ゼロから始める株式投資の基本 – 4つの投資戦略

全世界の株式市場が最高値を更新する中、株式市場にどのような戦略で投資をするべきか、を考えている人も多いかと思います。

これから投資を始める、または投資を始めたばかりの人、特に50歳未満の資産形成期の方を対象に、長期の株式投資をする上での4つの戦略について、説明していきます。今回は長いため、まとめからです。

まとめ

  • 株式投資の方法は大きく分けると4種類。
  • 「インデックス投資」は日経平均やS&P500などの市場をまとめた指標に連動する銘柄に継続的に投資を行う投資法。基本的な投資方法であり、ドルコスト平均法を用いて、定期的に定額を長期投資するのが初めての人には良い。特にリタイアまで長い時間のある若い人向け。
  • 「インデックスを用いたオールウェザー投資」はインデックスに債権や商品を組み込んで、リスクを減らし、どんな経済状況でも一定のリターンが確保できるようにする投資法。景気拡大期ではインデックス投資よりもリターンが小さくなるが、景気後退期には株式のみへの投資よりもリターンが高くなる。ETFを用いることで簡単に組むことができ、景気後退の可能性を意識するならば良い方法。また、資産下落リスクが低くなるため、リタイアが近い人にも良い。
  • 「高配当の個別株投資」は株式から得られる配当のリターンを最大化させる投資法。配当が毎年増えていくため、投資へのモチベーションを高めやすいという利点がある。ただし、配当が持続可能か、成長していくか、を分析するスキルが必要。また、高配当株は成熟市場にある企業のことが多く、平均的なリターンは成長企業を含むインデックス投資に比較して劣っていることに注意。
  • 「市場を上回ることを目指す個別株投資」、は個別の銘柄を分析して選択し、市場平均を上回るリターンを目指す投資法。割安株、成長株、マクロ経済に注目、など銘柄の選び方は多数ある。インデックス投資以上の成果を出すのは高い分析スキルか幸運が要求され、実は結構難しい。

投資で資産を増やすために

投資のリターンは下記の2つ、キャピタルゲイン(capital gain)とインカムゲイン(income gain)に分解できます。

投資のリターン = キャピタルゲイン + インカムゲイン

キャピタルゲインは、資産の売買によって生じる収益です。例えば、株を100円で買って、120円で売れば20円儲かります(日本株の売買の場合、税金を考慮すると16円になります)。この差額の利益がキャピタルゲインになります。

インカムゲインは配当や利子などで得られる収益です。例えば、1株100円で、毎年1株につき5円の配当を出す株を保有していれば、毎年5円(税金を考慮すると4円)の収入が得られます。この配当がインカムゲインとなります。

これから説明する4つの手法は

  • インデックス投資 → キャピタルゲイン重視
  • オールウェザー投資 → 2つのバランス型
  • 高配当個別株投資 → インカムゲイン重視
  • 市場以上の利益を追求する個別株投資 → キャピタルゲイン重視

インデックスを積み上げる投資戦略(ドルコスト平均法)

キャピタルゲインに重点を置き、初めて投資を始める方におすすめな手法として、インデックスファンドを定期的に一定額ずつ購入していくドルコスト平均法があります。

インデックスファンドとは

インデックスとは、複数の株式や債権をまとめた指標のことで、インデックスファンドとはこの指標に連動することを目指した金融商品です。ここでは株式を例に説明します。

例えば、ニュースで良く聞く日経平均(日経225)とは、日本を代表する225社の株価の加重平均です(トヨタ、ドコモ、ソニーなどが含まれています)。

インデックスを購入する大きなメリットの一つは、個別企業を分析する必要がなく、経済成長の恩恵を受けやすいことです。

一つの企業の株価は、大きく変動することがあります。

例えば、ソフトバンクグループの2019年の株価は、ジェットコースターのように上がって、下がって、です。1月に3,600円から始まり、6,000円近くまで上がり、現在は4,400円程度で推移しています。最低価格と最高価格の差は50%以上になります。

ソフトバンクグループ2019年株価推移

一方、ソフトバンクグループが含まれている日経平均も株価の変動はしていますが、19,000円から24,000円と最低価格と最高価格の幅は20%程度です。

ソフトバンクグループのように市場に比べて変動率が高い株を「ベータ」が高い、とも表現します。特に投資を始めた時には個別株の分析のハードルが高く、かつベータが高い人気のある株を選びがちなので、まずは市場全体のインデックスから始めるといいと思います。

ドルコスト平均法の例

次に、買うインデックスとタイミングです。米国株の代表的なインデックスであるS&P500の過去30年の価格推移を見てみましょう。

2000年、2008年にショックがありましたが、長期的に見ると綺麗な右肩上がりです。10年前の2009年12月に$1,100であった価格が順調に成長し、現在では3倍近い$3,170まで増加しています。

S&Pの株価も変動しています。例えば、2008年8月には$1,300であった株価は10月には27%減の$950近くまで落ちていますし、2018年9月で$2,900あった株価は12月に$2500近くまで約15%減少しました。

いつ、どこまで株価が上がるかを予想するのは困難ですが、一定額を定期的に購入する、と決めることで、この変動する相場の中で高値づかみする可能性と、相場の上昇を逃す機会損失の可能性を減らすことができます。

言い方をかえれば、買うタイミングを分散させることで、リスクを減らしています。

この手法は、「長期的に価値が増加すると考えられる資産」に投資をしてくのに適しています。

どの資産を選ぶのか

どの資産を選ぶのか、が1点目のポイントです。1926年以降、平均して約10%のリターンを得ている、前述の米国のS&P500に連動する上場投資信託が選択肢の一つです。

S&P500に連動する上場信託についてはこちら→S&P500連動ETF (SPY/IVV/VOO)はいつ買えば良いか

逆に、日本の日経225などは過去のパフォーマンスを見る限り、あまりお勧めできません。2016年以降のパフォーマンスは良いですが、過去20年でのリターンは米国株に長期投資するよりもはるかに劣ります。

今後の成長を見込んで中国株、ベトナム株などの新興国のインデックスを買うことも選択肢としてありますが、これらの市場は米国市場ほど洗練されていない(会計情報が信頼できるか、社会が安定しているか、など)ことに注意が必要です。

不況時にも継続して定期的に追加投資をしていくことによって、投資対象の資産が長期的に高値となり、報われるような戦略です。

注意点

S&P500連動のインデックスを積み立てるのは過去においては効果的な戦略でした。今後も継続して積み立てる前提は、「今後も米国企業が競争力を持ち続けて世界経済成長の恩恵を受け続ける」です。

米国は人口、GDPともに増加しており、特にITの分野で世界でシェアを拡大している企業が多いので、現在を見る限り上の前提は成り立つ可能性が高いと思いますが、前提が成り立っているかは時折見直した方が良いかと思います。

また、もし株式のインデックスのみに投資をする場合、数年の単位では暴落が発生して、資産がマイナスになる可能性があります。

そのため、あと数年で引退で資産を出来るだけ保ちたい、と考えている人にとっては、株式一本打法はややリスクが高いです。

投資へのリスクを減らしたい人は、次の章で説明する、インデックスを利用したオールウェザーポートフォリオの方を好むかもしれません。

「インデックス投資法」を実践している人の例

ブログを書かれている方ですと、「バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ」のりんりさんがこの投資法を実施して、VOOを積み立てていますので、参考になるかもしれません。

インデックスを用いたオールウェザー投資

前の章では株式を例に説明しました。実は株式は証券口座で取引ができる資産の1つで、他にも投資が可能な資産が複数あります、それぞれの資産は、どのような時に高くなるかが異なるため、複数の資産のタイプを組み合わせることで、より資産の価格変動リスクを減らすことができます。

ここではBridgewater のRay Dario(世界的に有名なファンドマネジャーです)がコンセプトの発明に携わった、「オールウェザーポートフォリオ」についてざっくり説明します。

ざっくり説明すると、

株式→企業の1株あたりの利益が高く、市場がこの企業は成長すると期待すればするほど価格が上がる。景気拡大局面に上がり、後退局面に下がる。

債権→各国の中央銀行が定める金利が高ければ高いほど価格が高くなり、金利が低ければ低いほど価格は高くなる。借りての信用度が高ければ高いほど価格は高くなり、低ければ低くなる。

コモディティ(金・小麦などの商品)→インフレが起きれば起きるほど高くなるし、デフレになれば安くなる。

景気は循環します。景気が拡大している時には株式が有利で、景気が後退している時には中央銀行が景気対策のために金利を下げ、債権価格が上がると考えられ、債権が有利です。

