬までの15週間に、リサーチをし、ビジネスプランを作り、プロトタイプを作って市場でテストし、実際にプロダクトを作り、市場で売るところまでやる、というプログラムだ。チームでのアウトプットが評価される上、良いビジネスを生み出したチームには全生徒の前でプレゼンテーションをする機会が与えられるなどのインセンティブがあるため、真剣な人にとっては真剣勝負だ。

このチーム分けのプロセスが、なかなか興味深い。今週中にチームを組むことが求められるのだが、よーいドンで始まるわけではなく、一定の人は冬休みの間にこのFIELD 3を見越してチームを作っていたようだ。月曜日にFIELD 3の説明がされた後、チームを組む時間が2時間与えられたのだが、その間に半数くらいの人はすでに5人、6人の出来上がったチームを作っていた。ゲームはスタート前から既に始まっていたようだ。

月曜日の夜には、セクションでディナーがあったのだが、その時にもチーム分けの話がされており、僕も数チームから誘いがかかった。もう少し考えたかったので、明日話そうと言っていたら、次の朝には声をかけてきたチームは既に5人集めて、チームとなっていた。あまりたくないという意識なのか、皆、チームを組むのが異常に早い。

僕にとってFIELD 3は本気でアイデアを試すというよりは、プロセスを学ぶための授業という位置付けだ。理由としては、①本気のアイデアを試そうとすると、後でIP (Intelectual Property)の問題が生じる、②ビジネススクールの学生5人で始めるのはどんなビジネスでもチームとしてバランスが悪すぎ(専門性が偏りすぎている)、その後ビジネスを形にしようとした時にチームをどうするかの問題が生じる、ことがある。加えて、今は授業外でメディカルスクールの学生とビジネスプランコンテストに向けた準備を進めているので、そちらの方により力を注ぎたいというのもある。そのため、FIELD 3はシミュレーションをする場だと捉えている

結果として、僕は今まであまり話したことがないけれど仲良くなれるかもしれない人と組むことにした。男性4人、女性1人で僕以外は皆アメリカ人のチーム。そのうちの2人とは何度か話したことがあるが、残りの2人とはほとんど話したことがなく、今の時点ではチームがどうなるかは読みにくい。既に仲の良い人と組んだ方がおそらく楽だが、これはシミュレーションの機会なので、チャレンジングな状況の方が自分の力が鍛えられて良いかな、と思った。FIELD 2もなんだかんだで最後にはうまくいったので、FIELD 3もそうなってくれるといいな、と思う。

MBAでの冬学期課外活動について

MBAは学業、ネットワーキング、キャリアに関するものが主ではあるが、課外活動の機会も充実している。冬学期は課外活動にも力を注ぐ予定だ。

今学期に注力する予定のNew Venture Competitionというビジネスプランコンテストについては、チームを組む予定のHarvard Medicalスクールに通うパートナーと今日打ち合わせをして、スケジュールを引いてきた。トントン拍子でお互いのやることが決まり、非常にやりやすい。パートナーがスピード感あるので、それに合わせて自分で結構きついスケジュールを引いてしまった。1/31までにmobile webでinterfaceを作り、2/14までにデータと連動させたものを作る。そこからは締め切りの3/30まではプロダクトのテストと結果の分析を繰り返して商品を改善していくのと、ビジネスプランを詰めていく予定だ。ほぼ同時期に締め切りのMass Challengeにも同じ案で出してみたい。

プロトタイプについては、エンジニアの人ならば数日でできる作業なのだろうが、初めてのエンジニアリングプロジェクトの自分としては、どれくらいの時間がかかるのか読めない。ただ、エンジニアに任せきりにするのではなく、ある程度までは自分でコーディングまでできる人になりたいので、エンジニアの友人に相談しながらも自力でやれるところまで頑張りたい。