インフレーション率が高くなれば(物価が上がれば)、商品の価格が上がるため、コモディティと物価連動国債が有利です。

逆にデフレの状況であれば、同じ額で買えるものが増えるため、国債が有利になります。

From Bridgewater All Weather Strategy White Paper

これらの各資産の特性から、経済がどのような状況であっても一定のリスクを確保する目的で作られたのが下記のポートフォリオになります。

All Weather Portfolio

株式 (VOO)は30%、長期国債 (TLT) が40%、中期国債 (IEI)が15%、金(GLD)が7.5%、商品 (GSG)が7.5%の構成になっています。それぞれ()内の銘柄が米国市場でのそれぞれのETFに対応しています。

不況となっても債権の値上がりで株式の下落がカバーされることから、ポートフォリオ全体の収益は安定しています。一方で、景気が回復・拡大している局面では、株式の割合が低いためにリターンはインデックス投資よりも低くなります。

年間5-10%でリスクを抑えながら着実に増やしていきたい、または数年以内に引退を考えており資産をあまり減らしたくない景気後退局面に備えたい、という人に向いているポートフォリオです。

高配当株を積み立てる投資方法

インカムゲインに重点を置く手法として、株式から得られる配当を最大化する投資方法もあります。

代表的な上場投資信託の銘柄として、SPYD (S&P500のうち、高配当の株を中心に集めた上場投資信託)を見てみます。

SYPD (S&P 500 High Dividend ETF)

現在の配当利回りは3.12%です。これは、つまりSPYDを現在の$39で100株購入すると、$3,900(約43万円)を投資して、$120 (1万3000円)が年間の配当になります。

配当には税金が徴収されるため(米国株の場合、ADRなどの場合をのぞいて原則、米国で10%、日本で20%の計30%課税)、実際の手取りは70%の$84 (約9000円) となります。

個別の銘柄で、アルトリア(アメリカの大手タバコ会社です)をみてみましょう。

こちらは株価$50で、配当利回りが6.7%です。つまり、100株投資($5,000 – 55万円)を投資をすると、$335 (3万7000円)、税引き後は$240 (2万5000円)が配当としてもらえることになります。

高配当株を中心に投資をするメリット

インカムゲインを重視する一つのメリットは、成果が見えやすいことです。下記は、「三菱サラリーマン」さんのブログより引用している、三菱サラリーマンの配当金の推移になります。

三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみたより

2016年から2019年にかけて、毎年、毎月の配当金が増えているのがわかります。このように目に見える形で収入が毎月入ってきますので、投資をするモチベーションが続きやすく、それが節約志向に繋がるなど、資産形成にプラスの影響をもたらすと考えられます。

また、銘柄の選択によっては、高配当を維持できる銘柄の場合、配当利回りが株価の下支えになってくれ、景気後退時にも株価下落が限定的になる可能性があります。また、株価が下落したとしても、配当が継続的に入ってきて、長期的には株価は戻ると考えるのであれば、気持ちの面でもだいぶ楽でしょう。

高配当株中心に投資をするデメリット

配当に利益の大部分を回している高配当の企業は、「本業に投資をするよりも、株主にお金を返した方が良い」と考えている企業のため、成熟産業の低成長の株が多くなります(金融、エネルギーの大企業など)

実際に、S&P500全体に投資をするVOO (VanguardのS&P 500に連動するETF)とVYM (VanguardのS&P 500の高配当株に主に投資をするETF)を比較すると、VOOの方が1年の利回りを除き、パフォーマンスが良くなっています。

askfinny.comより

また、個別株の投資をするには分析の能力が必要ですが、高配当を目的とする場合には、その企業の配当が持続可能か、今後も伸びていくかどうか、の見極めが特に肝要です。

例えば、エネルギー大手のエクソンモービルなども5%を超える配当率で配当だけでいえば魅力的なのですが、石油価格の低迷とESG投資の流れで、業績と株価が低迷しています。

減配(配当金が減ること)になると当然利回りが減るため、今後も同じ水準の配当を支払い続けることができるか、の見極めが必要になります。この分析にはビジネスモデル、財務、キャッシュフローを分析できるスキルが要求されるため、ややハードルが高いです。

特に、業績がかなり悪化している企業(日産自動車など)は株価が下落し、見かけの配当利回りは高く見えます。配当目当てで株を買ったは良いものの、配当は減らされ、さらに株価も落ちるというダブルパンチ、を食らう可能性もありますので、見かけの配当が高すぎる企業の株には特に注意が必要です。

この投資法を実践している人の例

ブログを書かれている方ですと、上述の三菱サラリーマンさんに加え、「バフェット太郎の秘密のポートフォリオ」のバフェット太郎さん、「ゆーたん@東大卒のセミリタイア物語♪」のゆーたんさんなどこの投資法を実施していますので、参考になるかもしれません。

市場以上の利益を追求する投資法

個別株を分析し、市場平均以上のリターンを狙う投資法です。

こちらは割安株に投資する方法や成長株に投資する方法、マクロ経済に注目する方法など無数に方法があります。

産業・個別企業を分析し、キャピタルゲイン・インカムゲインを市場平均以上に得られそうな企業を見つけ、個別の企業に投資する点は共通しています。

不況時の対策としては、ヘルスケアや食品など、よりディフェンシブ(不況耐性がある)銘柄を選ぶことにより、下落リスクを少なくすることができます。

一例として、僕が行なった分析は以下のようになります。

インフラファンド(太陽光発電)は債権として優秀な投資先

ソフトバンクグループの株価はどうしてこんなに安いのか?

【株式分析】J&J (JNJ-ジョンソン・エンド・ジョンソン)配当貴族の有名銘柄

個別銘柄に投資をするのは楽しいのですが、市場参加者の半数以上はインデックスに負けているのも事実です。チンギスハンさんのブログによれば、15年間でインデックスに勝てたファンドマネジャー(投資を仕事としており、いわば投資のプロ)はわずか10人に1人だったそうです。

そのため、

  • 個別株を分析して投資することが楽しいと思う
  • 市場平均を上回れる銘柄を選ぶことができる、または選べるまで学べるという自信がある
  • 短期・中期のトレードで儲けたい
  • 株主優待が欲しい
  • 特に好き、もしくは応援したい企業がある

などの理由がなければ、インデックス投資またはオールウェザー投資から始めるのが時間との費用対効果を考えると良いかもしれません。

この投資法を実践している人の例

ほとんどの投資家が個別株を購入して市場以上のリターンをあげようとしており、このカテゴリに入ります(意識してかどうかはわかりませんが、個別株をメインで投資する場合は、市場に勝とうとするこのカテゴリです)

米国株でしたら、もみあげさんの「もみあげの米国株投資」、「チンギスハンのブログ」、のチンギスハンさんが個別株分析を多く行なっているので参考になるかもしれません。米国株全般でしたらたばぞうさんのブログもおすすめです。

まとめ(再掲)

  • 株式投資の方法は大きく分けると4種類。
  • 「インデックス投資」は日経平均やS&P500などの市場をまとめた指標に連動する銘柄に継続的に投資を行う投資法。基本的な投資方法であり、ドルコスト平均法を用いて、定期的に定額を長期投資するのが初めての人には良い。特にリタイアまで長い時間のある若い人向け。
  • 「インデックスを用いたオールウェザー投資」はインデックスに債権や商品を組み込んで、リスクを減らし、どんな経済状況でも一定のリターンが確保できるようにする投資法。景気拡大期ではインデックス投資よりもリターンが小さくなるが、景気後退期には株式のみへの投資よりもリターンが高くなる。ETFを用いることで簡単に組むことができ、景気後退の可能性を意識するならば良い方法。また、資産下落リスクが低くなるため、リタイアが近い人にも良い。
  • 「高配当の個別株投資」は株式から得られる配当のリターンを最大化させる投資法。配当が毎年増えていくため、投資へのモチベーションを高めやすいという利点がある。ただし、配当が持続可能か、成長していくか、を分析するスキルが必要。また、高配当株は成熟市場にある企業のことが多く、平均的なリターンは成長企業を含むインデックス投資に比較して劣っていることに注意。
  • 「市場を上回ることを目指す個別株投資」、は個別の銘柄を分析して選択し、市場平均を上回るリターンを目指す投資法。割安株、成長株、マクロ経済に注目、など銘柄の選び方は多数ある。インデックス投資以上の成果を出すのは高い分析スキルか幸運が要求され、実は結構難しい。

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毎年10万円損していませんか?- ビジネスマンが今日からできる節税・税金対策

ボーナスの季節ですね。給与明細をみて、税金けっこう取られているな、と思いませんか?

その税金、少しの工夫で10万円近く減らせるかもしれません。しかも、国が推奨している方法で。

今回は具体的な例をもとに、いくら節税できるかを説明していきたいと思います。

具体例:ビジネスマン 野原さん(仮名)の場合

野原ひろしさん(仮名)35歳は最近、長女が生まれたばかりの家族4人のビジネスマン。子供は5歳と0歳の子供と2人で、妻と2人の子供と埼玉県春日部市に住んでいます。

近くの認可保育園に共働きでないと入れないと言われたため、パートナーは二人の子供の育児をするために専業主婦です。

野原家の収入は下記のようになります。

給与収入480万円
配当収入20万円
児童手当30万円
合計530万円

児童手当は3歳未満までは月額15,000円、3歳から中学校卒業までは月額10,000円なので、合計で年間30万円となります。児童手当は非課税なので、そのまま受け取れます。

児童手当 (長男)120,000円
児童手当 (長女)180,000円
児童手当合計300,000円

野原さんは、投資をしており、上場株式からの配当で収入を得ています。上場株式は特定口座で取引をしており、税金は源泉徴収され、20.315%を税金として払っています。配当が20万円だったため、40,630円が引かれていました。

給与所得については、下記のような所得への控除が行われ、課税される所得が求められます。

給与所得4,800,000
給与所得控除1,500,000
基礎控除380,000
社会保険料控除702,280
配偶者控除380,000
課税所得1,837,720

課税所得は195万円まで5%のため、所得税は復興所得税込みで93,816円 (184万円 x 5%)になります。住民税も同様に求めます。配当所得への課税と合わせて、この家庭が支払う税金は下記のようになります。

社会保険料(健康保険、年金、雇用保険)702,780円
所得税93,816円
住民税193,600円
配当所得への課税40,630円
合計1,030,326円

※社会保険料は社会保険料の計算シミュレーターより。住民税は住民税の自動計算サイトより。

合計で、103万円! つまり、給与と配当で稼いだ額の約20%は税金として徴収されていることになります。つまり、手取りは児童手当を除けば約400万円になります。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を用いた節税

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは、個人の老後に向けた資産形成を助けるための制度です。

毎月にいくら積み立てるかを決め、積み立てたお金をどう運用するかを選び、投資していきます。積み立てたお金は60歳以降に、退職金または年金として受け取ることができます。

iDeCoは企業型の拠出年金に加盟していない場合、月々2.3万円(年間27.6万円)まで積み立てることができます。

iDeCoの大きなメリットの一つは、積み立てたお金は税金の対象となる所得から減らすことができ、支払う税金を減らせることです。

野原さんの会社は企業の確定拠出年金がないため、野原さんは毎月2.3万円(年27万円)の全額まで拠出できます。

iDeCoで拠出する金額(年)276,000円
所得税節税分13,800円
住民税節税分27,600円
合計節税分41,400円

iDeCoでお金を積み立てることで、支払う税金を毎年41,400円も減らすことができます。これがiDeCoを用いるメリットの1つ目です。

しかもiDeCoで運用している投資は非課税なので、配当にかかる20.315%の税金もかかりません。再投資していくことで、手取りから同じ額を運用するよりも効率よく資産を増やしていくこともできます。これがiDeCoを用いるメリットの2つ目です。

NISA (少額投資非課税制度)を用いた節税

NISA (少額投資非課税制度)はiDeCoと同じく、個人の資産形成を促すための制度です。

NISAは年120万円までの「NISA」と年40万円までで長年積み立てる「つみたてNISA」の2つを選べますが、野原さんのパートナーが、「二人の子供のために、今のうちからできるだけ節税したい」とのことですので、通常のNISAを使います。

NISAでは新しくNISA用の口座を設立して、投資することになります。今回は、野原さんは年初に120万円分のJT(日本たばこ)の株を購入して、配当利回りが6% (72,000円)だったと仮定します。

投資額1,200,000円
JT株(NISA口座)の配当金72,000円
本来であれば課税された金額14,600円
NISA口座への課税0円
節税できた分14,600円

すると、配当金100万円のうち、72,000円分はNISAのおかげで非課税となるので、本来ならばそれにかかる14,600円がかからず、節税となります。

NISAは毎年120万円分、最大で600万円分まで追加できます。

5年間NISAに配当6%の株(例えばJTやインフラファンドなど)を購入し続ければ、5年後には年間73,000円の節税となります(14,600円 x 5年)

インフラファンドについてはこちら → インフラファンド(太陽光発電)は債権として優秀な投資先

ふるさと納税を用いた節税

ふるさと納税とは、寄付という形で、所得税・住民税の一部の納税先を変えることができる仕組みです。

自治体によっては返礼品という形で寄付された額に応じて「お返し」をしてくれるところがあり、自治体によっては寄付された額の半分以上の価値ある商品を返してくれます。

ふるさと納税をする場合には、2,000円は自己負担しなければなりませんが、手数料みたいなものです。

ふるさと納税として所得税・住民税から直接引ける額に上限はありますが、野原さんの例の場合ですと、67,500円までは自己負担2,000円のみですみます。

ふるさと納税額67,500円
返礼品のお返し割合(例)50%
返礼品の価値33,750円
自己負担2,000円
返礼品での実質節税31,750円

※納税額はふるさとチョイス「ふるさと納税シミュレーション」より

ふるさと納税を用いた節税は現金では返ってきませんが、それだけの価値があるモノ・サービスを手に入れることができます。

野原さんの例では返礼品の選び方にもよりますが、33,750円分の価値ある商品(例えば佐賀牛、新潟コシヒカリ、牛タン、など)を2,000円の出費で手に入れることができるので、大きな節税効果があります。

こちらでの節税分は、31,750円になります。

商品は、ふるさとチョイスなどのサイトを見るとカタログ式で選べます。

iDeCo、NISA、ふるさと納税の節税効果

さて、それではいくら節税ができたでしょうか。

iDeCo41,400
NISA14,600
ふるさと納税31,750
合計87,750円

野原さんの税金を年8万7750円減らすことができました。

項目金額所得への割合
所得500万円
節税前の税金103万円20.6%
節税9万円1.8%
節税後の税金94万円18.8%

税率でいうと、所得に対する税金の割合を20.6%から18.8%まで落とすことができました(児童手当の分の30万円は非課税なのでそのまま手取りになります)。

税金を抑える稼ぎ方のコツ

節税という観点では、稼ぎ方を変えることでさらに税金を減らすことができます。

所得税・住民税は累進課税ですので、もし野原さんが100万円追加でもらえたとすると、給与でもらったのか、それとも配当での所得なのかで税金が異なります。

具体的には、100万円を追加でもらえると、野原さんは課税対象となる所得(様々な控除を除いた後の所得)が所得税5%の上限となる195万円を超えます。

195万円分を超えた部分については、下記のように配当所得と同等の税金がかかります(復興所得税は簡略化のため省略)

所得の種類税率税額手取り
給与所得20%20万円80万円
配当所得20%20万円80万円

さらに稼ぎ、課税所得が330万円を超えてくると所得税と住民税で30%かかってくるので、配当所得で稼いだ方が、同じ10万円でも10%、つまり1万円の違いが出てきます。

10万円稼いで、1万円の違いは大きいですよね。配当所得に対する税率は一定ですので、特に高い給与を稼いでいる人は給与所得を増やすよりも、配当や株式の譲渡所得を増やす方が、税金的にはより効率的に資産を増やすことができます。

例えば、給与所得800万円・配当所得200万円の人と、給与所得900万円・配当所得100万円の人ですと、前者の方が税金で10万円支払いが少ないです

給与所得が高ければ、それだけ厚生年金に支払う金額が増え、将来もらえる年金が増えるというメリットもありますが、手取りが増えた方がメリットが多い人が多いでしょう。

給与所得が一定以上の人にとっては、配当・譲渡所得を増やす方が効率が良くなります。

まとめ

  • 節税をするかしないかで、年間10万円以上の違いが出ることもあります。
  • iDeCo(イデコ-個人型確定拠出年金)は所得税・住民税を減らすのみならず、非課税で投資ができて資産をより効率的に増やすことができます。
  • NISA(少額投資非課税制度)は非課税での投資ができるので高配当株に向いており、毎年続けることでより大きな節税額になります。
  • ふるさと納税は税金の分、商品がもらえるサービスのような制度です。うまく使えば支払う住民税に応じた商品を受け取ることができます。
  • 給与所得は税金という点で見れば、年収が一定以上高くなると税金で30%以上取られ、効率が悪い稼ぎ方となります。配当や株式譲渡による所得は申告分離課税にすれば税金が20.315%で一定となるので、手取りを増やしていく方法としておすすめです。

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国民年金を支払うのは結局得なの、損なの?