2つ目の課外活動はAsia Business Clubの活動であり、2月28日(日)開催予定のAsia Business Conferenceだ。こちらにはCTOとしてWebsiteFacebookEventbriteの作成と運営を担当していると同時にHealthcareについてのパネルディスカッションについても手伝いをしている。このイベントは北米で最大級のアジアに焦点を当てたカンファレンスであり、参加者に来てよかったと感じられるようなイベントにしたいので、頑張りたい。

3つ目の課外活動はボーゲル塾の国際政治分科会。こちらは3月に「捕鯨」をテーマに発表があるので、それに向けて準備を進めていきたい。

4つ目の課外活動は5月22日(日)から29日(日)まで予定しているJapan Trek。こちらは10人を超える日本人同期と運営している。僕はWebsiteFacebookの作成と運営を始めとしたコミュニケーションを担当。100名近いHBS生を日本へ連れて行くイベントであり、皆が日本を楽しんで、来てよかったと心から思ってもらえるものにしたい。

運営側として参加するもの以外でも、iLab(アントレプレナーをサポートする施設)でのセッション、各種カンファレンス、スピーカーセッション、ボストンのロータリーなど、参加を予定しているものが多い。

①ビジネスコンテスト、②クラブ活動、③トレックの企画・運営、④自主勉強会、⑤スピーカーセッションやカンファレンスへの参加、とHBS、ボストンが与えてくれる課外活動の機会は本当に多い。前の学期では学業とセクションでのコミュニケーションが中心だったので、今学期は学業とネットワーキングに加えて、冬学期は課外活動で自分の行動範囲を広げていきたい。

HBSの1学期成績発表

昨日の14日にHBSの1学期の成績が発表になった。HBSでは1年目で「3」(下位10%)を5つ取ると”Hit the screen”と呼ばれ、進級できなくなる可能性があるため、ドキドキしたが、結果は3は一つもなく、一安心。どれくらいやれば「3」を取らないかを知れたのは良かった。

一方で、上位15から20%に与えられる「1」は一科目。HBSの入学者の母集団がいわゆるアイビーリーグや州立トップ校でかなり良い成績を取っていた人達(Average GPAは3.66)であることを考えれば、母語でない言語を使って一科目でも「1」を取れたのは、最高ではないにせよまあ悪くない結果だろう。

最終試験の結果も合わせて返ってきたのだが、こちらは予想より厳しかったな、という印象。見事なまでに成績がばらけている。良かったのがTOM (Technology and Operations Management)とMKT (Marketing)で中間だったのがFIN1 (Finance)。悪かったのがLEAD (Leadership)とFRC (Financial Reporting and Control)。分析をしてみると、以下のようになる。

  • TOM、MKT: 期末試験も定量の要素が強かった。定量分析は得意なので強みで英語での記述の弱さをカバーできた。
  • FIN1: こちらも定量で、そこまで悪い出来ではなかった感触だが結果は中間程度だった。ただ、感覚値でHBSの学生の40%以上がPrivate Equity、Venture Capital、Financial Services Bankingのどれか、または複数のバックグラウンドを持っていてアドバンテージがあることを考えると(前職ベースの統計だと29%だが、Financial service -> 事業会社やヘルスケア、も結構多い)、中間以上を目指すとなかなか競争が激しいのだろう。
  • LEAD: ほぼ100%定性的な記述の試験。特に言葉の使い方の要素が大きくなるため、ReadingとWritingでネイティブでない分のハンデが大きい。論点が多く、いくらでもかけるようなケースで文字数制限まで時間不足で書ききれなかったため、そこで差がついた可能性が高い。
  • FRC: FIN1と同じ理由で母集団がFinanceに強い人達で競争的なこと、大問の一つが定性的な記述でLEADと同じハンデが出たこと、会計処理のところでミスをしたこと、がおそらくの原因。