将来もらえないのではないか、払うだけ損でないか、と若者世代に不信感の強い国民年金。

国民年金の支払いは義務ではありますが、結局得なのか、損なのか、は気になるところです。今回はあなたが40歳だとして、これから国民年金を25年間支払い続けた時に、いったいどれくらい得になるのかを一緒に見ていきましょう。

国民年金に25年間でいくら払うのか

もしあなたが40歳で、会社員でも公務員でもないとします。すると、あなたは国民年金に加入する義務があり、自ら支払いを行う必要があります。支払わないでいると、最悪国が強制徴収しにきます。

では、国民年金の保険料はいくら支払わなければならないのでしょうか。

国民年金保険料の支払い

開始年次 (年)2020
開始年次の保険料 (月)¥16,410
保険料(年)¥196,920
名目賃金変動率0%
支払い年数 (年)25
支払い保険料 (円)¥4,923,000

参考:日本年金機構 「国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか

2019年の国民年金の保険料は月間16,410円、年間では196,920円です。

保険料は簡単にいえば、賃金が上がれば上がる仕組みになっています。ただ、過去15年間で名目賃金はむしろ微減していますので、ここでは名目賃金変動率を将来25年にわたって0%と仮定します。すると、

196,920円/年 x 25年 = 4,923,000円

つまり、約500万円を支払うことになります。

社会保険料控除の効果

国民年金保険料の支払いは、「社会保険料控除」、として所得から控除できます。ざっくり言うと、国民年金保険料を支払うことにより、所得税・住民税が安くなります。

所得税(国税庁「所得税の税率」より)

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

住民税は均等割と所得割があるのですが、ざっくり10%です。

どれくらい所得税・住民税が安くなるかは所得の高さと控除の額によります。国税庁の事業所得者の統計より、自営業の平均年収が約380万円ということから、

  • 所得税で10%、住民税で10% (課税される所得が195万円から330万円)
  • 国民年金保険料を満額 196,920円/年支払う

という条件で節税の効果を計算すると

196,920 円/年 x (10% + 10%) = 39,384 円/年

つまり、この前提条件ですと、国民年金を支払うことには年約4万円の節税効果があります。20万円国民年金を支払っていますが、節税効果を考えると、実質16万円しか支払っていないことになります。

別の言い方をすると、国民年金を支払わないと、将来の年金が減額される上に、年4万円近く税金を多く取られる、ということです(所得がより高ければより多くなります)。

この節税効果を考えると、実質的な支払い額は25年間で、

(196,920円- 39,384円) x 25年 = 3,938,400円

つまり、1年間の実質的な支払額は毎年16万円、25年間で400万円です。

国民年金からいくらもらえるのか

国民年金は、2019年12月現在、40年間(480ヵ月)支払うと満額の780,100円をもらえる仕組みになっています。

将来受け取れる国民年金は

  • 物価変動率
  • 名目手取り賃金変動率
  • マクロ経済スライドによるスライド調整分

という要因で増減します。ただし、日本の物価は過去20年ほぼ変わっていないことと、前述のように日本の名目手取り賃金はあまり変化していないので、単純化のために、これらの変動率と調整分が今後25年間で0%をキープすると仮定します。

消費者物価指数半世紀の推移とその課題」 より

国民年金は納めた月の分だけ増える仕組みになっているため、25年間 (300ヵ月)納めた場合は、

780,1000円 x 25年間 ÷ 40年間= 487,563 円/年 (40,630円/月)

つまり、25年間、毎月16,410円を納めると、25年後(40歳から考えると、65歳になった時)には毎月約41,000円もらえる計算になります。

ここで、2019年時点での日本人の平均寿命が男性で81歳、女性で87歳ですから、87歳ちょうどまで生きると仮定します。つまり、年金を受け取れる期間は22年間です。

国民年金満額(40年)¥780,100
物価変動率0%
名目賃金変動率0%
マクロ経済スライド調整分0%
支払い年数による年金増額¥487,563
年金受取期間22
年金受取額¥10,726,375

すると、22年間で受け取れる金額は10,726,375円、つまり約1070万円になります(税金は公的控除内で支払わないと仮定)。

実質400万円を支払って、1,070万円もらえるならば、良い投資だと思いますか?

国民年金と同じだけもらうための利回り

国民年金保険料と同じ額を運用するといくらになるのか

25年間、毎年16万円で計400万円を投資するとき、利回りによって25年後にいくらになっているかは大きく異なります。

利回り2045年の資産額
1%4,449,321
3%5,743,647
4.4%6,925,690
5%7,518,736
7%9,964,000

利回り1%で運用すれば、投資した400万円は2045年に450万円になっています。一方、利回り7%で運用すれば、2045年には1,000万円近くまで増えています。

わずか数パーセントの差ですが、期間が長ければ長いほど、その差は大きくなります。

利回り4.4%ですと、2045年に700万円になっています

国民年金と同じだけもらうためにはいくら必要か

ここで、国民年金の話に戻ります。先ほど、国民年金を25年間支払うと、上に書いた前提のもとで、毎月4万1000円もらえ、22年間生きると仮定すると、もらえる年金額は1070万円になると説明しました。

これは、2045年時点で1070万円の価値がある、というわけではありません。なぜなら、2045年から2067年まで資産の運用ができ、その利回りを得ることができるからです。ざっくりいうと、運用する能力があればあるほど、国民年金と同額を受け取ることができるだけの資産の必要額は少なくなります。

利回り2045年に必要な資産額
1%9,720,000
3%7,950,000
4.4%6,990,000
5%6,630,000
7%5,620,000

ろうきんシミュレーションより

例えば、利回り1%で回せる場合は、2045年時点で必要な金額は972万円になりますが、利回り7%で回せる人は、必要な金額は562万円でよくなります。

利回り4.4%の場合、2045年に必要な金額は700万円になります。

つまり、マクロ経済スライドがずっと発動せず、87歳まで生きるという今回の前提のもとでは、国民年金と同じだけ受け取るために必要な利回りは4.4% になります。

その他の論点

障害年金、遺族年金

国民年金加入中に障害をおった場合には本人が障害年金を、死亡した場合は死亡した人に生計を維持されていた人が遺族年金を受け取ることができます。

特に遺族年金は子供が18歳になるまで年78万円に子供の数を加算した年金額が加わるためにかなり大きく、生命保険としての機能も果たします。

障害年金・遺族年金だけでも保険としてかなりの価値があるので(例、40歳で1,000万円の掛け捨ての生命保険に入ると月に約2,000円かかります)、障害年金・遺族年金の価値を割り引くと、利回りはさらに高くなります。

公的年金控除

公的年金は受け取る時に公的控除が使え、所得税・住民税を減らすことができ、これは利回りを高くしています。ほかの収入源、例えば配当所得でしたら約20%の税金がかかります(収入源次第では税金を0にできますし、今回のシミュレーションでは複雑になるので考慮していません)

マクロ経済スライド

マクロ経済スライドだけで1記事以上かけてしまうので今回の前提では省略しましたが、実際にはマクロ経済スライドが今後47年間のうち、ある程度の期間発動すると考えられます。発動した場合、受け取る実質的な年金が減少するため、利回りは低下します。

年金支給年齢の引き上げ

現在は年金支給は65歳からですが、今後25年のうち、年金支給年齢が引き上げになる可能性が高いです。平均的な寿命がどのくらい伸びるかにもよりますが、年金支給年齢の方が後ろ倒しになると、一般的に利回りは低下します。

国民基礎年金への国庫負担削減の可能性

現在の歳入と歳出のバランスは大きく崩れており、国は毎年社会保障を維持するために国債を発行している状態です。国民基礎年金の半分は国庫から負担されており、もし仮に「国がこれ以上借金できない」、となった場合は、国家負担の分が削減され、年金が減る可能性が有ります。そうなると、利回りは低下します。

長生きと早死に

国民年金は終身のため、長生きすればするほどもらえる額が増えて利回りはよくなりますし、早死にすればするほど損になります。つまり、健康に投資をすることが、国民年金の利回りを向上させます。

また、男性と女性は平均寿命に6歳の差がありますので、平均を見れば、女性の方が得になりやすいです。

まとめ

  • 今回のマクロ経済スライドが発動しない前提のもとでは、国民年金と同じだけ受け取るために必要な利回りは4.4%
  • 現状、4.4%の利回りを得られる金融商品はそう多くありません。日本国債の利率は0.5%以下ですし、日本株もバブルの時の株価をいまだに超えられていません。
  • これらの条件を考えると、47年 (25年 + 22年)にわたり利回り4.4%を出し続けることは、普通の日本国民には難しく、購入した方が良い商品だと思います(そもそも国民の義務なので、選択の自由はありませんが。。)
  • 国民年金は障害年金・遺族年金の保険機能は優秀で、月2,000円以上の価値があります
  • ただし、マクロ経済スライドの発動、年金支給年齢の引き上げ、国民基礎年金への国家負担削減の可能性が高いため、実際の利回りはさらに低下する可能性が高いと考えられます。
  • 長生きすると利回りがよくなります。利回りをよくしたいのであれば、健康で長生きするよう、健康に投資をしましょう。

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パチンコ、FX、宝くじに100万円使うと、どれくらい儲かるの?

お金を増やせるかもしれない、という期待から人気のパチンコ、FX、宝くじ。

実際に100万円使うと、どれくらい儲かるのでしょうか? 確率を使って考えてみます。

どれくらい儲かるのか、の考え方

どれくらい儲かるのか、について有効な考え方に、「期待値」という考え方があります。ざっくり説明すると、「儲かる金額」に「どれくらいそれが起こりそうか」の確率をかけた値です。

例えば、コインを投げて、表ならば1万円もらえる遊びがあれば、表が出る確率は(イカサマしていなければ)、50%になります。よって、期待値は

1万円 x 50% = 5,000円

になります。期待値は、このときにもらえる金額が大きければ大きいほど、もらえる確率が高ければ高いほど大きくなります。

例えば、コインを投げて表ならば2万円もらえる遊びであれば、期待値は

2万円 x 50% = 1万円

で1万円と、もらえる金額と合わせて期待値も2倍になります。

パチンコ・パチスロ

2018年時点で、国内で900万人が楽しんでいるというパチンコ・パチスロ。

パチンコ・パチスロでは、お金を玉やメダルに変換し、それらを使ってパチンコ・パチスロ台で遊び、玉やメダルを増やし、それを換金します。

業界第二位のダイナムホールディングスジャパンの決算報告書より、パチンコ・パチスロ業界の粗利は20%と推定されます。

詳しくはこちらをどうぞ → 900万人がハマるパチンコ・パチスロ業界の分析

お店側が20%儲かっているというのは、その分、あなたのお財布からお金がお店に入っていることです。

言い換えると、100万円を使うと、あなたに80万円が返ってきて、お店が20万円取る、ということです。

パチンコ・パチスロで1万円を使う時間を1時間と仮定すると、100万円 = 100時間、です。

つまり、パチンコ・パチスロは、パチンコ・パチスロが確率的に運営されているのであれば、100時間遊んで、20万円損をする、ことになります。

1時間あたり2,000円払って、当たるかもしれない、というドキドキ感を楽しむ遊びといってもいいかもしれません。カラオケやボーリングより高いですね。

宝くじ

宝くじ2017年度売上(宝くじ公式サイトより)

一獲千金を願う人に人気の宝くじ。宝くじは地方自治体によって運営されています。

宝くじ公式サイトによれば、過去1年間で宝くじを購入した人は5,200万人と、約2人に1人は購入している計算になります。

これらのことは知っていても、売上のわずか46.9%しか当選者に支払われていないことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。

これは、100万円分宝くじを購入した時の期待値は、46万9000円しかないことになります。つまり、当たるかも、とワクワクする権利に53万1000円支払っていることになります。

期待値が低いのは悪い点ですが、宝くじは3つの良い点があります

  • 支払った金額の40%は地方自治体に行き、社会保障費などに充てられ。あなたが損した分の半分以上は、地方自治体への寄付となり、誰かの社会保障のためになっている
  • 購入に時間がかからず、時間的な拘束が少ない
  • 当たった時の額が1億円を超えており、他の手段と比べても桁違いに大きい

そのため、一発逆転狙いとしては有効な手段です。

FX (外国為替証拠金取引)

FX(外国為替証拠金取引)では、外貨の取引を行うことで、為替の変動から利益を得ることができます。

具体的な例をあげましょう。例えば、2019年12月1日の1ドルは109.8円です。

ここで、100万円を投資するとします。SBI証券を使うこととして、円を使ってドルを購入するのに、0.2円かかるとします(スプレッド、と呼ばれるFX業者の取り分になります。通貨の組み合わせ、業者によってこの取り分は異なります)。

すると、1ドルを購入するのにかかるお金は 109.8円 + 0.2円 = 110円、です。

100万円を両替すると、約90,900ドルになります。

ここで、もし1ヶ月後に円が安くなり、1ドル120円になったとします。

すると、あなたが持っている90,900ドルは、90,900ドル x 120円/ドル= 約109万円、になります。つまり、円が安くなったことで、元手の100万円が109万円に9万円増える、ことになります。

一方、逆のことも起こり得ます。もし1ヶ月後に円が高くなり、1ドル100円になったとします。

すると、あなたが持っている90,900ドルは、90,900ドル x 100円/ドル = 約91万円、になります。つまり、円が高くなったことで、元手の100万円が91万円に、9万円減る、ということになります。

つまり、為替がどちらの方向に動くかによって、得をするか、損をするかが決まります。

また、自己資金以上の資金を使ってトレードすることができる(レバレッジ、といいます)。

例えば、100万円を使い、400万円を借り入れて、500万円分の取引をすることができます。

この場合、予想が当たれば得られる金額は5倍ですが、損失が出た場合の金額も5倍になります。

ただ、プロですら為替は読めないので、レバレッジをかけるのは基本的にお勧めできません。FXを始める前に、ゆーたんさんのブログを読むことをお勧めします→FXは基本的にやめたほうがいいと考える理由〜失敗談つきです〜

FXの世界で儲けようとするならば、相当の勉強と調査が必要になるため、時間効率はよくないかもしれません。

異なった使い方として、FXを外貨預金的に使う方法もあります。

FXではスワップレートと呼ばれる金利があり、金利の高い通貨を持つ場合、金利による収入も見込めます。例えば、ドルと円ですと、ドルの政策金利が1.5-1.75%で日本はゼロ金利ですので、その差の1.5%+が金利差で受け取れる利子になります。

FXではドル円の場合ですと、手数料は円→ドル、ドル→円、で約0.5%程度で、メガバンク等の通常の銀行で外貨預金をする際よりはレートが良いことが多いです。

FXをまとめますと

  • 100万円投資をした時の期待値は、為替がランダムに動くとすると、100万円(スワップレート、為替手数料を除く)です
  • レバレッジをかけることができ、自己資金以上の資金を扱うことができます。レバレッジをかけると、得られる金額も損する金額も大きくなります
  • スワップレートで金利差の分の利子をもらえる(または支払う)ので、金利差に着目した外貨預金的な使い方があり、その場合の期待値は100万円より高くなります

まとめ

これまでのことをざっくりまとめると下記のようになります。

期待値 (万円)時間効率当たった時の額
パチンコ・パチスロ80
宝くじ47
FX(スワップ・手数料除く)100低-中

パチンコ・パチスロは娯楽としてはともかく、時間効率・期待値共に低いです。宝くじは夢がありますが、期待値が低いです。FXはスワップを除けば期待値としては出資額と変わらないために中立的です。

実は、これらの選択肢よりも、長期的に見た時にお金が増えていく「投資」があります。それは株式・債権への投資でして、例えばアメリカのS&P500は1926年の創設以来、年平均10%で増えていますし、米国債も約2%の利率があります。

お金を増やしていく方法の記事についてはこちらにまとめています→ 資産形成・資産運用

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幸せになるためにするべき、たった1つのこと – ハーバードの研究

もっとお金があれば、将来について不安にもならず、幸せに暮らせるのにな。

そんなふうに思ったことはありませんか?実は、たった一つのことが、幸福感に大きな影響を与えることが、研究から分かっています。

今回は、幸せに生きるために、何をすれば良いかの話です。

ハーバードの幸せ研究

ハーバードの成人に関する研究は、世界で最も長く続けられている研究の一つです。

「人の幸せと健康に何が影響を与えるのか」、を調べるために始まったこの研究は、1938年から75年にわたり、4人の研究者に引き継がれながら、724人の男性の人生を追いました。

研究の対象と方法は以下になります。

  • 研究対象となったのは、2つの10代のグループの男性。一方のグループはハーバード大学に通う2年生、もう一方のグループはボストンで暮らす貧困家庭の子供。
  • 研究方法としては、2年間ごとに質問票を送り回答してもらうことに加え、本人と家族へのインタビューが行われました。また、健康情報については、研究対象の医療記録を主治医からもらうことに加え、脳のMRIスキャンや血液検査も行われました。

幸せ研究の結果

研究対象となった人たちの人生は様々でした。社会的に成功した人もいれば、そうでない人もいました。健康でいた人もいれば、アルコール中毒や精神病を発症した人もいました。結婚した人もいれば、結婚していない人もいました。

彼らの人生における幸福度と健康の変化を調べた時、結果は非常に興味深いものでした。

一体何が、彼らの幸福度と健康に影響を与えたのでしょうか。

たくさん働いたことでしょうか?

違います。

どれくらいお金を持っているかでしょうか?

違います。

どれくらい高い社会的地位を得ることができたかでしょうか?