HBSの期末試験は4時間または4時間半の制限時間でケースを読んで、分析して、自分だったらどうするかを書く、という一本勝負。そのため、いかに早く正確に書けるかで分析にかけられる時間が変わるため、ライティング力を上げられれば、より深く分析し、書くことができる。その形式で、今回は僕にとって初めての英語での試験だったことを考えれば、英語でのライティングに慣れていくこれからは上がる余地しかない。次はどこまでやれるか、楽しみだ。

1月25日から始まる来学期も5科目。挑戦するのは楽しい。

FIELD2 Global Immersionについて

本日で最終成果物を提出し、僕らのFIELD2 (海外コンサルティングプロジェクト)はほぼ終わりとなった。HBSでは今年で5年目のプログラムであり、楽しめたが、洗練されたケースでの教授法と比べるとまだまだ改善の余地があるプログラムだと感じた。

FIELD2の構成

FIELD2は一言で言うと、6人で構成されるチームによる、海外の企業への新商品・新サービスのコンサルティングプロジェクトだ。プロジェクトの内容としては新商品・サービスの企画が主だが、対象となる商品・サービスは新しい下着から金融サービスの企画までと幅広い。どの地域のプロジェクトに関わりたいかは希望できるが、チームと担当する企業については特に選択の余地はなく、10月に発表される。スケジュールとしてはプロジェクトが始まる10月から12月の前半までがボストンでの準備期間、1月の前半の約8日間が現地に赴いてのプロジェクト期間となる。

アプローチ方法は「デザインシンキング」と呼ばれる、ユーザーを中心とした開発プロセスを学んで、実践することになる。具体的には、 ①顧客を観察、インタビューして理解する、②問題点を定義する、③問題の解決策のアイデアを出す、④プロトタイプを作成する、⑤テストする、のプロセスを高速で繰り返すプロセスを行った。

僕はアフリカ大陸に行ったことがなかったため、モロッコを希望し、希望通りのモロッコでのプロジェクトとなった。チームは元軍人のアメリカ人、元コンサルタントのアメリカ人、元事業会社の戦略担当のカナダ人、元コンサルタントのタイ人、元エンジニアの中国人、と僕というバッググラウンドも国籍も異なるメンバーだ。担当する企業は金融機関、となった。

FIELD2からの学び

幸いにもメンバーに恵まれ、チームメンバーからの学びが非常に多かった。元コンサルタントのアメリカ人、タイ人はモロッコでのプロジェクトが始まるとすぐにアウトプットの骨組みをパワーポイントで3時間程度で仕上げてくれ、それを元にデータを埋めていけばアウトプットができるようにしてくれた。プレゼンの流れも綺麗で、骨子を作り上げる早さには驚かされた。また、元事業会社の戦略担当のカナダ人は時間へのこだわりが強く、常にいつまでに何をどこまで決めるべきか、をはっきりさせてくれ、ミーティングはいつも密度が濃く、かつ非常に効率的だった。3人とも仕事のスピードが早く、そのスピード感には驚かされると同時に、学びが多かった。

元軍人のアメリカ人はプロトタイプを作る時に強みを発揮した。最終的にはアプリケーションのアイデアを作り上げたのだが、彼はデザインに優れ、かなり出来の良いペーパープロトタイプを2時間程度で作ってくれた。そのおかげでプロトタイプのテストをかなり短時間で行うことができた。元エンジニアの中国人もひるまずインタビューを積極的に行ってくれ、インタビューの量を増やすことができた。

僕は商品企画の経験があったこともあって、インタビューの質問作成、実行やアイデアのブラッシュアップで主に貢献した。より精度の高い情報を得ること、提案の質を上げること、で貢献できたと思う。

彼らと一緒に働くことで、①アウトプット志向の働き方、②こちらでの議論のスピード感、を学ぶことができた。メンバーとして貢献はできたが、この速度での進め方の中で議論をリードするのは英語だとまだ辛い。また同じメンバーで働くことがあれば、もっとリードしようと思う。これは次学期での課題。