違います。

結論は、たった一つです:「良い人間関係が、あなたを幸福で健康にする」

研究からは3つのことが分かりました。

孤独は人を殺す

孤独だと感じている人ほど、外に出る頻度が少なく、さらに不健康となり、脳の働きも低下していました。また、自分が望むより孤独だと感じている人は、より幸福度が低いという結果が出ました。

孤独感を感じている人は、そうでない人よりも早死にしていました。

人間関係の質が大事

研究結果は、友人が多ければ多いほど幸福感が増すわけではなく、また、結婚をしていれば自動的に幸福感が増すわけではないという結果でした。

幸福感に影響を与えていたのは、量ではなく、人間関係の質でした。

喧嘩ばかりの結婚生活は、健康に多大な悪影響を与えていました(おそらく離婚した方がより良い結果が出ていたと考えられています)。一方、愛に満ちた家庭を築いている人はより幸せでした。

50歳の時点で、最も人間関係に満足していた人は、歳をとった時に、最も健康な人でした。

体は不健康でも人間関係に満足している人は安定して幸せを感じていたのに対し、人間関係に満足していない人はより体の痛みを感じていました。感情が、痛みの感覚に影響を与えていたのです。

良い人間関係は、脳に良い影響を与える

安定した人間関係は、脳の活動をより活発化させ、記憶力の向上に繋がっていました。

どうして私たちは富や名声に引っ張られるのか

人間関係は、測れるものではなく、見えるものでもありません。一方、人は数字で表せたり、見えるものに、どうしても関心が向きがちです。

また、人間関係への投資は一生続くものなのに対し、金銭や仕事での投資はもっと短い期間で成果が得やすいです。

これらの「見えるもの・測れるものに注意が向きやすい」、「より短期間で成果が得やすい」、というのが、多くの人が仕事により多くの時間を使い、良い人間関係に割く時間を減らしてしまう理由かと思います。

けれど、今回の幸せ研究の結果は大事なことを教えてくれます。富も、名声も、あなたを幸せにも健康にもしてくれません。

あなたを幸せにしてくれるのは、質の高い人間関係です。

まとめ

  • 富や名声は、あなたを幸せにはしてくれない
  • 質の高い人間関係が、あなたを健康に、そして幸せにしてくれる
  • だから、親、友人、そしてコミュニティとの関係に時間の投資をしよう

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TEDでも見ることができます。日本語の字幕にもできます。

日本が財政破綻したらどうなるの?

思考実験をしてみます。2030年、社会保障費の膨張により膨れ上がった国の借金は、ついに国債の主な買い手である銀行・生命保険会社ですら価値が急減するリスクを意識するようになった。

米国格付け機関のS&Pは、国債残高が国民の金融資産の合計よりも大きくなったことを理由に、日本国債をBB(「投機的」)に格下げした。これに準じて、他の外国大手格付け機関のムーディーズも日本国債を投機的水準に格下げ。

日本政府は格付け機関の評価は誤っていると声明を出すも、銀行・生命保険会社は投機的な水準の国債を購入することは株主利益に反するとし(もともと国営であった日本郵政を含む)、国債の引き受けを断ることになり、ついに日本政府が発行する国債を売り切れず、日銀が直接国債を引き受けることになった。

日本政府は緊急事態だと宣言し、閣僚を集め、対応を協議することに。

あなたは日本に暮らす、一人の国民です。

あなたの生活は、どう変わるでしょうか?

財政破綻のプロセス

預金封鎖

あなたは円の価値が急落するのではないか、銀行が倒産するのではないか、とパニックになり、銀行から預金を下ろそうとします。

しかし、銀行は預金者の預金を企業や個人に貸し出しており、全ての預金者へ預金を返せるだけのお金が手元にありません。

あなたと同じような人が銀行に殺到しますが、銀行は預金封鎖を行うことになり、1人につき1日1万円まで、などの制限がかかります。

国債、株が暴落し、資本移動規制が入る

日銀引き受けが決まった時点で、市場では国債価格が暴落することを予想し、銀行・生命保険会社が我先に日本国債を売ろうとして、日本国債の価格がどんどん落ちてきます。

海外の投資家から見れば、日本国債は急激に落下するジェットコースターのような商品ですし、中央銀行が国債を直接引き受けることにより、貨幣の供給増加によるインフレへの懸念から、日本円建の資産は目減りするリスクが高くなります。

海外の投資家も日本円建ての資産を出来るだけ減らそうとして、株式を売り浴びせ、かつ円を売ってドルにかえようとします。また、空売りの好機だとみたファンドと、自動取引により一方的な流れで円の価値が落ちていきます。

日本政府は円の価値を防衛するため、外貨準備のドルを売却しますが、市場の勢いに負け、1ドルが200円の壁、300円の壁を越えていきます。

これ以上円が安くなると物価が上昇し、国民生活が破綻してしまうと判断した政府は資本移動規制を導入します。

これにより、貿易を除いた資本移動については、中央銀行の許可がなければできないようになります。個人も一定額を越える海外送金が制限されます。

また、富裕層が資産を移す流れに対抗するように、国会は緊急法案として、海外に資産を移して移住しようとする人に、一定額以上の資産を持ち出した場合には課税をする出国税の税率引き上げを行います(実際には状況を重くみた富裕層はほとんど資産を移し終えた後ですが)。

海外に資産を移そうか迷っていたあなたが決める前に、あなたの日本株式資産は目減りし、しかも海外へ資産を移すことが難しくなります。

ニュースでは、「仮想通貨の価値が急上昇している」、と報じています。どうやら円の価値に不安を感じた日本人が、預金封鎖をかいくぐる方法として仮想通貨を購入しているようです。

銀行・生命保険会社の破綻と政府による救済

財務省 国債等の保有者別内訳より

日本国債の価格が大きく下がったことで、大きくバランスシート(資産状況)が悪化した銀行、生命保険会社は債務超過状態となり、政府へ公的資金注入の支援を求めます。

もし銀行・生命保険会社が破綻すれば、リーマンショックのように連鎖破綻が起き、金融システムが停止してしまうと考える政府は、公的資金投入を決定します。

政府は国債を日銀に引き受けてもらうことで公的資金を調達しますが、円の価値をこれ以上落とさないよう、政府はIMF(国際通貨基金)とECB(欧州中央銀行)にも救済を依頼します。

しかし、IMFもECBも、1000兆円を軽く超える日本の負債規模は大きすぎて助けることはできず、かといって日本の財政破綻を放置すると自国まで連鎖的に金融不安が押し寄せて恐慌になる、というジレンマに直面します。

結果的に、国債の大部分は日銀が政府から直接引き受け、IMFとECBは一部を救済するという形に落ち着きます。実質破綻状態にあった銀行・生命保険会社は統合され、国有化されます。

ただし、IMFとECBは継続的な融資をする条件として、大掛かりなリストラと債務返済計画を立てることを要求します。

あなたは、自分が預けている銀行が救済されると知り、少しホッとします。

社会保障費の削減

国税庁ホームページより

IMFとECBはまず膨れ上がった歳出のカットを要求します。まず削る先として大鉈が振るわれるのは、歳出の膨張を引き起こしている社会保障関係費です。

国税庁ホームページより

100兆円規模の歳出をカットするため、IMFとECBはこれまで高齢者の反対が多く、聖域とされていた社会保障費の削減を提案します

  • 後期高齢者であっても、一定以上の資産または収入がある高齢者は医療費が3割負担となる(2019年時点では後期高齢者は全員1割)
  • 介護保険料を引き上げ、介護における自己負担も3割に引き上げる
  • 年金の支給開始年齢を70歳からに後ろ倒しする
  • 国からの年金への拠出分を減らし、年金を20%カットする

また、公務員の人数、給料も大幅にカットすることがIMFから提案され、政府は公務員の早期退職と、全員の給料を20%カットすることを受諾します。

早期退職や給料のカットに不満な公務員は街へ出てストライキを行いますが、国民の多くも同様に生活や失業に苦しんでいるため、公務員のストライキは特権を維持しようとしている、と見られて共感を得られません。

あなたは駅前でプラカードを持ち、「IMFの横暴を止めろ」と叫んでいる人たちをみて、何かとんでもないことが起きているのだと感じます。

公共サービスの削減

次に、国や地方は今まで行なっていた公共サービスの削減、有料化を順次行なっていきます。

例えば、ゴミ捨てにゴミの量に応じて支払いを行う必要が出てきたり、水道代が値上がりしたり、公共バスの本数が減らされたりします。

あなたは、今まで無料で当たり前だと思っていたものが有料になったり、生活を支えていたサービスが実は国や地方により担われていたことに気づくとともに、どんどん改悪されていくサービスに不満を感じるようになります。

国による増税

国税庁ホームページより

社会保障、サービスの削減だけでは日本の赤字は解消できません。

100兆円を超えている歳出をカバーするために、消費税と個人金融資産への課税がもたらす効果が大きいので、IMFは歳入を増やす策として、下記の税の導入を提案します。

  • 消費税の増税を行い、消費税20%とする(ただし、食料品など軽微税率が適用されている品目は消費税変わらず)
  • 資産税の導入。マイナンバーに紐づいている資産を元に、3000万円を超える金融資産については、毎年1%を納税する
  • インボイスの導入により自営業者、農林業者の収入の把握と課税を行う
日銀2019第二四半期の資金循環資料より

政府は、IMFからの圧力とこれまで税負担が少なかった層にも負担させる策だ、自分たちは過去の政権のツケを支払わされているのだ、と外国と過去の政権に責任を転嫁しながらこれらの歳出改革を行います。

これまで租税負担の軽かった層も税金を負担するようになることに加え、一定以上の財産を持つ層は資産税を支払う必要が出てきて、負担が増加します。

あなたは、保有している株式の価格は下落するわ、税金も増えるわ、将来もらえる予定の年金も減るわ、で政府への不満がどんどん高まっていきます。

生活に必要な光熱費、食料品、日用品の価格が倍になる

円が急激に下落したことから、輸入に頼っている石油・ガソリンの価格が急激に上昇します。また、2030年になっても、日本は輸入した石油・石炭・天然ガスの発電に頼るエネルギー構造を変えられていないため、光熱費が2倍になります。

日本原子力文化財団ホームページより

特に輸入比率が高い小麦を使った製品(パンなど)や肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)の価格が上昇し、洋食のレストランの価格が月単位で変わっていきます。

農林水産省 「知ってる?日本の食料事情」2014

また、米国産牛肉の値上げとインフレにより、吉野家の牛丼が800円になることが発表され、牛丼愛好家の中で激震が走ります。

電化製品や日用品などの価格も上昇し、消費税の上昇と合わさり、あなたが気がついた時には、電化製品の価格が2倍以上に上がっています。

変動金利で住宅ローンを組んでいる人の生活が破綻する

日本の国債の引受先がいなくなるため、金利が急上昇します。そしてそれに連動して、住宅ローンの金利が変動金利であれば上昇します。金利が20%まで上昇した場合、利息制限法の上限である年利15%まで金利が上昇します。

2000万円を1%の変動金利で借りている人の年間利払いが20万円なのに対し、金利が15%まで上がると、年間利払いが300万円まで膨れ上がります。

マイホームを変動金利ローンで購入してる人の多くが、金利支払いのために住宅を手放さなければならなくなります。

あなたは住宅購入の際、35年の固定金利にしていたために負担は変わりません。けれど、隣のマンションを同時期に購入した人が、「ローンの負担が増えて売却しなければならないけれど、今の時代、誰も住宅を購入しようとせず、希望するような価格がつかない」、と言って嘆いているのを聞きます。

テレビではローンを支払いきれずに自己破産し、ホームレスになった人たちが公園に集まり、集落を作っているという話や、NPOが空き家をホームレスになった人たちに無料で貸し出すサービスを始めた、などのニュースが流れています。

国内向けの比率が高い企業の連鎖倒産が起きる

国民の購買力が減少してモノを買い控えるようになり、売上数量が下がる上、海外からの材料の仕入れに関わる価格の値上がりに、値上げが追いつかず、国内向け事業を行なっている企業が赤字となります。

特に特定の大企業向けの売上が高い中小企業が連鎖的に苦境に陥り、銀行も貸し出しを行う余力がないため、資金繰りに困って倒産します。

あなたは連日のように、危機的な状況になった企業と救済される企業のニュースを見ることになります。

特に、日本の企業がバーゲン価格となり、かつ資本注入の必要に優れた技術を有する企業を買いに多くの海外企業が買収提案や資本提携を行うニュースが連日のように報道されます。

国内から海外へ輸出を行なっている企業、インバウンド旅行業界にとっては機会到来

一方、国内に生産拠点を持ち、海外に輸出している企業は、コスト競争力をもち、輸出が好調となり、最高益を更新します。

また、物価の安さから訪日旅行者が増加し、訪日旅行者を対象とした宿泊機関や飲食業界にとっては機会となり、景気が良さそうです。

あなたは街中で、日本人で外出して買い物する人が減っているのに対し、外国からの観光客が増えていることに気づきます。

財政破綻が起きても変わらないもの

消費税は上がり、資産税も導入されて支払う税金が増えている割に、年金・医療への国からの補助は減り、公的サービスも削減か有料化されました。物価も電化製品の価格も2倍以上になりました。

テレビをつけると「平成の時代は良かった」と昔を懐かしむ番組や、「それでも世界から敬われる日本」といった日本の良いところを強調するような番組が流行っています。みんなどこか、生活のどこかで明るさや希望を見つけようとしているように感じます。

確かに生活は前に比べると苦しくなりましたし、将来についても不安を感じることはあります。

ただし、変わらず、あなたの親も友人も日本にいますし、ご飯も美味しければ、少し電車に乗れば豊かな自然を楽しむことができます。確かに社会保障は大きく削減されましたが、いざとなれば生活保護がありますし、働けているうちは食べるくらいは稼げるし、両親と同居しているため両親の年金と合わせれば家計としてなんとかなっています。

治安が悪化するのでは、とも心配されていましたが、人口の1/3以上が60歳を超えているためか、変わらず平和です。

「今の時代、仕事があるだけマシだし、節約すれば、なんとか暮らせないことはないかな」。あなたはそう呟き、今日も会社に行きます。

そんな後ろで、「家族、友人との絆、助け合いが大事だと思う」と答える人が増えている、というニュースが流れています。

もしかしたら、財政の危機は、人と人を結びつける機会になったのかもしれません。

まとめ

  • 日本の財政破綻が起きると、円が急落し、物価が急上昇し、生活が激変する。
  • 政府は増税と歳出カットを同時に行う必要が出てくる。特に大きな被害を受けるのは、カットされる年金に頼る高齢者と国に雇用されている公務員。
  • 資産課税が課される可能性が高く、かつ株価の暴落とインフレにより資産が目減りするため、富裕層の資産も大きく影響を受ける。
  • 日本を主にしたビジネスを行なっている企業の経営は厳しくなる。
  • 日本全体として貧しくなるが、一部の海外で稼いでいる企業にとっては円安メリットを享受でき、機会となる。
  • 財政破綻が起きても日本が無秩序になるわけではなく、日常は続く。親、友人との関係、美味しいご飯、安心・安全な環境、といったものは変わらない。人と人との助け合いが、生活を守る鍵となる。

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米国株ブロガーに人気の個別米国株12選/ETF 2選

米国株って最近よく聞くけど、どうやって株を選んだら良いかわからない、と思ったことはありませんか。

上場している株は1000を越えるため、1つ1つの株を見ていくのは大変です。米国株投資の経験者から学ぶため、著名な日本人米国株ブロガー10名の方が保有している銘柄を調べてみました。

米国株ブロガーが選んだ12銘柄

製薬、医療機器、消費者向け商品と幅広くビジネスを展開する、ヘルスケア企業のジョンソンエンドジョンソン (J&J) が1位で、10人中9人が保有していました。

J&Jはビジネスを安定的に成長させていることに加え、配当を継続的に増加させていることが、評価されているポイントかと思います。

銘柄評価はこちら => 【株式分析】J&J (JNJ-ジョンソン・エンド・ジョンソン)配当貴族の有名銘柄

2位以降はVISA、マクドナルド、コカコーラとおなじみの名前が並びます。

5位のAltriaは日本ではあまり馴染みがないですが、アメリカのタバコ会社で、世界で最も大きなタバコ会社の一つです。喫煙者の方にはマルボロの銘柄でおなじみかもしれません。

同じく同率5位のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は洗剤のアリエールやシャンプーのパンテーンなどでおなじみですよね。世界中でビジネスを展開する、アメリカの最大手日用品メーカーの一つです。

7位以降は同列です。マイクロソフト、スターバックスもおなじみかと思います。

AbbVieはもともとアボット(Abbott)という医療機器メーカーの一部からスピンオフして作られた製薬会社です。配当による株主還元に積極的で配当の利回りが大きく、高配当株を狙う方に好まれています。

3Mは化学品メーカーです。日用品ですとポストイットなどでおなじみですよね。

AT&Tは通信でいえば日本でいうKDDIのような位置付け(つまり通信大手2番手)で、TV放送も持っているメディア会社です。エクソンモービルは世界大手のエネルギー会社です。