FIELD2のプログラム自体からの学びもあった。「デザインシンキング」は元々商品企画だったこともあり、すでに実践した経験はあったが、ほぼ1週間という短期間でここまでサイクルを回したことはなく、このスピード感で行うことができると実感できたことが大きな学びとなった。また、モロッコの市場や国についても少しは知識を持つことができ、それ自体が僕の世界観を少し広げてくれた。モロッコはフランスの影響力が強い中東文化圏のアフリカ大陸の国、と様々な要素を含んだ国であり、その文化が混じり合った姿を知れたのは良かった。

最後に、コミュニケーションの課題もまた見えてきた。1対1であればそれなりにコミュニケーションを円滑に取れるが、アメリカ人のグループでの会話となると、途端に会話が難しくなってしまう。グループで共通して盛り上げる会話となると一般的な話題であったり、面白い体験を振る必要があるが、アメリカ人に「ウケる」ような引き出しが少ない。結果として、会話にうまく入れず、会話への参加が引き気味になってしまう。常に前向きで、積極的に会話に入って、盛り上げられるようになるためにはまだまだ訓練が必要だ。それが明確になったという点で、良い学びとなった。

FIELD2の改善余地

一方、このプログラムはもっと良くできるな、と感じることもいくつかあった。一つ目は、プロジェクトの期待値についてだ。8日間の滞在期間のうち、2日間はほぼ丸1日の参加必須の行事が入っており、残りの6日間についても3回ほど必須で参加しなければならないセッションがある。そのため、実質的な活動期間はほぼ5日。もちろん残された時間で質の高いアウトプットを出そうとはしたが、短い期間がさらに短くなっているために、できることは限られる。この構成では、HBSがアウトプットを期待していないのではないかと思ってしまう。また、HBSからクライアントに対して、あくまでも学生の学びが主である、というコミュニケーションがされていることも学生の高いアウトプットを出そうというやる気をやや下げている。これらの理由から、どのチームも集中はしていたが、朝9時から夕方6時くらいまで働いて切り上げているチームが多かった。おそらくクライアントに学生がこき使われないような配慮がされているのだと思うが、インテンシブな時間を過ごすからこそ得られる学びや友人関係もあるため、クライアントに対して最高のアウトプットを出そう、というモチベーションをもう少し与えるような構成にしても良いと感じた。

二つ目はHBSがコンサルタントにする待遇のような、あまりに至れり尽くせりの状況を用意していることだ。期間中、学生にはドライバーと通訳がつき、調査をサポートしてくれる。食事もホテルにてほぼ朝、晩と提供される。参加が要求されるイベントも事前にかなりの調整がされており、ホテルから場所への往復バスが手配されるなど、なるべく学生が費やす労力が少ないようになっている。これは楽だが、現地へのimmersionという観点からすると、現地の生活に入り込む機会がなく、やや物足りない。しかもプロジェクトの日程自体が前述のようにかなり短いので、あまり都市を回る余裕もない。誰かが迷う、怪我をするなどのリスクを軽減する、リスクマネジメントの観点も分かるが、小さい子供ではないのだから、もう少し公共交通機関を使わせるなど現地に入り込ませた方が良いかと感じた。

FIELD2の感想

全体を通じて、FIELD 2に意味があるかどうか、といえば間違いなくある。ケース形式では他のメンバーと一緒に長期間ともに働くことがなく、知識はあるが実践できない、という状況になりがちだ。FIELDでは特にリーダーシップで学んだことを実践することによって、学びを深めることができた。例えば、フィードバックの習慣やチームでの規範を定めることは明確にチームとして動くパフォーマンスを上げることを実感できた。チームで求める期待値が異なる時に、どういう緊張が発生するか、ということも実感した。学びを実践して身につけていくための機会、という点でFIELDは良い補完となっていると思う。

気づけばあと2週間後の1月25日からは春学期が始まる。春学期ではFIELD3という起業プロジェクトがあるため、今からそれが楽しみでもある。