AT&T、エクソンモービルも継続的に成長している上にAbbVieのように配当利回りが高いため、安定して配当をもらいたい人にも人気です。

これらの12銘柄のうち、テクノロジーはマイクロソフトのみであり、米国株ブロガーの方々はより長い間の時の洗礼を受けて成長してきた銘柄を好んで購入している印象です。

12銘柄の過去10年のパフォーマンス

次点で保有率の高かった銘柄

2名、3名の方々が保有していたのは下記の15銘柄でした。

10名中、2名、3名が保有していた銘柄

市場を支配し成長を続けるGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)のうち、Facebookを除く3銘柄が含まれていますね。

British Tabaco(ブリティッシュタバコ、英国のたばこ会社)、Royal Dutch Shell (欧州のエネルギー企業)、Westpac Banking (オーストラリアの銀行)といった高い配当利回りをもつ株式が含まれています。

1名のみが保有していた銘柄

1名が保有していたのは下記の23銘柄となります。

こちらはユニリーバやネスレなど日用品でもおなじみの銘柄もありますが、主にはアメリカや欧州を中心にビジネスを行なっている企業が並んでいます。

米国株ブロガー10人が選んだETF 2選

米国株ETF(上場投資信託)で保有率が高かったのは下記の2つでした

  • VOO (VanguardのS&P500に価格が連動するETF)
  • SYPD (S&P500のうち、高配当の株に投資するETF)

複数のETFを購入されている方が6人いらっしゃり、平均3銘柄を保有していました。

まとめ

  • 米国株ブロガー10名の保有個別株のうち、12銘柄の保有率が40%を超えていた。特にJ&Jは10人中9人が保有
  • 保有率が高い12銘柄は20年以上にわたって成長し続けている優良企業が多く、テクノロジー企業はマイクロソフトのみ
  • GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)は次点で人気のグループに入る
  • ETFで人気なのはS&P500に連動したもので、VOOとSYPDが人気

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分析方法

ブロガーの選定基準

元となるデータ

順序は2019年11月13日時点のブログ村米国株ランキングに準じています。

30代夫婦の家計簿 – 収入、支出、財産、住宅ローン残高

いわゆる「平均的な」30 代夫婦の家計簿はどのようでしょうか。 何に一番お金を使っているのでしょうか? 将来に向けて着々と貯金をしているのでしょうか? それとも、住宅ローンや家賃を支払うと、ほとんど収入が残らないのでしょうか?

国の統計をもとに、平均的な30代夫婦の家計簿をみていきたいと思います。

30代、世帯の平均収入

出典:厚生労働省 平成30年「国民生活基礎概況」

厚生労働省の2017年世帯データを使います。データによると、2017年の30代の世帯当たり平均所得金額は574万円です(こちらは単身、二人以上世帯の両方を含んでいます)。

社会保険料、所得税、住民税で20%程度引かれると仮定すると、手取りの年収は460万円。月になおすと、30代の世帯の手取りは平均して月38万円となります。

30代、2人以上世帯の支出

家計調査(2018年)によると、二人以上世帯、30代の支出の平均は下記のようになります。毎月、合計月28万円の支出です。

項目金額割合
食費¥68,63024.58%
交通・通信¥47,53616.76%
その他¥43,77615.57%
娯楽¥28,74310.07%
住居費¥23,1219.06%
光熱費・水道¥18,9136.85%
被服¥13,1204.68%
教育¥13,5234.61%
家具・家事用品¥10,9083.97%
保険医療¥10,5933.85%
合計¥278,863100.00%

データによると、世帯主の平均年齢は35歳。持ち家率は63.7%と約3人に2人は持ち家を持っています。30代、2人以上世帯の女性は1人に2人が就業しており、同居している人数の平均は3.7人です。

支出を割合のグラフにすると、どこにどれくらい支出しているのかわかりやすくなります。

出典:家計調査結果 2018(総務省統計局)

食費が約1/4を占め、交通・通信が次に大きな割合を占めています。

これは自動車関連費用(保険、車検など)で毎月平均27,000円かかっていることと、通信費が約15,000円かかっていることによります。

管官房長官が通信費の値下げにこだわる理由がわかるような気がしますね。

住居費は23,000円。大都市の家賃の水準から比較するとかなり低く見えますが、これは、3人に2人は持ち家のために家賃を払っていないことと、住宅ローン返済は上記の消費から除かれているためです。

その他は交際費やお小遣いや美容サービスなどです。

30代、2人以上世帯の貯蓄

出典:家計調査結果 2018(総務省統計局)

総務省の家計調査を用います。家計調査では20代、30代の貯蓄を40歳未満とまとめているため、上のデータは40歳未満のデータです。

貯蓄残高は単純平均で600万円です。定期預金が最も高い割合を占めています。

項目金額(万円)割合予想利回り(年, %)
定期預金27846%0.35%
普通預金14124%0.001%
貯蓄型生命保険11920%0%
有価証券(株・債券など)386%6.15%
その他264%0%
合計600100%0.55%

利回りの前提は定期預金 (5年、オリックス銀行)、普通預金は3大メガバンク。有価証券は日経225の過去5年のトータルリターンインデックスからです。

これはかなり興味深いです。2000年以降、ほとんどの定期預金の利回りが0.5%未満になり、15年以上経つにも関わらず、いまだに平均的な家庭で貯蓄の半分近くが定期預金です。

また、貯蓄型の生命保険にも金融資産の20%程度を割いています。

最も利回りが高い有価証券の割合はわずか6%。平均して38万円であることから、NISA(少額投資非課税制度)はこの世代であまり活用されていないことがわかります。

平均的な40歳未満が世帯主の家庭の予想利回りは0.55%です。

これは100万円を10年間預けて、約6万円を受け取る計算になります。

30代、2人以上世帯の負債

出典:家計調査結果 2018(総務省統計局)

20代、30代の負債残高の平均は1,248万円で、9割以上は土地・建物取得のための住宅ローンです。

これは負債のない人も含めた「平均」のため、実際に負債をもっている人(ほぼ住宅ローン)の負債残高平均は2,030万円となります (=1248万円/61.5%)

出典:家計調査結果 2018(総務省統計局)

この負債は2015年から年々増え続けています。要因としては、住宅価格の値上がりにより、住宅購入時に必要な住宅ローンの額が増えたことが考えられます。

住宅価格の値上がりを反映してか、平均的な貯蓄額も600万円前後を過去5年推移しています。

30代、2人以上世帯の収支

2,000万円の住宅ローンを20年で組んでいる場合支払い金利を1%と仮定した場合、約9万円になります。

あくまでも平均の数字ですが、38万円の世帯の手取りの中から、住宅ローンで9万円を支払い、さらに支出として28万円近くを支払う、と手取りとして残る金額はあまりないかもしれません。

これがNISAやiDeCoといった明らかに有利な仕組みの利用率が30代でもなかなか上がらない理由とも考えられます(NISAの30代の年代別比率は2019年6月でも12%)

出典:金融庁 NISA・ジュニアNISA利用状況調査

まとめ

  • 30代の平均世帯年収は574万円
  • 30代の2人以上世帯の支出は平均して月28万円。食費が25%、交通費・通信費の負担が17%と重い
  • 30代の2人以上世帯の貯金額は600万円で、ほとんどが定期預金か普通預金。株式・債権投資はわずか38万円。予想利回りは0.55%。
  • 30代の2人以上世帯の3人に2人は持ち家をもっている
  • 負債をもっている30代世帯の平均負債額(9割以上が住宅ローン)は2,000万円。
  • 住宅ローン、あるいは家賃を支払い、さらに平均支出28万円を行うと、月々の残りは数万円。
  • 30代の働き世代は住宅ローン・または家賃支払いのため、老後への蓄えがしにくい状況にあり、NISAの利用も約12%と普及はまだまだ。

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その他出典

投資についての方針

初心を忘れないよう、投資についての方針を定めたいと思います。

銘柄選択に対する5つの質問

魅力的な市場か?

ビジネスを行なっている市場が魅力的(成長率が高く、利益率も高い)であれば、企業は安定的に成長して利益を出し続けることができます。

理解できるビジネスか?

自分が理解できるビジネスであれば、そのビジネスがうまくいっているのかうまくいっていないのか理解しやすくなります。

ビジネスモデルに競争力があり、持続可能か?

競争力のあるビジネスモデルは競争に勝ち、売り上げの増加や、より高い利益率を獲得するのに役立ちます。最も重要な項目です。

経営陣が有能で、株主重視の姿勢か?

優秀な経営陣は継続的に高い成長をもたらし、かつ株主に利益を還元します。

過去5年程度の実績と今後の成長戦略を元に判断したいと思います。

割安か?

適切な価格よりも安く購入できるよう、PER(株価収益率)、EPS (一株あたり利益)、ROE (一株あたりのリターン)、BPS (一株あたり純資産)をみていきたいと思います。

投資の姿勢に対する6つのポイント